『おまえのせいで、うつになったんじゃ、ボケ!』第31話:自立支援医療(精神通院医療)制度の手続
6月17日午後6時10分
××クリニック診察室
先生「そういえば、治療を開始してから半年経過しますね」
ボク「そんなに経つんですね。いろいろとありがとうございました」
先生「自立支援の申請準備をそろそろしたらどうですか?」
ボク「自立支援……ですか?」
先生「詳しくは、役所で聞いてみてください」
ボク「はい」
先生「それがあると、医療費の負担が一割になりますからね」
ボク「ってことは、三割負担だったのが、一割?」
先生「薬も一割になりますよ」
ボク(そ、それは、かなり助かるなぁ)
昼休みの散歩を途中で切り上げ、ベンチに座って役所に電話しました。
「あの、自立支援の申請書がほしいのですが……」
「担当部署につなぎますので、お待ちください」
昼休み時に電話したことを後悔しました。かなり待たされます。
「あ、はい、お電話代わりました」
「あの、自立支援の申請書がほしいのですが……」
「となると……、はい、いまからお伝えする所に連絡してもらえますか?」
たらい回しされました。で、ようやく、その担当までつながりました。
「あの、自立支援の申請書がほしいのですが……(このセリフ言ってばかりだな)」
「はい、こちらで承ります。では、平日の日中の時間帯に書類を取りにきてください」
「え、平日ですか?」
「そうです、平日です」
「休日とか、夜間帯は?」
「ですから、平日の日中の時間帯に取りにきてください」
「ど、どうしても難しい場合は、どうすればいいんでしょうか?送っ……」
「あ、代理の方に、平日の日中に取りに来てもらってください」
こういった申請書は、もらったその場で聞きながら書くのが一番の早いし間違いがありません。
なので、代理ではなく自ら行くことにしました。
当時は既に復職していたのですが、治療中だったこともあり、病院から役所で至急、書類をもらうように言われたというウソの理由で、仕事を休み、申請書を取りに行きました。
「あの、これって、医療費が安くなるんですよね?」
役所の担当者とテーブルを挟んで座ったものの、お互いずっと無言。
あまりに気まずくなってきたので、こちらから話しかけました。
「はい、そうです」
「けっこう、じんましんとかひどくて、皮膚科に通って、薬代バカにならないんですよ」
「え?」
「いや、じんましんが、その……ひどいんです」
「あの、皮膚科は関係ないんですよ?」
「いやいや、じんましんは皮膚科でしょ?!(バカか、コイツ!?)」
申請書の記入が後半まで進み、ようやくその担当者が言っていることが理解できました。
この制度は、うつ病で通っている病院とその調剤薬局に限定して医療費が一割の負担になるのです。
「カゼや花粉症でも減額、ラッキー」
「どんな病院でも薬局でも減額だって」
と思っていたボクはアテが外れてガッカリです。
記入項目にあった“医療コード”や“薬局コード”は、自分で調べないといけなかったので、付箋をして後で調べました。(インターネットで検索し、病院や薬局に念のため電話で確認しました。)
さらに、ボクの場合は、病院の勧めで“精神障害者保健福祉手帳”も一緒に申請することになったので、通常の記入例とは異なり、やはり、いろいろと教えてもらいながら記載することにして良かったです。
無事に提出終了し、それが受領されるまで、二~三ヶ月ぐらい待った頃、
・自立支援医療(精神通院)の医療受給者証
・自己負担上限額管理票
が自宅に届きました。
ボクが通院していた病院と薬局は、申請書の控え(コピー)の提示で一割負担の対応となり、とりあえず、家計が楽になりました。(病院や薬局によっては、控えでは対応してくれなく、証書原本が届いたところで、精算するところもあります。)
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