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海外事業立ち上げに「綿密な計画」がいらない理由。Baridi Baridi(ダイキン子会社)に聞く

CDI内カンパニーoririでは、日本企業のグローバル経営について研究・発信活動を行っています。
その一環として、グローバル経営の最前線で戦う方と対談を行っています。
第一弾は、タンザニアでエアコンのサブスクリプションサービスを展開するBaridi Baridi株式会社(以下、Baridi Baridi)CEOの、朝田浩暉さんにお話をお伺いしました。
Baridi Baridiは、海外売上高比率が7割を超えるグローバル企業であるダイキン工業株式会社(以下、ダイキン)と、アフリカ最大の小売店プラットフォーム構築を目指すWASSHA株式会社(以下、WASSHA)の合弁会社です。

対談メンバー:
朝田浩暉さん(Baridi Baridi CEO)
小川達大(oriri President / CDI-Shingapore Director)
是枝邦洋(oriri Vice President / CDI上海オフィス董事総経理)
ファシリテート・編集:
木村優斗(oriri consultant)

朝田さんご経歴
1990年生まれ。京都大学経済学部卒業。新卒でダイキンに入社し、アメリカで事業の建て直しを経験した後、現在に至る。
Baridi Baridi概要
タンザニアでエアコンのサブスクリプションサービス事業を展開。
大手空調メーカーであるダイキンと、モバイルマネー技術を持つWASSHAの合弁会社。
Baridi Baridiはスワヒリ語で「冷え冷え」という意味。

朝田さんの熱量:アフリカの「ゾンビエアコン」を駆逐する

ー最初に改めて、Baridi Baridiのビジネスモデルについて教えていただけないでしょうか。

朝田(Baridi Baridi)
Baridi Baridiは今、アフリカのタンザニアでエアコンのサブスクリプションサービスを提供しています。
タンザニアでは、まだ電気が通っていない地域もありますが、都市部の洋服店や美容院などの小規模ショップにルームエアコンが普及しつつありますが、いま町のエアコンの10台に7台は稼働していません。

それは、タンザニアでは中韓メーカーの格安エアコンが出回っていて、故障しても修理技術が未成熟のため、放置されてしまうからです。
しかも、これらの格安モデルは故障しやすいだけでなく、省エネ性能が低いため、電気代が高くかかる上に環境にも悪影響を及ぼします。

電気代はタンザニアの人々にとって深刻な問題なんです。小規模ショップの一ヵ月の電気代はおよそ7,000円で、大卒の平均的な月収が約2万円であることを考えると、すごく大きな負担です。
これをダイキンの省エネ性が高いモデルに変えるだけで約半額に減らすことができます。しかも、環境にも優しい。現状、タンザニアは省エネ規制が緩いため、環境性能が悪い製品も規制されずに出回ってしまいます。

既存の格安エアコンのビジネスは、コンテナ船で輸入した安物を大量に売りさばいて利益を得るモデルです。今の利益のために、高額な電気代という形で人々の生活に負担を強い、未来の地球環境を犠牲にしているのです。

私にとって、稼働していない「ゾンビエアコン」は「今さえよければいい」の成れの果てです。だから、これを駆逐すると決意しました。

小川(oriri)
10台に7台は動いてない、であるとか、タンザニアの人たちが抱えている課題感に、どうやって気づきを得たんですか?

朝田(Baridi Baridi)
最初にタンザニアに出張したとき、チラシをもってお客さん先を回ったんです

そこで、どのお店もエアコンが設置されているのに動いていないことに気づいたんです。
話を聞くと、電気代が高い、とか、何度も修理をやったけどもう直らないから放置している、という声を聞けたんです。

是枝(oriri)
アフリカには他の競合企業も参入してますよね。他の会社さんも同じ認識なんですか?

