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「マーケティング・ビジネス実務検定」って、受けて意味あるの?A級合格者、語ります。

「マーケティング・ビジネス実務検定」って、聞いたことありますか。

マーケティングの基礎知識や正しい戦略の立て方を学べる、一般の検定です。

C級からA級までの3段階あり、A級取得者は「IMSSA認定マーケティング実務士」の資格を与えられます。(IMSSAとは国際実務マーケティング協会の略称です)

僕は2年ほど前にA級まで合格して資格を取りました。


ではこのマーケティング・ビジネス実務検定、取って得するものなのかどうか。

資格所持者として2年ほど過ごしてみた僕の考えを、ここではお伝えしたいと思います。


いきなり結論です。

多くの人にとっては、正直取っても大して役に立たないと思います。

でも僕は、取ってよかったと心から思っています。

言っていることが矛盾している感じですが、きちんと説明しますね。


まず知名度ですが、これはもうほとんどないです。

僕はせっかく資格を取ったのでメールの署名欄に「マーケティング実務士」と入れてますが、それで何か反応してくれた人はいません。
「焼肉コンシェルジュ検定」や「境港妖怪検定」あたり取って書いていた方が、まだ話のネタになりそうな気がしています。

仕事環境のせいかなとも思いましたが、一応マーケティングに結構関わっている部署だし、それに超巨大書店の丸善丸の内店にも2〜3冊くらいしか参考書がないのを見ると、どこへ行ってもマイナーな資格ではあるんだと思います。

これ本当に、運営会社さんもうちょっと頑張ってほしい・・
マーケティング資格の運営会社がマーケティングできてないって、格好つかんでしょうよ。

まあ、だからこそもっと伝えたくてこれを書いているんですが・・

という感じで、チヤホヤされたりということはなく、この資格で承認欲求は1mlも満たされません。

褒められたいとかそういう動機で受けようと思っていた人は、逆に欲求不満に陥るのでオススメしません。同じ時間あればマリカーとかやり込んだ方がいいです。


ではなぜ取ってよかったと思うのか。

それは、マーケティングに関する情報が世の中にごちゃごちゃ渦巻きすぎているからです。


昨今、マーケティングはちょっとした流行り物になっている感じがあります。関連書籍もものすごい数ですよね。書店を覗くたびに増えてます。

少し前にNewsPicksで「一億総マーケティング時代」という特集がありましたが、的確な表現だなと思いました。

それだけ皆の関心が高い領域なんで、いろんな人がいろんなことを言います。

毎年、雨後の筍のように「〇〇マーケティング」という新しい言葉が生まれています。それを全部否定するわけではもちろんありませんが、中には根拠の乏しい考え方や戦略もたくさんあるかと思います。検索すると、プロでもない方がライティング副業で書いたような記事がたくさん出てきます。それを鵜呑みにしている人も多いのでは。

要するに、どれが信用に足る情報なのか、すごく分かりづらくなっているんです。

僕も少し前までは、先輩が新しいマーケティングの話を語ってきて、それをどこまで信用していいのか、すごく迷ったりしていました。(とりあえず「おおすごいっすね!」と言ってましたが・・)


でもそれだけ「真」と「偽」の境界がモヤモヤしているから、逆にいうと、ある程度はごまかしが効いてしまう。真偽の区別がしっかりできていなくても、すぐには困りません。

それが、冒頭で「多くの人にとっては大して役に立たない」と言った理由です。

検定を受けなくても、大抵の場所ではやっていけるから。


では、この検定はどんな時に役に立つのか。

それは、「本物の人たち」と対峙した時です。

第一線でマーケティングに関わっている方々は、当然ですが有象無象をぜんぶ飲み込みません。ひとつの学問として、しっかり原典や源流から学んできています。

だから、そういう人たちの前で適当に聞きかじった新論を言っても、「こいつ何言ってんだ」と化けの皮を剥がされてしまう。

いや、実際にベリベリ剥がされたことはないんですが、たまに「ああこの人は剥がす側の人間だ・・ゴクリ」と直感的に思う人がいて、その人の前では何も自信持って話せなくなったりしてました。
持っている知識を自分自身ちょっと疑っていたから。

僕はそんな経験からこの資格に挑戦しました。


そして、そういう「本物の人たち」と対峙する時になって初めて、この検定は活きてくると思います。


マーケティング・ビジネス実務検定のいいところは、だだっ広いマーケティングの全体像だったり、源流からの流れだったりを、しっかり整理してくれているところです。

ものすごい広範囲を網羅的に勉強するので、ブルーオーシャン戦略とかキャズム理論とかの、ひとつひとつの考えを使いこなせるようにはならないかもしれない。
でも、どことどこが繋がっているのか、追加で知識が必要になった時にどこを当たればいいのか、そういうところはよく分かるようになります。

つまり、マーケティング・ビジネス実務検定で勉強できるのは、「マーケティングの正しい世界地図」だと思っています。


ベーシック版の公式テキストを開くと、「マーケティングの定義」の話から始まります。
マーケティングとはそもそも何か。時代によって捉え方がどう変わってきたのか。そこから学習を始めていく、そんな検定なんです。

マーケティングの定義を正しく言える人が、果たして世の中でどのくらいいるか。でも本来はそこから始めるべきだと思います。

そして戦略的マーケティングの考え方から、消費者論、製品戦略、価格戦略、プロモーションはもちろん、ロジスティクスなどの流通やマーケティング関連法規まで、広大なマーケティング世界をビュンビュンと飛び回ります。

バーコードとかPOSシステムのこととかまで網羅するんです。なかなか広いでしょう。


C級では、ピースボートの旅みたいに、ざっと世界を回ります。
B級になると、現地でちゃんと会話ができる程度の専門知識を学びます。
A級は記述などもがっつり入ってきて、ある程度現地で生きていくための実践的技術を身につけていきます。

ざっとそんな感じです。


国家資格に比べたらかなり簡単です。ちゃんと勉強すれば問題なく取れます。

でも一夜漬けで取れるほど甘くない。特にA級は、仕事しつつの土日の勉強なら、2ヶ月はみておいたほうがいいです。もちろん元の知識量にもよりますが。


これで手に入れられるものは、マーケティングの「知識に対する自信」と、
次のレベルが必要になった時の「動き方の指針」です。

C級だけでもかなり変わると思いますよ。


正しい知識を持っておいて損はないはずです。

特に、「この先、高いレベルの人たちと自信持って対峙していきたい」と思う人には、時間の無駄にはならないと思います。


「ちょっといいかも」ともし思ってくれたら、ぜひチャレンジしてほしいです!

そして合格したあかつきには、周りの人たちにも伝導していって、この検定の価値を一緒に上げていってくれませんか!

目標は、まずは丸善丸の内店に10冊参考書が並ぶこと!
そんな世界線、ちょっと見てみたい・・・非現実的ではないと思うんです。


マーケティングの正しい知識を世の中に広めましょう!

マーケティングビジネス実務検定、どんどん拡散お願いします!



※一応検定のリンク貼っときます。アフィリエイトでもなんでもないので。


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