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【アーカイブ2019】今いる距離は遠くとも~滋賀大会延長戦12日目・滋賀学園

滋賀学園の谷田竜也に初安打が生まれた。4点リードの8回、途中出場の2打席目。開幕は4番ながらも2戦ノーヒット。苦しんだ主砲の一本にベンチも沸く。

そんな谷田を滋賀学園へと誘ったのは、中学で同じチームだった親友・山本匠だ。東近江市にある軟式クラブ出身の山本。小さい頃から練習を何度も見に行くほど、地元の滋賀学園は憧れのチームだった。

しかしいざチームの門を叩くと、県外選手も多い野球部のレベルは想像以上。「エラいところに来た...」。懸命に練習に取り組むも、壁が高い。

一方『誘われた』側の谷田は 打撃の才能が花開き4番にまで成長する。「お前の分まで頑張るわ」。メンバー漏れの悔しさに暮れる中でも、親友の言葉は無条件に嬉しかった。

「あいつと『また』甲子園に行きたい」。山本が思い出すのは中学時代の記憶。谷田と2人で行ったセンバツのアルプスだ。応援と主砲。立場こそ違うが、憧れたユニフォームを身にまとい、谷田と一緒に甲子園に行ける日を山本は心から楽しみにしている。【2019年7月23日掲載】

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