ねこトマト

現在無職。黄昏のコピーライター。3社のブラック企業を行脚した経験を書いていくよ! でも…

ねこトマト

現在無職。黄昏のコピーライター。3社のブラック企業を行脚した経験を書いていくよ! でも暗い話ばかりじゃなんなのでおバカな話も書いていくよ! 正社員のお誘い、いつでも待っています!!(マジで)

最近の記事

【不思議な話】静岡奇談

小学3年生の時、静岡に転居した幼なじみの家に家族で遊びにいった時の話。 里奈ちゃんは八重歯がチャームポイントのかわいい子。彼女の父親と僕の父が職場の友人ということもあり、夏休みを利用して遊びに行くことになった。 初めて新幹線に乗り、初めて富士山を間近に見る。静岡に着き、里奈父が運転する車で急勾配の山を登る。しばらくして平屋の家が見えてきた。玄関をくぐると土間があり、やたらと天井の高いだだ広い空間。真ん中には囲炉裏があった。いわゆる古民家だった。 父と母は里奈父のご両親にご挨拶

    • 【不思議な話】ピンク色の幼児靴

      平成後期の話。 私が自宅から駅に行くまでの道に、玄関横の壁に子供用の三輪車を掛けている家があった。まるで三輪車が壁を走っているかのように見えるちょっとしたオブジェだ。家からは時折幼児の元気な叫び声が聞こえてきた。 『三輪車は子どものかな?斬新だな』 三輪車を見るたびに微笑ましく思いながら通り過ぎていた。 ある日、三輪車の家とその隣の家の間の隙間に幼児の履く小さな靴が並べて置いてあることに気づいた。家と家の間にできた30cmほどの隙間。砂利の上に雨風で劣化した小さなピンク色の

      • 【不思議な話】通り道の7日間

        友人が大学時代に体験した奇妙な話。 友人Sは理工科の大学に合格したことを機に念願の一人暮らしを始めることにした。不動産で良さげな物件を見て回る。都内の小さなアパートの二階角部屋。南側は小さな公園に面しており日当たりも良好だ。家賃は相場より2万円ほど安かった。 Sは心霊現象などは信じていなかったが興味本位で不動産屋に聞いた。 「安さの秘密は心理的瑕疵物件だからでは?」 心理的瑕疵物件(しんりてきかしぶっけん)とは自殺や殺人現場などいわくつきの物件のこと。しかし答えはNO。眼下

        • 「正露丸」の会社?あの広告、大丈夫?

          最近、TwitterやYahooにやけに流れてくるあの広告、気になりません? 1kgの脂肪の塊がオレンジ色が特徴的な「正露丸」のパッケージとともに掲載されているダイエットサプリの広告。 ご丁寧にも「正露丸の会社 すげぇ」との煽り文句も。 このサプリ、いや会社、正直どうなの…。順を追って説明していきますね。 1.『脂肪の塊は景表法の抜け道。』 ※当初、「薬機法の抜け道」と書きましたが消費者庁の「景品表示法」の方が適切です。なお「薬機法」上の広告規制誇大広告の禁止(第66条

        【不思議な話】静岡奇談

          【不思議な話】京王線「万願寺」奇談

          Twitterに投稿された、なぜか存在しないお寺「万願寺」。 その名前に聞き覚えのあった私が投稿したお話です。 昔、会社の先輩に聞いた不思議な話に出てきたお寺の名前がたしか「まんがんじ」。 新宿で飲んでいた先輩が自宅のある調布(府中だったかも?)に帰るため終電の京王線に乗った。しかしうっかり寝過ごしてしまい気がつけば見知らぬ駅にいたという。おそらく高幡不動駅だろうとホームで周りを見渡すと同じように乗り過ごしたと思われる乗客がふらふらと歩くのが見えた。すでに反対側の終電も終わ

