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ラビットマン・ウサギになった男

第3話

助っ人

アルバートと研究長は睨み合う。

研究長「さっきの威勢はどうした?もう終わりか?」

アルバートは拳を構えながら、間合いを取る。

アルバート「くぅ、迂闊に攻撃出来ない。」

研究長「なら、こっちからいくぞ。」

一瞬の隙に間合いを詰めて、右足で横っ腹を蹴る
ヤドクガエルの研究長

アルバート「あっ、あ…………………あっ」

数メートル吹き飛ぶ、アルバート
ゆっくりと近づいていく、研究長

研究長「おっと、ちょいと強く蹴りすぎたかな?ごめん、ごめん。まだ死ぬなよ。」

ゆっくりと立ち上がるアルバート
激痛がアルバートを襲う

アルバート「あぁぁぁ…」

フラフラになるアルバート

場面転換・マリソンがいる部屋

マリソン「ねえ、誰かぁ、誰かぁ。」

扉を叩くが、反応がない。しかし
外が騒がしい。研究員の声が聞こえる

研究員「来るな、こっちに来るなぁ。」

研究員「逃げろ。早く逃げろ。」

扉を覗いてみると、白いフサフサした人間らしき
生き物がいた。あまりの恐怖に後ずさりする。

マリソン「なに?あれ?え………」

バァーーーーーーーーーン
壁が割れて砂煙が立つ。
シルエットが見える。

マリソン「あなた誰?」

姿が見える。筋肉ムキムキマッチョの
白い毛のフサフサした生き物が立っていた。

マッチョウサギ「僕は、僕は、わからない。」

その風貌から似合わない声を発する。
か弱い声を出すマッチョウサギ。

マリソン「ねえ、お願い協力して、。アルバートを助けるために一緒に来て。」

マリソンはマッチョウサギの手を握ると 
マッチョウサギはマリソンの顔を見ると背中に背負わせると、走り出す。

マリソン「ちょっと、ちょっと。」

マッチョウサギ「アルバート助ける。アルバート助ける。」

廊下を走ると、研究員数人が前に出る

研究員「おい、止まれ。止まれ。」

研究員「止まらないと、撃つぞ。うぁ。」

研究員を払い除け、廊下を走り続ける
マッチョウサギ

場面転換

研究長「おいおい、まだくたばるなよ。」

顔にストレートバンチを当てる。
後ろに数メートル飛ぶ。アルバート
仰向けのまま動かない

アルバート「うぅぅぅぅ、くそ。」

研究長「あっ、そうだ。いい事考えた。まだ残りの一本が残ってたんだっけ。これをお前に射ってやるよ。」

アルバート「なんだって………てめえふざけんなよ。ぐぁ。」

腹に蹴りを入れる。動かなくなった
アルバートの腕に注射する。

研究長「じっとしてろよ。」

アルバート「うぁぁぁぁぁぁぁぁ………………あっ」

注射した後、副作用がアルバートを襲う。
のたうちまわる。

研究長「副作用に耐えられるかな?まぁ、耐えられないなら、その程度だけど。クッッッッ、」

アルバート「うぁぁぁぁぁぁぁぁ…………あっあっ。」

副作用が収まり、身体を起こす。アルバート

アルバート「はぁ、はぁ、はぁ、お前何をした?、俺に何をした?」

研究長「俺と同じ仲間にするために、注射した。」

アルバート「嘘だろ。てめえ。ぐぁぁぁぁぁ。」

アルバートの身体に異変が起きる。

研究長「お前にはウサギのDNAを注射した。地球上で1番弱い生き物のなぁ。」

アルバートの身体が白い体毛に覆われていく。
数分後、人間の姿をしたウサギ男が現れる。

アルバート「戻せ。」

研究長「はぁ?」

アルバート「元に戻せーーーーーーーー。」

右ストレートが身体の真ん中を捉える
研究長は後ろに少し下がる。

研究長「はぁ、はぁ、はぁ、その程度かぁ。残念、残念。そろそろ遊びは終わりにしようか。」

バァーーーーーーーーーーーン
扉が勢いよく開くとマッチョウサギと
マリソンが入ってくる。

マリソン「アルバート、アルバート、」

倒れてるアルバートに近づくマリソン。
マッチョウサギは研究長を見る。

研究長「なんだ、こいつは?」

マッチョウサギ「お前、彼女を泣かした。許さない。許さない。」

マッチョウサギは研究長にタックルをかますが
ギリギリでかわす。

研究長「おい、こいつはなんなんだ。」

カレーア「研究長、ここは一旦退却しなさい。」

研究長「カレーア様、しかし。」

カレーア「命令です。退却しなさい。」

研究長「わかりました。ふっ、命拾いしたなぁ。でも次会ったら必ず殺す。」

扉の奥に消えていく。研究長
取り残されるアルバートとマリソンとマッチョウサギ。

マリソン「アルバート、生きてる?、アルバート、返事してよ。」

「爆破まで、10分。直ちに避難してください。」

マッチョウサギはアルバートとマリソンを
両手で持ち上げ、走り出す。

マッチョウサギ「早く、逃げる。」

マリソン「アンタ、喋れるんだ。」

マッチョウサギ「喋る?分からない。」

マリソン「まぁ、いいや、とにかく走って。」

マリソンの言葉を聞いて、マッチョウサギは
走り続ける。研究員達は逃げ出していた。

アルバート「うっ、う……………あっっ」

マリソン「アルバート、目が覚めた?」

アルバート「あいつは?あいつは何処に行った。」

アルバートは暴れだすが、身体の痛みでやめる

マリソン「逃げたよ。」

アルバート「そうか。後、この生き物はなんだ?」

マリソン「分からない、でも敵ではないみたい。
多分?」

マッチョウサギの上に乗ったまま、出口に向かう途中もあっちこっちで爆発が起き始めていた。
走ること5分、駐車場に到着する。

マリソン「ほら早く乗って、行くよ。」

アルバート「こいつはどうする?」

マリソン「上にしがみついて?いい?」

マッチョウサギ「わかった。」

マリソン「よし。それじゃあ行くよ。」

車は走り出す。鈍い加速だが、施設を飛び出し
離れていく。後ろを振り返る余裕はなかった。
だが、施設は爆発をやめず、激しい爆音と煙を上げていた。


おわり










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