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テーマ(親の勉強):第103週(家で簡単にできる子どもの探究を育む声掛けとは?)

「親が変われば世界が変わる」CCC HUMANです。
今日は『親の勉強』です。

前回は、日本の教育と世界の教育について書きました。

その中でも探究的学習が、
これから注目を浴びそうでしたね。

探究学習をやるためには、
子どもの中で探究心を育まないといけません。

今日は小学生ぐらいの子ども
どのようにしたら家庭で探究心を育むことができるのか。
そのきっかけと声掛けなどを紹介します。

●探究学習とは?

そもそも探究学習とは何でしょうか。
文部科学省で現在探究学習と言われているのは
「総合的な学習の時間」となっていますが、
ここにはこんな図があります。

※文部科学省 総合的な学習(探究)の時間https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/sougou/main14_a2.htm

4つの工程に分かれていて、
①課題の設定
②情報の収集
③整理・分析
④まとめ・表現

これらの流れを主体的に行うことが求められます。

それぞれの内容を簡単に説明しましょう。
そして、家庭でどのようなことをすればよいか紹介します。

①課題の設定

まず課題が見つからなければ始まりません。
今までの学校では課題は与えられてきました。
しかし、答えのない今の時代では、課題そのものを
自ら設定しなくてはなりません。

課題は待っていても降ってくるものではありません。
自ら体験したものに多くの疑問を持つことが始まりで、
それが課題となります。

【家庭でのポイント】

ここでのポイントは、
まずは子どもの「興味」を見つけることです。

「興味」のないものに「疑問」はもてません。

子どもが興味を持つポイントを観察して、
興味をもったかな?と思ったら、
「なんでだろうね?」「どうしてだと思う?」
と声をかけてあげましょう。

②情報の収集

課題が見つかったら、それに対する情報を集めることをします。
これはインターネットで調べたり、
他でも同じような課題があるのかを観察したり、
本を読んで過去の知見を参考にするなど、
多くの情報を集めることです。

【家庭でのポイント】

①で見つけた「興味」に対する「疑問」について、
子どもと一緒に調べてみましょう。

調べると言ってもいきなりインターネットで調べたりするわけではなく、
まずは観察を続けるのがおススメです。

例えば川で「なぜこの石は丸いのか」という疑問があったら、
他の石も見て見ることです。
声掛けとして
「他の石はどうかな?」
「あっちの方はどうかな?」
「他の川はどうだろう」

このように課題に対する疑問の広がりをもたせ、
観察をして情報を集めていきましょう。

③整理・分析

ここは②で得た情報の中から、
共通点を見つけ、グループ分けを行い、
つまり何が起こっているかを把握することです。

ここはロジカルシンキングが必要な場面になります。
このあたりから答えがないので、
『あっているのかどうか』が心配になってきますが、
それは日本の正解のある教育を受けつづけた結果の病気です。

答えはありません。
もちろんより良いグループの仕方はあるかもしれませんが、
大事なのはまずは自分で決めることです。

【家庭でのポイント】

この辺りから親が思いつく答えに誘導してしまいがちです。
それでは主体性は生まれません。

ここに正解はないのですから、
グループ分けが少しでも出来たら、
大いに褒めてあげるぐらいの気持ちでいましょう。

声掛けとしては
「似た者同士はどれだろう?」
「どういう仲間にわけられる?」

というようにグループ化するイメージの言葉をかけてあげましょう。

④まとめ・表現

さぁ、③整理・分析がでたら、
そこからまとめに入ります。
結局何が言えるのか。
これが一番大事です。

③でグループ化して、そこから何が言えるのか。
そして、ここにも正解はないし、
その答えが本当かどうかがわかりません。

ここでも決断力が必要になってきます。
そして、ここで新たな①の課題が
生まれることはよくあることです。

それは良いことで、また情報を集め、分析して、まとめる、
この繰り返しが探究の目的です。

【家庭でのポイント】

答えはないし決断力が必要なものです。
大人でも難しいし、できてる人は多くありません。

ですので、子どもが「こうかもしれない」と言っただけで、
こちらも大いに褒めてあげましょう
それがあっているかどうかはひとまず置いておきます。

「なるほどー!そうかもしれないな!よくまとめられたね」
このような声掛けをしてあげましょう。
また、新たな課題として
「他の川でも同じことがいえるか今度見て見ようね」
こんな新たな課題の入り口を用意してあげると良いでしょう。

これで、子どもがもう一度他の川に行きたいと言い出したら、
それは子どもが興味を探究したいと思うようになったということです。
可能な限り連れて行ってあげましょう。

これを続けることで、そのうち自分で
「本が欲しい」「インターネットで調べたい」
そんなことを言ってくると思います。
つまり、自ら探究する始まりです。

●まとめ

探究学習の家庭でのポイントを紹介しました。
実際には考えることはもっとあるのですが、
それは親としてかなりパワーがかかるので、
日ごろから声がかけられそうなものにしました。

大事なことは子どもの興味です。
これがないとこの声掛け自体が上手くいきません。

そして、これはいろいろなところに連れて行ったり、
環境を与えてあげるとことが、子どもの興味を増やします。

是非、いろんなところに連れて行ってあげましょう。

そして、忘れてはいけないのが、
すぐに効果は出ないということです。

小学校低学年ぐらいから声掛けをしていけば、
高学年になったときに、やっと自分の意志がでてくるかも、
それぐらいに思っておきましょう。

それでも、声をかけ続けることで、
子どもの中で探究的発想が育まれていきます。

子育ては長い目で見ることが何より大事

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