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避けられたはずの自死

大浴場のお湯をほぼ入れ替えておらず、レジオネラ菌が
通常の何千倍も検出されたとして、筑紫野の老舗旅館
大丸別荘が問題になった。

大丸別荘といえば、こちらでは老舗中の老舗で、皇室御用達でもある。
もう15年以上前だろうか、ここの前を通ると、周囲数キロに渡って
警察が警備しており、一般車は大変な渋滞だった。
後から知ったのだが、大丸別荘で当時の皇太子(現天皇陛下)が
昼食をとる為に立ち寄ったのだそうだ。

今回のことでは、社長の記者会見も批判の的となった。
いつかの船場吉兆の会見と比較されるほどに、
「ダメな記者会見」とされた。
悲しいことに、この時会見をした社長が自死してしまった。
そもそも論になるが、お湯を入れ替えないことで、誰が損をしたの
だろうか、誰の身に健康被害が出たのだろうか。
お湯はどんどん足されている訳だから、上から溢れ出る。
なので、お湯(の色)がめっちゃ汚かったとか、垢が浮いてたとか
ではないはずだ。
※そうであれば、もっと早く問題になっている。

中国のことわざに「打落水狗」というのがある。
水に落ちた犬を打つ(棒で叩く)といった意味で、
問題等を起こして追い込まれている人間を更に
マスコミや世論が攻撃する。
日本人は特にこれが強いようである。

もし社長が自死せずにいたら、今後、大丸別荘は
どうなっていったのだろうか。
歴史ある旅館であるが、場合によっては閉業にまで
追い込まれたかもしれない。
そういった今後を考えると、社長としては、そこから逃れたい
苦しみから開放されたい、沈みゆく未来を見たくないと
思ったのかもしれないが、では残されたものはどうなる?

一概に、警察や世論が追い込んだ末の自死だとはいえないと
思うが、マスコミ等の報道が全く影響してないことはないと思う。
今回の自死は、本当に避けられなかったのだろうか。
妙に心に引っかかりがあり、モヤモヤしてしまいます。

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