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求職者が面接官を評価する!?

皆さん、こんにちは。カタリストエージェントの勝田です。
先日、日本経済新聞に新卒の面接について大変興味深い記事が掲載されました。<2024年3月11日掲載>

記事によると、総合商社の住友商事が新卒の採用面接において面接官を就活学生が評価する制度を導入するとのことです。今回はこの事例を踏まえて、面接において求職者が面接官を評価することについて見ていきたいと思います。


今回の記事のインパクト

今回の記事における最大のポイントは面接を実施する企業の面接官が面接を受ける学生に評価をされるという点です。具体的には、経営や企業風土への理解が深まったかなど約10項目について5段階で評価してもらい、言葉遣いなどの改善点があれば、面接官を指導する仕組みまで導入するとのことです。

単なる学生の評価の収集に止まらず、このようにフィードバックの仕組みを設けて採用の改善に繋げていくという制度設計全体から住友商事の本気度が伝わります。そこまで取り組むのは圧倒的な人手不足で学生の売り手市場が強まっていることが背景にあり、面接官の質を高めて、優秀な人材を確保するのが狙いだということです。

総合商社と言えば常に学生の就職したい企業ランキングの上位を占める人気企業です。その一角を占める住友商事が優秀人材の確保に危機感を持っており、このような取り組みを行うことの意味やインパクトはとても大きいと思います。今後、他の企業へも波及していくかは注目です。

学生が面接官を評価する仕組みを導入する意味

それでは、学生が面接官を評価する仕組みを導入することは何を意味しているのでしょうか?それは以下のような点を企業が理解しているということに他なりません。

《学生が面接官を評価する仕組みを導入することの意味》
■面接は対等であることを理解している
・面接を受ける側の学生が面接官を評価する仕組みを作るということは企業が「面接はあくまで対等」であるということを理解していることの表れです。旧態依然とした、企業側が「上目線で選ぶ」「ジャッジ権は企業にある」というような考え方とは対極にあります。

■評判が伝播することを理解している
・また、現代のようなSNS全盛時代においては面接などにおける面接官や企業の評判はすぐに伝播します。そのことを理解しているからこそ、面接という「場」を重視し、対応を丁寧に行うだけでなく、学生のフィードバックを踏まえて面接官を指導していくなどの仕組みも導入していると言えます。

■優秀人材の確保に繋がることを理解している
・今回の取り組みは全体を通して、企業の採用姿勢をいい形でアピールすることになるのではないかと思います。このような斬新な対応ができる企業というイメージを植え付けることで結果的には企業風土や組織の柔軟性をアピールすることに繋がり、そのことが最終的には優秀人材の確保につながっていく面があると思います。

  

中途採用に置き換えてみると

以上見てきた内容を中途採用において置き換えて考えてみると、求職者が企業の面接官を評価するということになります。今回の記事のような仕組みを導入しているケースは聞いたことはないですが、中途採用の面接においても求職者が面接官を評価しているケースは実は、実施されるほぼ全ての面接において起きていると言っても過言ではないと思います。

つまり、面接官の態度やコミュニケーションの仕方、会社や業務内容に関する説明や質問に対する回答などあらゆることが面接中に求職者によって見られており、その結果が当該企業における志望度に大きな影響を及ぼします。

その意味で中途採用においても常に企業側の面接官は評価されていると認識をしておくとことがとても重要だと思います。

面接は対等な関係で相互理解の場

以前の記事で中途採用における面接について取り上げており、「面接はコミュニケーション」であるということや、「面接が上手い企業の特徴」として面接を相互理解の場と捉えてあくまで対等な関係で接していくことなどを紹介してきました。詳細は下記をご覧ください。

改めてこれらの記事を読み返してみても、面接においてあくまで対等な関係で相互理解を築いていくという姿勢を持っている企業が結局は採用がうまくいっている企業だと感じました。そのことを冒頭の住友商事の例も示唆しているように思います。

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