          【不思議な話】京王線「万願寺」奇談

          深夜、女性の後ろを早足で…。

          昔さ、深夜の最寄り駅で会う女性がいてさ、帰る方向が同じなのよ。週イチくらいで会うんだけど女性は俺の前を早足で歩くの。明らかに警戒してる。でもそれは女性の防犯上、当然だと思ってるから別に気分を害することもなく、俺はゆっくりと歩いて距離をとってたのね。 でもある日、駅に降りてしばらくして、俺、催しちゃったのよ。 『ウンコがしたい!』って。 帰り道にコンビニもあったけど当時は貸してくれない所も多くてね、とにかく一秒でも早く部屋に帰りたかったの。 でもね運悪く目の前に例の女性がい

          深夜、女性の後ろを早足で…。

          【怪談】深夜、見ちゃいけないものを見た話。

          ある夏の深夜、私は近所の公園で趣味の天体観測をしていた。 三脚に備え付けた双眼鏡から天の川を眺めていると物腰の柔らかい50代くらいの男性に声をかけられた。 「星ですか?なにか見えますか?」 「ええ、都心では見られない天の川が見えますよ」 私は男性に双眼鏡をすすめる。男性は嬉しそうに双眼鏡を覗いた。 「ほぉ!小さな星が…たくさん見えますね!」 歓声を上げる男性。 深夜の天体観測の醍醐味のひとつだ。通りかかった警ら中の警察官や酔っぱらい、お水のお姉さんに声を掛けられ、そして

          【怪談】深夜、見ちゃいけないものを見た話。

          【コピーライター必読】『おじさん構文』で学ぶ『文体模写』技術②

          前回、50歳男性の気持ちになり、『文体模写』をして作った『おじさん構文』を解説します。 ●その1 ①たいして親しくもないけど距離感をバグらせて!チャンはなぜか半角で。 ②相手が読む時間帯は朝?昼?夜?そんな気遣いを込めた「オハコンバンチワ」。 ③初っ端から軽いオヤジギャグで相手の心を掴みましょう。 ④おじさん構文に必須な「一人ツッコミ」です。 ⑤相手の名前の後には執拗にハートマークをつけて気持ちをアピール。 ●その2 ⑥具体的な金額を上げることによって「自分はこんな

          【コピーライター必読】『おじさん構文』で学ぶ『文体模写』技術②

          【コピーライター必読】『おじさん構文』で学ぶ『文体模写』技術①

          今回はコピーライターのスキルの一つである『文体模写』を『おじさん構文』を使って解説します。 ●文体模写とは コピーライターの仕事は広告のキャッチコピーやボディコピーを作るだけではありません。意外に多いのはインタビュー記事の作成です。企業の社長さんや知識人、芸能人などにインタビューをしてそれを文字に起こすのです。またスピーチライターとして社長さんの話をまとめることもよくあります。 そんなときに必要になるのが『文体模写』という技術です。 インタビューの文字起こしでは基本、

          【コピーライター必読】『おじさん構文』で学ぶ『文体模写』技術①

          23年生きた猫。 僕とミミの話。

          今日は2月22日ということで、かつて私が飼っていた猫の話をしようと思う。 ■ミミとの出会い 小学2年生になった僕は父の仕事の都合で引っ越した。当時、内気な僕は新しい小学校に馴染めず1人で放課後を過ごすことが多かった。そんなある日、玄関に近所の数人の小学生がやってきた。 「子猫を飼ってくれませんか?」 ダンボールの中には1匹のサバ猫。目も開いていない子猫だった。動物好きな僕はひと目見てこの子が気に入ってしまった。 しかし、家は一軒家ではあったけどいわゆる官舎で本来、動

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          乳がん検診の問題は「無関心」なのか? ピンクリボンフェスティバルについての考察

          SNSで批判の多いピンクリボンフェスティバル案件。広告畑のコピーライターとしては思うところはあるな。医療系の広告って無茶苦茶気を使う難しい案件なのよ。乳がんは完全な予防方法もなく9人に1人は罹患するとも言われる病気。ポスターを見る人やそのご家族にも患った方も多いセンシティブな話なの。 件(くだん)の応募要項にも「乳がん患者の方およびご家族等、関係者の気持ちに配慮して制作してください」ってガッツリ書かれている。で、受賞された方の作品を見ると、うーん、ちょっと配慮に欠けたものが

