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本日の読書

「俺たちの箱根駅伝」池井戸潤(著)

本作の発売を知り、それまで読んでいた本を置いて
買ってきて読み始めた。
「ハヤブサ消防団」が今ひとつだったので、
期待して読みすすめる。
さすがにページターナーである。
小説が上手い!

で、上巻の終盤で、何かひっかかるものを感じたが最後、
読み進めなくなり、途中断念した。
もともと僕がスポーツとか好きではないのもあるが、
あまりに箱根駅伝の選手たちを美化しすぎているのだ。
「純粋に勝つために」「嘘がない競技」などなどだが、
僕は、いくら学生駅伝の選手であろうとも、
優秀な選手は、早くから実業団に声をかけられ、
大学卒業後の就職の約束や、事前にお金をもらったり
してると思うのだ(もしくは親が受け取る)
それから、監督たち。
ここにも個性的な監督が多数でてくるが、
僕から見れば、駅伝に限らず、有名な監督たちは
一種、宗教の教祖めいた印象をうけてしまう。

それに、いくら「本戦から外れた各大学の選手たち」に
よるチームであろうとも、所詮、彼らもエリートなのだ。
池井戸潤が銀行出身ということもあり、彼の作品では
絵に描いたような「負け組」はあまり登場しない。
町工場の社長や社員なども、よく登場はするが、
それでも、(多分)彼らも高給取りなのだと思われる。

そんなことを考えつつ、ウジウジと読み進めるより
「次の積読本」に取り掛かった方が精神衛生上よいと
判断し、本を閉じた次第だ。
がしかし、この本はめっちゃ売れるだろうとは思う。
そしてハマる人には大感動を呼ぶだろう。
池井戸潤には「様式美」みたいなのがあって、
それにドンピシャはまった作品だと思う。


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