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「ビリーアイリッシュみたいにしてください」と言った。

ハイブリーチの髪に憧れていた。
色とりどり、ときにハッと鮮やかな色をまとえる楽しみ。
うっとりする美容系リール動画の数々に触発され、よし!インナーカラーでやってみよう、と最初は、わたしが高校生の頃に亡くなってしまったギタリストの彼のような赤みのあるピンクの頭にした。

そして、つぎは何色にしようかと仲間に相談をした。
数多ある色から選ぶ会議は、オンラインで、ある一室とつないで行われた。
コロナ禍はじまったばかりの、緊急事態宣言が都市部で始まった頃は仲間たちと夜な夜な集まるのが日課だったけど、決めるのは、わたしの髪の色のことなのに、とても特別で重大なことのようだった。

「緑色がいいんじゃないですか?」そう言われたから、その頃、女性と定義されるあらゆる記号化から抗う姿がかっこいいな、と思っていた歌手の彼女のようなネオンカラーのグリーンにするよう、美容師にオーダーしてみた。
ダボついたオーバーサイズのGUCCIのセットアップや、BURBERRYのビッグシルエットのシャツの上で、光るようなあの黄味のあるグリーンがいい、と思ったのだ。

髪質のこと、染まり方に個人差があること、液剤を塗られている間、いろいろと話を聞くうちに、するすると髪は、まずオレンジにも近い濃いクリーム色となり、そして青みのある明るい緑色へと変化していった。
かかり終えれば、まるで魔法のようだなと思った。

美容師が仕上がりを写真に収めてくれた。
斜め後ろから撮られた、こだわりの画角のそれがAirDropで手元に来ると、
ああ、わたしはとっくになんにでもなれるんだ、と思った。
こうしていつでも自分のために、自分の好んだ色で、自由に生きられる。
たった髪色のことだけど、目に見える部分に明るい色が、どんとあることは脱げない勇気が寄り添っているようなものだ。
かけられた魔法を信じてみようと思った。

そして、みんなが決めてくれた色のわたしが居て、ほんのちょっと気持ちがよかった。

39歳の一夜の思い出と共に、わたしと生きたネオングリーン


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