朝田(Baridi Baridi)
保守・メンテナンスって、あまりお金にならない領域なので、興味はないんだと思います。

空調業界はバリューチェーンがはっきり分かれていまして、メーカーは代理店・販売店さんにガサっと売り切って、その後は知りませんよ、というビジネスなんです。
なので、いかに大きい代理店さんを押さえてくるか、に目が行きやすいんです。
修理する方も、修理すればするほど儲かるので、わざと直し切らないこともあるんです。

最近、ダイキンがアジアやヨーロッパでもサービス機能を充実させ始めているので、サービス店の教育や囲い込みが重要であることに気付いている競合も増えてきています。

是枝(oriri)
なるほど。素人からすると、エアコンも耐久消費財なので、売った後壊れていないか、ちゃんと動いているか、気になると思うんです。

そこにダイキンや朝田さんが早く気づけたのは、どうしてなんでしょうか。

朝田(Baridi Baridi)
耐久性を大事にしているメーカーは多いです。ただ、耐久性をはじめ商品・サービスの品質を追い求めると、どうしてもコストが高くなるんです。

お客さんの優先順位として値段が第一になると、どうしても人材育成や管理費のコストをどれだけ減らせるか、という考え方になってしまうので、気づいていてもそこまで手が届かないのが一つです。

もう一つは、LGやサムスンは携帯と同じやり方でエアコンを売っている、という指摘もあります。

携帯は、毎年モデルチェンジしますよね。
空調機器って本当はメンテナンスの方が大事で、毎年モデルチェンジしたらダメなんです。保守部品をちゃんと提供できることが大事なんです。

LGやサムスンは空調専業メーカーではないので、やはり家電系で成功した人たちが事業をすると、携帯のように毎年モデルチェンジしてそこをアピールすれば売れる、という風に思ってる、という部分もあるかもしれません。

小川(oriri)
(合弁の相手企業である)WASSHAとのつながりの中で、WASSHAというスタートアップの人たちと接したことで、考えが変わったりされたことはあるんですか?

朝田(Baridi Baridi)
影響を受けましたね。本当にタンザニアのド田舎に、WASSHAのキオスクが4,000店舗あるんです。これは本当によく作ったなと思います。太陽光パネルをキオスク1軒1軒に運んで、従業員を雇って。

しかも私とほぼ同年代の方がそこまで事業を拡げていて、これは負けてられないな、という思いになりました。

ダイキンにとって、Baridi Baridiの取組みが持つ意味

ーダイキンは、保守・メンテを大事にするモデルがグローバルで成功していたから、アフリカでもそれができる、と考えることができたんですか?

朝田(Baridi Baridi)
そうですね。ただ、ダイキンも長いことアフリカでは苦戦していて、アフリカでも販売会社があるのはエジプトと南アフリカだけなんです。シェアも、中韓メーカーが9割近く押さえている状況です。

ダイキンのアジア・オセアニア地域の成功パターンは、自前で販売会社をしっかり持って、サービス店や販売店をきちんとサポートしていく、というモデルでしたが、
アフリカはまだ市場規模がアジア・オセアニアに比べると小さいので、そこまでの投資ができない、という現実がありました。

小川(oriri)
そうすると今回のBaridi Baridiの取り組みは、
ダイキン本社がアフリカなどの新しい地域を攻略するためには、新しいパターンを持っていた方がいいよね、という考え方で、
そういった新しいパターンを探索しながら開発していく、という全社的な取り組みだったりするんですか?

朝田(Baridi Baridi)
と、私が言っています。笑

これまでのやり方では上手くいかない、というのはみんな知っています。
アフリカはヨーロッパの管轄だったんですが、10~20年停滞していて、組織変更も何回もしました。インドからアフリカを見ようかとか、中東からアフリカを管轄してみようかとか。

それでも上手くいっていないという歴史があるので、僕の中では違うやり方で勝負した方が面白いと思っています。

ダイキンの成功パターンは各地域で違っていまして、
アジア・オセアニアは先ほどのように、販売会社が販売店をがっつりサポートするモデルですし、
中国は、住宅用を捨てて業務用一本足で勝っています。
ヨーロッパは各国の現地代理店を買収し、その自前化を進めて勝てています。
アメリカは、アメリカ3位の大きい会社を買収して、その市場へチャレンジしています。ここではまだ勝っているとまでは言えないですが。

それで、今空いているのが中南米とアフリカなんです。
そこは、また他の地域とは違うやり方が必要になってくるだろうな、というのは共通認識としてあると思います。

小川(oriri)
そう考えると今の取組みは、地域としても飛び地だし、ビジネスモデルとしても飛び地ですよね。

そうすると、現地では朝田さんのような方が、新しいビジネスモデルで、しかも個人的なミッションとも擦り合わせができていて頑張りたい、と思っていても、本社側となかなか目線が揃わない、ということが一般的にはあると思うんです。

