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ラビット・ウサギになった殺し屋

第3話

生物兵器


アンドリューとアナスタシアは清掃業者が被る帽子を被り、車のトランクを開けモップとバケツを取りだすと、それを持って歩くアンドリュー
アナスタシアはドアの前で、研究員から借りたゲストカードをカードリーダーに通すと扉が開く。施設の中へと入る、アンドリューも同じ様にゲストカードをカードリーダーに通し、施設の中へと入ると、目の前を研究員が通り過ぎていく。

帽子を深く被り、アンドリューはアナスタシアの耳元で「ここからは別行動で、無理はするなよ。何かあったらすぐに連絡しろよ。」小さく頷くと、2人は
別行動を開始する。

アンドリューは階段を上がり、各部屋ごとのある、ゴミ箱のゴミを回収しながら、監視カメラの見えない死角に小型爆弾を仕掛けていく。研究員が入ってくると
お疲れ様です。深く頭を下げて、そそくさと部を出ると、階段に向かう途中に1人の研究員とすれ違った瞬間、男の顔を見て思い出す。名前はポール・エキュール。整った髯にボサボサ髪の男で、年齡は28歳、この施設の副研究長である。カヤが渡してくれた資料に情報があった。アンドリューはポール・エキュールが持っているIDカードを奪おうと考えた。さてどうするか?
そのポール・エキュールがトイレに入っていくのを確認すると、アンドリューは
トイレに入っていく。用を足しながら携帯電話で誰かと話していた。その後ろで掃除用具のロッカーからモップを取り出し、掃除を始める。 
掃除のふりをしながら聞き耳を立てるごと数分、話を終えると、ズボンのチャック閉めトイレを出ようした。「まずい、このままじゃ、」慌ててたアンドリューはバケツに入れた水を、足元にぶちまける。
高級そうな服だったのか、ポール・エキュールは
アンドリューの胸ぐらをつかみ「お前、俺の服に水をどうしてくれるんだ、おまえ。」「すみません、すみません、」乾いた布で拭くふりをしながら、後ろに立つと、眠らせる成分を含んだ布を顔を押し付ける
「なにをする貴様、うっ、や、め、ろ。」ぐったりとしたポール・エキュールの服を脱がし、その服を着ると、自分の着ている作業着をポールに着させ、シリコンフェイスマスクを被せ、小型の変声機を奥歯に取り付ける。
運が良かった、自分と身長と体重と服のサイズが
同じだったこと、
アンドリューは、ポール・エキュールに押し付けた
シリコンフェイスマスク被り、小型の変声機を奥歯に取り付ける。今からは俺はポール・エキュール
そう言い聞かせると、背筋を伸ばしトイレから出ると、ある施設へと歩きを早めていく。

マリソン改めアナスタシアは、警備室のゴミ箱を片付けながら、警備員が寝ているのを確認すると、
IDカードを盗みとり、警備室のドアをゆっくりと閉める。怪しまれない様に各部屋にあるゴミ箱のゴミを集めていると、1人の女性研究員が部屋に入っていく。アナスタシアは作業帽を深く被り直すと、部屋に入りドアを閉めると、ゴミ箱を探すふりして辺りを確認、「清掃員さん、ゴミ片付けておいて、お願いね。」資料を整理している女性研究員がアナスタシアに言うと、背を向けて資料整理を始める。
アナスタシアはゆっくりと後ろに忍び寄り、手刀を首筋にトン、女性研究員は糸が切れた人形のように倒れると、女性研究員の服と白衣に着替えると、作業着を着させ、女性研究員に被せたシリコンフェイスマスクを剥がし、そのシリコンフェイスマスクを被り、白衣を着て、スニーカーを履く。

サイズが少し大きいのか、少しブカブカするが問題はなかった。ベルトをきつく閉めるとドアが開き、男性の研究員が入ってくると「おい、資料はまだできてないなのか?」アナスタシアは目と鼻の先に置いてあった資料の束を渡すと、無理やり男性研究員を外に出すと、気絶した女性研究員を使い古されたロッカーに隠すと、急いでドアを開け外に出る、
さっきの男はいなかった。ほっと胸を撫で下ろすと、アナスタシアは廊下を小走りで移動、各部屋を調べるがなにも見つからない、どうしようか迷っていると、廊下の休憩スペースでヒソヒソと話している研究員を発見すると、隣の柵に移動し盗み聞きを開始「なぁ、地下の実験室に化け物がいるって知ってるかぁ」「あぁ、噂で聞いたことはある。なんだっけ動物を遺伝子操作して生物兵器を製造しようとしたけど失敗したとか、それがあの地下の実験室にいるらしい」「処分するにも処分出来ないって、可哀想だよなぁ」缶コーヒーをゴミ箱に捨てると男性研究員は自分の仕事場へと戻っていく。

マリリン改めアナスタシアは、地下の実験室が気になり、そこに行くための方法を探す。
バレないように行動していると、けたたましいサイレンが鳴り響くと共に「地下実験室で生物兵器が暴れている模様、速やかに研究員は避難するように。繰り返す、研究員は速やかに避難するように」

