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【写真日記】雨降ってあなたを想う

雨の後の庭は大騒ぎ。

濡れてうなだれただけでも樹形が変わるのに
風に煽られあらぬ方向へと引っ張られ
互いの棘で縫い止めあったつる薔薇たちは
もう自力では元に戻れない。

滴る雫の下で手を伸ばす。
アブラムシに毛虫に芋虫、
オーガニックな庭のみんなは多分同じ。
この時期、名実ともにグリーンな指先で
こんがらがった薔薇迷宮に挑む。

はやる気持ちを抑えてそっとそっとそっと。
なのにもぎ取ってしまった蕾のついた枝先と
手の甲に残された引っかき傷。

剪定を兼ねて切り取ったもう一房も。
共に持ち帰って、そっと水に放つ。

うつむくその顔を見上げれば、
ガラスの向こう、
雲の切れ間から青空が見えた。

変化していく世界の中でふと、
自分一人が置いていかれているような
そんな寂しさを感じてしまう。

私が私らしくあるのも簡単じゃない。
私は私でしかないのに不思議な話。

引っかき傷にそっと触れる。
痛いね。
あなたもかしら?

薔薇が甘く香った。

あなたがどこかで泣いていませんように。
いつまでもいつまでも
あなたの好きなあなたでいられますように。


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