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必然の“2代目”バッテリー~高校野球ハイライト延長戦6日目・綾羽

「親子2代で同じチーム」は聞いたことがあっても、「親子2代でバッテリー」は初めて聞いた。綾羽のエース・矢野航成の父親と、捕手・金山凌大の父親は、どちらも国際情報の2期生だった。

矢野の父・年啓さんは山田久志を彷彿とさせるサブマリン。金山の父・裕政さんは抜群の統率力を誇る主将。幼なじみのバッテリーで72回大会に臨むも、1回戦で大敗した。「力を発揮できないまま終わった」と2人が振り返る通り、あまりに短い夏だった。

それから約30年。息子たちがチームメイトになることを、父親たちは体験入部で知った。捕手を争うライバルかと思いきや、矢野が投手にコンバート。“2代目”の矢野-金山バッテリーが誕生する。「偶然が重なったが、やっぱり必然だったと思う」。金山の父・裕政さんは感慨深く話した。

夏の初戦は何の因果か国際情報。1点差で勝利し、好投の矢野は「落ち着いてリードしてくれた」と金山を称えた。頂点を目指す若き2人に、矢野の父・年啓さんは「2人にしか出せない味がある。最後の夏は楽しんでほしい」とエールを送る。バッテリーを応援するスタンドには、責任の重さも夏の怖さも知る、心強い“初代”が控えていた。

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