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*DAY4 ダリ・トリップ / 1月17日(Fri) ---3

好きだなぁと思う作品はたくさんあったけど、空間全体で好きだったのは後半にある紫の壁の部屋。天井、壁、作品……目に収まりきらないほどの独特なダリのセンスに囲まれ、魅了される空間だった。
展示の最後のゾーンはダリのポートレートが並んでいて、ここもすごく好きだった!おちゃめな表情だらけで、ダリのユーモアがたっぷり表れていた。

ふと最後のゾーンで時間を確認したら、もう15時半。入ってから2時間は経っていて、あっという間でびっくり!
帰りの列車の時間を考えて早めに見ていたつもりだったけど、全然間に合っていない。mamiさんと一緒に見るときは、これはこういう風に見えるね、これは何を表しているんだろう、と色々話してしまうので、一人で見るよりもじっくり見てしまうんだよね。そしてそれが楽しくて。

最後は気持ちパパッと見て、ショップをチラ見。ダリ作品は1つ1つのインパクトが大きいのでグッズも映える。ダリの作品でグッズ展開するデザイナーは楽しいんじゃないかなと思った。


ふと窓の外を見ると外は雲が多くなり、なんと雨が降り始めていた。バルセロナの天気予報では雨予報はなかったはずだけど、フィゲラスの天気は見ていなかった。
え〜!すぐに止まないのかな…… 時間もないし、傘も持ってないし、色々やばい。外観の赤い壁がかわいかったから、その前で写真を撮ろうと思っていたのに。
仕方がないので、雨に濡れながらもなんてことない顔をして、mamiさんに何枚か写真を撮ってもらった。雨は雹(ひょう)のようになってきて、粒になって足元に落ちていく。

ああ、来たとき、晴れていたときに外の写真を撮るべきだった。何事もその時その時、nowが最後と思わねば。
この日は服装もダリを意識していて、ブラウンのパンツにエメラルドグリーンのアウター、赤や紫、白がまじったファーのティペット。髪もストレートの外ハネにして、キャッチーな感じにしていたのだ。フィゲラスまでの長い道のりもあったし、ここに来たからこその記念写真を撮りたい気持ちは強かった。

とりあえず一旦木の下に移動し、携帯につけられる広角のレンズを取り出して装着。自分たちの準備が整ったら、「今だ!!」という自分の声と共に木の下から飛び出してmamiさんと一緒にセルフィー。撮った写真がブレていないかチェックし、「いいかな?OKだね?」と確認しあう我ら。

「いい!OK!!駅に行こう!!」走り出す我ら。
雨はさっきよりも強くなっていた。

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いつものごとくグーグルマップで検索をかけると、次の列車の時間まで15分もなかった。だがしかし、それを逃すと次の電車はなかなか来ない様子。朝の待ち時間のこともあり、ここでの時間のロスを防ぐため、この電車に乗りたい……!
バタバタと駅へ向かって急ぐ。本当は隣にある宝飾美術館にも行きたかったし(ダリ美術館の入場時にチケットがもらえる)、近くのサンペドロ教会にも行きたかったんだけど、戻る時間を考えるとそんな余裕はない。できたらバルセロナに戻ったら別の美術館に行きたいと思っていたが、それも厳しい気がしてきた。

駅へ向かっている間に雨は止んだ。急いだおかげでどうにか列車の時間前に駅に到着し、電光掲示板を見る。しかし、列車はネットで見ていた時間のものはなく、次に来るものは30分後の表示。

えっ。

なんで?もしかしてオフシーズンだから列車を減らしてる?それとも定刻よりも先に出てしまったの?
とりあえず券売機でチケットを買わなくちゃ。だけど画面表示は英語にできず、スペイン語でさっぱり分からない。ここでまた解読しながらやっていたら間に合わない……。カウンターに人がいたので、ここでも聞くことにした。

受付のおじさんに「to バルセロナサンツ、 2チケット」と伝えると、「OK、カードで払う?」と優しく話してくれた。次の列車は16時29分で、ホームは2番だよ、と教えてくれた。
やっぱり、予定してた列車はない様子……。おじさんにお礼を言って、カウンターから離れる。

