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プラレールで勝手に企画してみた 〜プランニングの「型」づくり【実践編】〜

前回、プランニングの「型」づくりの概念と4つの型例をご紹介しました。実践編と称した今回は、勝手にお題を設定して4つの型を使って実際に企画案を考えてみたいと思います。ちなみにそれぞれの型の内容は下記になっています。

①インストール型:他カテゴリーで成功した仕組みや仕掛けを導入してみる
②コラボレーション型:他のアイデアやコンテンツと掛け合わせてみる
③スライド型:ターゲットを、シーンを、用途をずらしてみる
④エクスパンド型:コンセプトを拡張して新しい価値を考えてみる

お題は、最近2歳の息子が寝言でもつぶやくほど熱中しているタカラトミーさんの『プラレール』。2019年に発売60周年を迎えた、今も昔も子ども たちを虜にしてやまないロングセラー商品です。ちなみに息子に今一番欲しい車両を聞いたら「常磐線」とのことでした。

■インストール型企画案

今年の衝撃的なニュースのひとつにJR東日本・西日本の民営化後最大の赤字というものがありました。さらに、人口減少が加速する地方の鉄道会社を取り巻く環境は年々厳しいものになっています。プラレールはモデルとなる鉄道があってこそのものなので、クラウドファンディングに代表される寄付型の応援モデルをインストールした企画を考えてみます。

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寄付することでさらに愛着を持ってもらい、実際に乗りに来てもらう…など購買に留まらない相乗効果が期待できる仕組みまで設計できるとなお良いですよね。

■コラボレーション型企画案

コラボレーション型で考える場合、親和性の高い(ファンが近い)もの同士を掛け合わせて相乗効果を狙う方法と、意外な掛け合わせで補完的な関係になる(お互いのコンテンツ力でそれぞれのファンを振り向かせる)方法があると思います。今回は前者の考え方で企画してみます。

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調べてみると、ご自宅で自家製回転レールをつくって楽しまれている方もいらっしゃるようで「#️プラレール回転寿司」というタグでたくさん投稿もされていました。ぜひ正式にコラボレーションして欲しいです!

■スライド型企画案

子どもにプラレールを買う可能性が特に高い人…それはきっと、自分自身もプラレールで遊んでいた人ではないでしょうか。プラレールのブランドを考える上で、親子継承は重要なキーワードになるのではないかと思います。そこで、このようなターゲットのスライドを。

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どんなに夢中になっているプラレールにも、きっと卒業するときがやって来る。(そのままNゲージなど本格的なものに進む人もいるかとは思いますが…)その際、ずっと家に置いておくわけにもいかないけれども、捨ててしまうのも親としてはちょっと寂しい気持ちもありますよね。まだ見ぬ孫のためにできるサービスがあれば、親としても嬉しく、ブランドとしても長期的なロイヤリティを築ける良い絆になるのではないでしょうか。

■エクスパンド型企画案

エクスパンド型では、そのブランドの存在や役割を視点を変えて捉え直すことが大切になります。そこで、企業視点でプラレールの価値を考えてみて、企業側にも顧客側にもメリットが生まれるような企画を検討してみます。

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家庭内に入り込む「最も身近な交通広告」として打ち出していくのはどうでしょうか。

■まとめ

前回ご紹介した4つの型をベースにした実践例をお送りしましたが、いかがでしたでしょうか。実際の業務の際は市場環境や予算など様々な条件や制約が加わってくるので、単純に型にはめて考えられないなんてこともあります。しかし、「守破離」という思想があるように、【守】まず基本の型を身に付け→【破】良いものを取り入れて技を発展させ→【離】独自の新しいものを生み出すという過程が重要なのだと思います。
ご紹介した型例もまだまだ発展途上のものですが、日常のプランニング業務のヒントとして少しでもお役に立てれば嬉しいです。

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