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『おまえのせいで、うつになったんじゃ、ボケ!』第36話:子どもとの接し方

2月27日午後3時44分
自宅リビング


 
子ども「ただいま!」

ボク・妻「「おかえり」」

子ども「おなかすいたー、おやつたべたーい」

ボク「ねぇ、何して遊ぶ?」

子ども「しゅくだいがあるから、だめー」

ボク「じゃあ、宿題を一緒にしない?」

子ども「え、だめだよー!」

ボク「だったら、となりでパパは本を読んでいい?」

子ども「きがちるから、やだ」

ボク「あ、そうだ、鉛筆を削ってあげようか?」

子ども「パパ、あっちいって!
 


 
休職中、子どもは学校に通っていたので、会うのは朝と夕方から夜の間です。

しかし、朝は、なかなか自分自身が起きられないことが続いたので、子どもが帰ってきてから、その日はじめて会うことが多くありました。


ある日、目が覚めていてもなかなか起きられないとき、玄関から声が聞こえてきました。

「ママ、いってきまーす」

「パパもいってきまーす」

子どもにとって、パパは起きていても起きていなくても、ちゃんと“いってきます”を伝えてくれる対象なんだと知り、切なく申し訳ない気分になりました。


子どもは、うつ病のことも、その病気に父親がなったことも知りません。

だからこそ、なるべく“フツーの父親”として接するようにボクは心がけていました。

働いていた時は、自分のことで精一杯で、子どもと一緒にいることができませんでしたから、なおさら、一緒にいることに対してとても幸せに感じていました。(だから、当初はかなりしつこい接し方もしていたのかも。)


でも、ボクは無理をしていたのだと思います。

夜になると、疲れてしまい、夕食後やお風呂に入った途端、頭痛がしたり、ウトウトしたりしてしまいます。

そのまま、誰よりも早く寝てしまうことも多くありました。

 
学校の早帰りの日、昼前に子どもが学校から帰ってきました。

「きょうはおともだちをいえによびたいんだけど……」

そして、ボクの方をチラッと見ます。

「!」


そうか、そういうことか。

「あ、そういえば、パパは用事があって、これから出かけなくちゃいけなかったんだ!」

すぐに身支度をして、外に出かけました。

確かに、この時間帯に父親がいるのは、変だよなぁ


信号待ちの時、いろいろなことが頭に浮かびました。

子どもは、自分の病気のこと、実は気付いてるんじゃないか」、とか。

青信号で、また歩き出します。

いていると、余計なことをあまり考えないようになります。早足で歩くと、さらに何も考えないで良くなります。

なんとなく余計なことを考えてしまいそうな気がしたので、ピッチを上げてどんどん歩きます。

≪ブブーブブーブブーブブー≫

妻からメールが届きました。

「パパ、お友達、帰ったよ」

「帰っていいの?」

「もちろん!何時頃、帰ってくる?」

そのメールを受けてハッとしました。

「ごめん、二時間後には家に着くと思う」

「え?いまどこ???」
 

すっかり、帰りのことを全く考えずに歩いていました。

二時間は掛からず家に帰ってくることができましたが、汗だくになっての帰宅でした。
 
「汗だくで帰ってきた父親の用事とは一体なんだったんだろう?」

って、子どもに思われていなかったら良いのですが……。











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