そういったときには、朝田さんが仰ったような、
「本社がこれまでやってきたことを総括しながら、これからを見据えるとこういう取組みが必要ですよね」と、
全社的な取組みの中に自分たちの活動を位置付けてコミュニケーションすることが大事になると思うんです。

ただ、そういう見方は、普段の事業活動から目線を飛ばして自分たちを捉えなおさないと難しいことですよね。

それは、朝田さんがBaridi Baridiをやろうと思った最初の段階からそういった見方ができていたのか、それとも活動の中で経営資源を得ていくためにはこういうストーリーが必要だ、という考え方になったのか、どっちなんでしょうか?

朝田(Baridi Baridi)
飛び地で勝負しよう、ということは初めから考えていました。

副社長の峯野から打診された時に、インドとか複数の地域を提案されたんですが、いまダイキンが勝っている国だと、40~50代の実績のあるメンバーが何十人も部長級でいるんです。

そこに私が平社員で行ったとしても、いろいろな壁を越えて新しいモデルを始めるのが難しいかもしれない、と感じていたんです。

アフリカまでいけば、ステークホルダーの数も減らしながら新しい取り組みで勝負ができるかもな、と考えたことがタンザニアに行くことを決めたきっかけになりました。

やることを減らし、現地で高速にトライアルを回す

ータンザニアに行かれた初めの段階から、ビジネスモデル自体は概ね出来上がっていたんですか?

朝田(Baridi Baridi)
最初からサブスクのプランがあったわけでは無いです。

ただ、WASSHAさんがアフリカでモバイルマネーの技術を使いながらLEDランタンのレンタル事業をやっていたので、レンタル事業というのは案の一つとしてありました。

-事業の立上げまでには、具体的にどのような経緯や試行錯誤があったんですか?

朝田(Baridi Baridi)
私がアメリカから日本に帰ってきてすぐに、
まずタンザニアに2週間行って、日本に帰って来てまたすぐ3か月間タンザニアに行きました。

余談ですが、私の場合は上司に恵まれていまして、出張計画なども特に作らないままタンザニアに行けたのが大きかったです。
事業は現地に行かないと分からないですから、事業計画も無いけどとりあえず行かせて欲しい、と言ったら、上司が予算取りをしてくれました。笑

最初の2週間は、行ってすぐ、サービスもないのにチラシを作って、チラシをもってお客さん先を回っていました。そこでいろいろとお話を伺ううちに、感覚的にいけるぞ、と確信を得ました。

その後、再度3か月タンザニアに行きました。
Baridi Baridiはダイキン インドからエアコンを仕入れているんですが、発注してから届くまでにリードタイムがあるので、ひとまず現地でエアコンを調達してきてトライアルを始めました。
ダイキン インドからエアコンが届くまでに、仮の営業マンを1人雇ったら、チラシだけで80台くらい契約をとってきたんです。まだエアコンは1台も届いていないので、サービス予約という形ですが。笑

インドからの入荷に手間取って、私が日本に帰国しなくてはいけなかったので、私の代わりの人にエアコンの据付をお願いし、トライアルのデータを送ってもらいました。私もすぐ1か月後くらいにタンザニアに戻り、実験のフォローをしました。エアコンの取外工事も、自分でやりました。笑

というので、大体半年くらいでダイキンの取締役会で法人設立の許可をもらったというぐらいのスピード感でやってました。

ー驚異的なスピードですね。トライアルではどういう取組みをされたんですか?

朝田(Baridi Baridi)
ダイキン インドからエアコンが届くまでに、現地の安いエアコンを買ってきて実験をしました。
今のサービスの半分以下のレンタル価格に設定して、据付工事代金も無料にしてやってみたんですが、全然課金されなかったんです。笑
1か月で4台中3台取り外すことになってしまいました。

その後、インドからいいエアコンが入ってきました。
レンタル料も上げて、据付代金もきっちりとってやってみたら、稼働率が90%を超えてきたんです。

ターゲット層が変わったのもありました。所得水準が高いお客さんは、エアコンを使ったことがあるのでサービスのメリットもよく分かるし、お金の回収も簡単でした。
あと、法人が増えました。稼働時間が長い分、電気代削減のメリットを感じやすいというのもあったと思います。

価格を上げれば上げるほど稼働率が上がったのが興味深かったです。

小川(oriri)
ターゲットセグメントと、製品のグレードと、課金形態の掛け算を、めちゃめちゃ高速にPDCAを回してチューニングされてたんですね。

朝田(Baridi Baridi)
4~5台のエアコンで、めちゃめちゃ試行錯誤してました。笑

小川(oriri)
最終的に、レンタルなどではなくて今のサブスクサービスという形に行きついたのは、どういった理由があったんですか?