地下の実験室で生物兵器が暴れている?
立ち止まり考え、マリソン改めアナスタシアは
再び走り出す。数人の研究員とすれ違う中で
研究員専用エレベーターを見つけると、
急いで中に入ろうとするが、カードキーが必要だと
気づき白衣を調べると、カードキーを発見、
カードリーダーに通すと、扉が開く。
すぐさま中に入りボタンを押す。2F.1F.B1F.B2F
B3F.B4F.B5Fと地下まで降りる。
扉がゆっくりと開くと薄暗い照明に重苦しい雰囲気が漂う。廊下を走っていると目に飛び込んできたのは武装した軍人が倒れている光景、しかも1人2人ではなく、数十人が廊下に倒れ息はしていなかった。
その光景にさすがの、マリソン改めアナスタシアは
戸惑いを隠せなかった。「一体この先でなにがあったの」さらに廊下を進むと、実験用の動物を飼育.管理する部屋や実験道具を保管する場所を通り過ぎ、ようやく実験室の扉の前に辿り着く。バイオハザードと表示された厳重な扉には無数の血のついた手形が生々しくついている。
潔癖気味のマリソン改めアナスタシアの顔は引きつっていたが、もう後には引けなかった。
中へ入ろうにもどうやって入ればいいのか、迷っていたら、勢いよく扉が開くと軍人2人がはマリソン改めアナスタシアには目もくれずエレベーターの方へ逃げていく。
扉が開いているはラッキーだった。中へ入ると
想像以上に広く、見たことがない機器が所狭しに
置いてある、さらに奥の部屋を発見、モニターからその部屋を覗いてみると、生物と呼べるかわからない、得体のしれない生き物が特殊な檻に閉じ込めらられていた。
「なんなの、この生き物達は」
マリソン改めアナスタシアは気付いた。
一つだけ空の檻があることに、まさか?と辺りを
見渡してから、天井を見上げると、その生物は
こちらを凝視していた。

その生物との睨み合いをしていると、突如スモーク弾が投げ込まれると、辺り一面が煙で見えなくなる。その隙に隠れるマリソン改めアナスタシア。扉から特殊部隊の軍人がライフルを構え入ってくる。
「奴はどこだ」「隊長、奴は上です」
隊員の一人が天井を指した瞬間、天井からジャンプし、目にも止まらぬ速さで隊員に襲いかかる。

両手の鋭い鉤爪は首筋を的確に狙い、切れた首筋から大量の血が噴き出し、床一面に広がる。
「怯むな撃て」隊長の合図に隊員たちは一斉にライフルを撃つが、縦横無尽に動き回り一発も当たらない。

その様子を観ていたマリソン改めアナスタシアは
呆然としていた。
「なんなのよ。」
数十人いた隊員達は次々と床に倒れていく。
鉤爪についた血を舐め、再び襲いかかる。
「仕方ない、あれを使え」
「ですが隊長、あればまだ使用禁止では」
「いいから使え、命令だ」
隊長の命令に従い、ジェラルミンケースから
紫の液体が入った特殊な弾丸を取り出し、RPGに装填しターゲットをロックオン、発射し見事に命中、
断末魔を上げゆっくりと倒れる。

隊員が近づき足蹴りするが反応はない。
「隊長、大丈夫です。」
安全を確保すると化け物に近づき、ライフルの銃口をこめかみに押しつけ、引き金を引こうとした
「悪く思うなよ。」
机に隠れていたマリソン改めアナスタシアは
咄嗟に姿を現すと隊長にめがけてジャンプキックを
かます。隊長は壁の方へ飛んでいき身体がぶつかると気絶、華麗に着地しファイティングポーズ、呆気にとられた隊員達は正気を取り戻しライフルを乱射、マリソン改めアナスタシアは右へ左へと避け、華麗な回し蹴りや右ストレートで隊員達を倒していく。

「このアマがぁ」後ろにいた隊員が特殊警棒で
殴りかかろうした瞬間、怪物の鉤爪が背中を抉る
断末魔を上げ倒れると、マリソン改めアナスタシアの方を見るが、怪物の瞳に精気がなかった。

今にも風が吹けば倒れそうな状態に、隊長と隊員達は「今しかない、化け物を殺すぞ。」

「そうはさせないわよ」再び蹴りと拳が
冴えわたる。引き金を引かせまいと接近戦で
隊員達を沈めていく。

「なんなんだ、この女は」隊員達は驚きを隠せない
「隊長、この女は侵入者みたいですが、どうしますか?」
「構わん、この女もろとも殺せ」
倒れていた隊員達がゆっくりと起き上がり、間合いを詰める。まさに多勢に無勢とはこのこと
追い詰めるはずが、徐々に追い詰められていた。

その時、後ろの方から数体の化け物が隊員達に
飛びかかり首を引きちぎる。奥の部屋の扉を、あの生物兵器達が開け、特殊な檻も破壊して生物兵器達を解き放ったのだ。

形勢は逆転した。生物兵器達は次々と襲いかかり大パニック。部隊は一瞬で壊滅するが、隊長は隊員達を置いて、一人逃げ出そうとするが、アナスタシア改めマリソンは、先回りして扉の前に立つと
「逃さないわよ」「そこをどけ、女」
胸に装着したサバイバルナイフを引き抜くと、顔にめがけて振り下ろす。両腕をクロスして防ぎ、すかさず腹に前蹴りをいれる。後ろに倒れ、起き上がろうとしたが化け物の一匹が馬乗りに、そのまま顔に噛みつき、グチャグチャと音を立て食べ始める














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