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2冊目のKindle小説《誰かが用意した檻の中で(くじらの部屋②)》の予告編その3

私は、太田先生に尋ねた。

「先生、校長先生や教育委員会に訴えるんじゃ、ダメなんですか」

太田先生は、まっすぐに、私の目を見ながら、丁寧に答えてくれた。

「すみません。経験的に、時間がかかりすぎると思います。体罰の事実があったかどうか、双方からの聞き取りをするんですね。今は、颯太のことを守りたいのです。颯太の心、颯太の回復が大事だと思っています。

 聞き取り調査って、本人からも聞き取ろうとするので、颯太に負担がかかるんです。そして…。校内事情を優先する教員も、少なからずいるし。残念なことに、厳しい指導を、いまだに、体罰ではなく『愛の鞭』だと容認する人も、いるんです…」

私は、太田先生の言葉を受け止めた。


【8月8日(立秋)リリース】
Kindle小説
《誰かが用意した檻の中で:くじらの部屋②〜不登校を死語にしてもいい》


【参考】2023年3月15日のnote

https://note.com/cc_kthm/n/nec56a00ab43f

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