          乳がん検診の問題は「無関心」なのか? ピンクリボンフェスティバルについての考察

          ありきたりな恋の物語(444文字)

          素朴で誠実な少年は幼馴染の少女に恋をしていた。 しかし少女はサッカー部のエースに夢中。 少年は悔しいけれども少女の恋を応援する。 しかしある日、エースがとんでもない遊び人で幾人もの同級生をヤリ捨てしていることを知る。少年は少女に警告するが曖昧な笑顔のまま。 やがて少女はエースに告白し晴れて付き合うことに。 そして散々弄ばれた末に捨てられてしまう。 少年は苦言を言うこともなくただ静かに少女に寄り添う。 傷ついた少女の心を癒やすように。 そして少年の温かさに触れ少女は呟く。 「

          ありきたりな恋の物語(444文字)

          「食品偽装問題」の裏話 ーコストカットは何を切り捨てたのかー

          年に一回くらいか? 定期的に巷を賑わす「偽装問題」。 今回は10年近く前に世を騒がせた「食品偽装問題」の裏話を。 某ホテルの広告制作をしていた時、件(くだん)の偽装が明らかになっても取引のあった広告制作会社や印刷会社のほとんどが「さもありなん」と彼らに同情的な声は上がらなかった。 何故か。 偽装が発覚する数年前からコストカットを理由に無茶な取引を要求するようになったからだ。 従来は期の終わる数ヶ月前に広告制作会社の数社で合同コンペが開かれ、年間を通じた広告展開や予算など

          「食品偽装問題」の裏話 ーコストカットは何を切り捨てたのかー

          「嫌われる勇気」を持つ上司に直面してしまったら。

          「無自覚な無能」と「自覚ある無能」、どちらが有害かと問えば、多くの人が「無自覚な無能」と答えるだろう。自覚ある無能は出しゃばらないが、無自覚な無能は無能を周囲に撒き散らす。 では「無自覚な嫌われ者上司」と「自覚ある嫌われ者上司」ではどちらが有害か。 断然「自覚ある」方が厄介。何故なら自分が嫌われていると知っている上司は部下に対して遠慮がない。そして嫌われている自分はそれだけ仕事に真摯であり、部下に気を使い、言いたいことも言えない他の奴らよりも有能だとすら思っているのだから。

          「嫌われる勇気」を持つ上司に直面してしまったら。

          『正義』とはなにか② 悪の組織は世界平和の夢を見る

          悪の組織には「世界征服」という明確な野望がある。 それはきっと彼らの「正義」。 愚かな人類に地球の統治を任せるより自分たちが統治したほうがよい、と。 対して正義の組織にはあまり大きな目標はない。悪の組織の野望を打ち砕くという、秩序のための暴力装置。正義の組織が積極的に「世界平和」に動くことはない。彼らの仕事は悪の組織が企てを始めてからだ。実に消極的だ。だが、それでいい。 正義の組織が彼らの「正義」を積極的に他者に求めるならば、その先にはきっと「正義」ではないとされた者たち

          『正義』とはなにか② 悪の組織は世界平和の夢を見る

          『正義』とはなにか① 月光仮面は正義の味方

          月光仮面は「正義の味方 」を名乗った。 そう、彼は正義そのものではなく、あくまで正義の「味方」なのだ。 太平洋戦争では日本は正義の国として戦って悪の米国に敗れた。なのに大人たちは手のひらを返してかつて「鬼畜米英!」と蔑んだ欧米の民主主義を褒め称え、彼らの正義を享受した。 「正義とは立場によって姿を変える幻のようなものじゃないか」 そんな大人たちの欺瞞に気づき、正義のあやふやさに絶望した幼き日の月光仮面。だが正義はたしかにある。人の道として正しい行いはたしかにあるのだ。だ

          『正義』とはなにか① 月光仮面は正義の味方