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35. 【面接対策のコツ】社交不安症の相談者さんが面接を乗り越えるまで
以前、社交不安症の相談者さんが、就活のご相談にいらっしゃいました。
社交不安症は、人と関わる環境下で強い不安を感じてしまい、赤面する・人前で話ができない・人前で文字を書くと震える、といった症状が現れます。
(昔は「対人恐怖症」と呼ばれていました。)
相談者さんが現在、精神科で治療を受けていることを確認した上で、キャリアコンサルタントとして就活のご支援をさせて頂きました。
その相談者さんは、すでに数社の会社説明会に参加し(すごく勇気が必要だったと思います…!)応募企業を絞っておられたので、面接対策に特化してサポートすることになりました。
サポートにあたり、特に気を付けた3点をまとめてみました。
①面接対策は「スモールステップ」!
②面接官の目は見なくて良い
③ルーティン動作は身体で覚える
①面接対策は「スモールステップ」!
通常、模擬面接では本番を想定して入室から面接、退室までの一連の流れを練習することも多くあります。
しかし、社交不安症をお持ちの方のように、人と話すことに対して極度に緊張してしまう方の場合は、いきなり1から10までの練習を一気にするのはハードルが高いです。
そのため、「今日は【自己PR】を練習する」、「次回は【志望動機】を練習する」…といった具合で、テーマを一つに絞って練習してみることがおススメです。
一つずつこなしていくことで、小さな成功体験を積み重ねることができるので、自ずと自信もついてきます。
このような方法で、私は相談者さんと、毎週1回、約2ヶ月かけて段階を踏んで練習を重ねていきました。
②面接官の目は見なくて良い
よく面接対策のアドバイスとして、相手の目や眉間の辺りを見て話すように言われますが、社交不安症の方にとっては、これはかなり難しいのではと思います。
ですので、面接中は頑張って面接官の鼻の辺りに視線を向けるように意識してみると良いと思います。
少ししんどいな、と思ったら、面接官のネクタイ辺りまで視線を下げてもOKです。
落ち着いたら、また鼻の位置まで視線を戻すようにしましょう。
③ルーティン動作は身体で覚える
入退室でのお辞儀や挨拶、こういったルーティン的な所作は、何回も繰り返し練習して、何も考えなくても自然にできるようになると良いでしょう。
面接本番、あれをしなきゃ、これを言わなきゃ、と頭を巡らせれば巡らせる程、予め用意していた想定問答を忘れてしまい、焦って頭が真っ白になる…という事態に陥りかねません。
そのため、どの面接でも基本同じ型を使えば良い「所作」の部分をしっかり練習しておけば、不安要素を確実に減らすことに繋がり、本番で受け答えに集中することができます。
いかがだったでしょうか。
この相談者さんと一緒に面接対策を進め、本人が内定をつかみ取る姿をそばで見守らせて頂けたことは、私自身にとっても本当に大きな意味を持つ経験となりました。
相談にいらっしゃった当初、苦手な面接を乗り越えて就職できるのか、不安だらけだった本人が、「自分の人生の選択肢は自分で増やせる」ということを体現されたのですから。
時折思い返しては、勇気をもらっている経験の一つです。
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