見出し画像

【140字/空想】月の夜に巡り合ったもの

水晶に侵食されていく町。
見上げる私に店主は言う。

あれは想いさ。
強ければ強いほど育ち輝く。
それが何であろうとも。
因果なものさ。
だけど、
そんな想いは特別だと思わないか?

硬質な肌を月下に晒し、
冷たい炎のように揺らめく結晶。
禍々しいほど妖艶。
泣きたくなるほど純粋。

そしてそれは永遠だった。



大好きな鉱物ジオラマ作家さんの個展に、
SSを作ってくださいと呼びかけがあり、
胸高鳴らせて参加した時のものです。
水晶輝く幻想的な街並みを
想像していただけたら嬉しいです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?