朝田(Baridi Baridi)
やはり、電気代が相当高い、ということが大きかったですね。
ダイキンのエアコンを使えば、60%は電気代が下げられるので、そこにマネタイズの可能性を感じました。

もう一つ、競合ができないビジネスモデルにしようと考えました。
私たちは圧倒的に高性能なエアコンだけを大量に仕入れられますが、代理店にはそれは真似できないんです。

代理店は、収益源である安いエアコンの販売をやめられません。
しかも、代理店は松竹梅で値段設計をしています。そうすると市場の価格調整のために、どうしても高いエアコンを安くすることはできないんです。

是枝(oriri)
聞けば聞くほど、王道の進め方ですよね。
普通、本当にビジネスをやろうと思ったら、実際にサービスを使ってもらって試して、と進めていくのが良いですよね。

ただ、多くの会社さんは、その考え方に至るまでに結構時間がかかることがあるんです。
タンザニアの市場規模をしっかり調べて、テスト分析をして、レポーティングをして…人を現地に送ってトライアルするまでに、1年くらいかかったり。

朝田さんはタンザニアに行った瞬間、やりはじめてますよね。朝田さんはもともとそういう性格の方なんですか?笑

朝田(Baridi Baridi)
せっかちな方ではありますね。笑

ただ、こういうビジネスは勝ち続けるしかないんですよね。
新しい地域で新しいことを始めようとすると、いろんな理由で反対ができてしまうからです。
長い時間勝ち続けるのは難しいので、できる限り短期決戦で勝負をつけないといけないと思っていました。

ー短期決戦で勝つために、意識されてたことはありましたか?

朝田(Baridi Baridi)
とにかくやることを減らす、ということを意識していました。タンザニアでも残業はほぼしてません。笑

事業立上げの上で、法人設立という一つのゴールがあったので、
それに向けて『市場規模があるか』『オペレーションが確立できるか』『きちんと課金されるか』という3つの問いをクリアしたらOKだ、ということをWASSHAとも確認して、それ以外はやらないようにしていました。

でもエアコンの取外工事とか、3つの論点のために必要なことは全部自分でやってました。笑

ダイキンの「人を重んじる」文化

ー現地で事業の立上げに専念できたのは、上司の方に恵まれていた、とも仰っていましたが、ダイキンの組織文化の影響もあるんでしょうか?

朝田(Baridi Baridi)
そうですね。経営陣が直接現場を見る、という文化があります。

私が1年目の時に、なぜか井上会長からご飯に呼ばれているんです。笑
井上会長がマレーシアに出張するときに、私が車の手配をしていたんですがそこで話しかけられて、軽く受け答えをしただけでしたが、すごい料理屋さんに連れてってもらったんです。

あとは、ダイキンでは毎年、新入社員研修を1週間、合宿するんですが、そこにも井上会長が必ず来られるんです。
若手の人材だけでなく、若手人材を育成できるメンバーも発掘しようとしているんです。

私が3年目の時に、ダイキンが買収したアメリカ子会社に出向になったんですが、これももしかしたら、私を海外で鍛えさせる意図があったのかもしれません。もしかしたら、タンザニアで事業をやる何年も前から、仕組まれていたのかもしれませんね。笑

是枝(oriri)
すごいですね。

例えば、ファーストリテイリングは、国内での新卒採用の半分くらいが外国籍の方になっていて、日本の店舗で育成した後、母国に返して店長にする、みたいなことがやりやすい、グローバルに展開しやすい体制を作っていたんです。

海外展開って、10年20年単位でやらなければいけないことで、そうすると『人材』がボトルネックになることが多いんですよね。
そこに初めから手を打っているのがすごいなと思いました。

小川(oriri)
他の会社と比較して、ダイキンのらしさとか、ユニークさとか、感じられるところはありますか?