なんで、表示されていた列車がなかったんだろう。私がグーグルマップで調べていたので、走らせてごめんねとmamiさんに謝った。
落ち着いてちゃんと調べてみると、グーグルマップで示されていたのはこのFigueras、という駅じゃなくFigueras-Vilafrantという駅だったのだ。フィゲラスの駅は2つあった。私たちは駅が2つあるとは思っていなかったので、迷わず行きと同じ駅に行ってしまったのだ。
ちなみにバルセロナから行く場合、Barcelona Santsという大きな駅からFigueras-Vilafrantという私たちが使わなかった方の駅に行くのが一般的だった。私たち、イレギュラーにイレギュラーを重ねて移動した模様。
次またフィゲラスに行くことがあるとするなら、レギュラーな行き方をしたいです。どれくらい楽に早く着くのでしょう。


列車の時間までは30分くらいある。美術館を見るのは気力も体力も使うため、私はもう、お腹がすっからかんだった。とにかく何かを食べたい、と美術館から駅までの道中にmamiさんに話していたので、すぐにmamiさんが「カフェっぽいのがあるよ!」と駅の中のお店を見つけてくれた。

カフェは待合室側にはもちろん、ホーム側にもカウンターがあり、どちらからでも注文できるようになっていた。店員さんは一人で両方のお客さんに対応していた。
レジ横にあるショーケースを眺め、私はボカディーリョという、日本で言うサンドイッチと、飲み物はアメリカーノをチョイスした。ボカディーリョはレタス、トマト、そしてツナがたっぷり入っていて、パンはセサミがたくさん練り込んである。温めてくれないかな〜と期待したけどそのままでした。言えば温めてくれたかもしれないな。アメリカーノもすぐに淹れてくれて、念願のごはんに舞い上がる。

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ボカディーリョ、おいしい〜!

正直言うと、味をそこまで期待していなかったのだ。駅構内にある休憩所のようなところで、オフシーズンだからかお客さんもあまりいない。食べ物があるだけで有難いなぁ、と思って、おいしくなくても仕方ないかなと思っていた。
だけど、ちゃんとおいしかったのだ。穀物感があるパンが好きな私は、パン自体の味も好きだった。

そしてスペイン、コーヒーが安くて良い!大体アメリカーノはどこも1.5ユーロで飲めて、味もおいしい。(あのホテルの朝食の以外は……あれは幻……?)酸味がなくて、あっさりしていて飲みやすい。


店員のお兄さんは、支払いをしてトレーを私に渡す時、「Gracias」と言ってくれた。これはきっとオーダーの流れで出る言葉なのかもしれないけれど、見知らぬ土地でカタコトの英語を話し、伝わりづらかったかなぁ、などと不安に思うこちらからすると、本当にありがたい言葉なのだ。

Gracias、と言うことは、こっちの人にとってそんなに特別な言葉ではないのかもしれないけど、言われるたびに、ちゃんと「ありがとう」と言われてる気持ちになる。みんな、基本的に反応が好意的で、優しいんだと思う。コンビニの人も、駅員さんも、出会った人みんな。私たちの英語を、ちゃんと聞こうとしてくれて、伝えたいことを分かろうとしてくれる。

ホテルのフロントの人もそうだし、昨日のレストランの人もそうだし、今朝のカフェのお兄さんも。
みんな、コミュニケーションをとろうとしてくれるのが嬉しい。

昨日の古着屋さんでも、店内にいた女性に「Hola!」と声をかけてもらい、店員さんかと思ったらお客さんだった。お客さん同士もHola!と言い合うみたいで、その後もお店に入ってくる人がいるとみんなでHola~と声をかけていて、知り合いのようなフランクさ。そうやってコミュニケーションをとることが普通なんだろう。
私も日本で、外国の方へも気持ちのいいコミュニケーションをとりたいと思うし、もらった優しさは、どこかで返したい。


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