【詩とつぶやき】朝と朝をつないで
霧の早朝だった
空港へ向かうため
まだ眠る街を行く
濡れた舗道
街灯に照らし出された
美術館の門扉の深い陰影
その先の角で
ヘッドライトに乱反射する白い世界
黒いタクシーが夢物語みたいに佇んでいた
聞こえたのは誰の呼吸だったのか
うすら寒くて無意識に腕をさすれば
鬱々と湿っぽくてため息がこぼれる
なのに離れがたくて眉間に皺がよる
大切な何かを今すぐもぎ取って
置いていかなくてはと思った
帰る日なんか欠片も
想像なんてできなかったのに
今朝のニューヨークは快晴です。
だけどふとロンドンの朝を思い出しました。
帰りたい場所はどこだろうと問われたら
やっぱりここだと言ってしまう。
自分の中に刻まれたものは
どこで生まれ、何につながるんでしょうね。
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