朝田(Baridi Baridi)
事業計画と同じくらい、もしくはそれ以上に『人』に興味がある、というのがユニークかもしれません。

Baridi Baridiの取締役会でも、ダイキンは、『人』に関する質問が多いんです。給与は十分に事業計画に入っているか、とか、昇給ができるように十分予算を確保できているのか、とか。ダイキンは一般的な企業と比べて、見ている視野が少し違うように感じます。

小川(oriri)
日本の既存事業の管理や、日本からの海外子会社の管理でも、同様なんですか?

朝田(Baridi Baridi)
そうですね、大らかな方ではあると思いますが、大きい事業や会社の管理になれば、もちろん事業面で細かく管理しています。

そもそものDNAとして、『一流の戦略と二流の実行より、二流の戦略と一流の実行』という標語がありますよね。

朝田(Baridi Baridi)
そうですね。実行力のためにも『人』に関心が強いというのもあると思います。

小川(oriri)
実行を大事にしつつ、ここは大らかに、とか、ここは細かく、とか使い分けができているのがすごいですね。

大きな絵を描くことが、事業を進めやすくする

-タンザニアで事業を立ち上げた後、その先の拡がりも考えていらっしゃるんですか?

朝田(Baridi Baridi)
まだ事業はこれからですが、既に40人社員を抱えていて、一緒に事業の立上げを経験してもらっています。

その中でも、光るスタッフは結構いて、今後の他国展開をサポートできる人材を育てていきたいと思っています。

是枝(oriri)
普通のスタートアップだと、あまり固定費を増やしたくないので、できるだけ人員を減らそうとすると思うんですよね。40人採用するというのは、結構先のことを考えていらっしゃるからなんですね。

朝田(Baridi Baridi)
そうですね。ダイキンの子会社だからこそ打てる手でもあると思います。資本を人材の確保に優先的に投じています。事業は誰がやるかが大事だと思っています。採用してすぐできるようになるわけでは無いので、1~2年かけて人材を育てていこうとしています。必要になるポジションは、半年前には入れて育てたいと思っています。

ータンザニア事業だけでなく、アフリカ全体にサービスを広げていくという絵を描いているからこそですね。

朝田(Baridi Baridi)
そうですね。実際に、アフリカの他の国への展開も具体的に進めていくフェーズになっています。

是枝(oriri)
絵が大きいことが、逆にリスクヘッジになるということもありそうですね。

ある企業でも同様のことを感じたのですが、『アフリカの○○の国を攻めるんです』と小さい絵を描いてしまうと、発注量が減るから工場にも取り合ってもらえなかったり、代理店にも『そんな小さい販売量だとマージン下げられないよ』と言われたり、ビジネスが拡がりにくくなることもあると思うんです。

「○○だけではなくアフリカ市場をとるんです」みたいな大きな絵が描けると、進みやすさも変わるでしょうね。
生産側や販売側のパートナーとの交渉も進みやすかったり、人材も長期的な目線で育てられますし。大きなビジョンに強く共感してくれる人が現れてきて、いざというときに助け舟を出してくれたり、そういったことに繋がっていくと思います。

「バカな」と「なるほど」の両方がないといけないですよね。
最初は「バカな」と感じるけど、よくよく話をきくと「なるほど」となる、そんな絵が描けることが重要なんでしょうね。

朝田(Baridi Baridi)
その通りだと思います。

僕の中では、セブンイレブンを作りたいと思っているんです。セブンイレブンは、ダイエーが全盛期の、『大きい店舗が正義』の時に、『小さくて高い』で始まっていますけど、いま、セブンイレブンはイトーヨーカ堂より大きいですよね。

うちも、レンタル料は安くはないですが、所有から利用に変わることで選ばれると思っているんです。お金を回収する手段はモバイルマネーになるので、普通の代理店がカバーできていなかった地域にも広がるんです。

小さい市場を100%とっていって、一つ一つの小さい市場では、50~100台のエアコンのオペレーションを現地のパートナーが回していって、パートナーに対してBaridi Baridiから一部のお金を送金する、となると、本当にセブンイレブンなんです。

そうすると、空調業界はガラッと一変すると思っています。

いかがでしたでしょうか。
海外事業展開・推進のお役に立てましたら幸いです。
引き続き、海外事業の最前線で戦う方との対談をこのnoteで発信していこうと思っています。
ご興味があれば是非、こちらもご覧いただければと思います。
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