福祉士と最終学歴との関係
▼おはようございます。以下、休日のたわごとです。しばしお付き合いくださいませ🍀🍀🍀
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▼私の親族で、最終学歴というものに異常に執着している人間がいます。その人間は、ある病気になって手術が必要となったときに「○○大学を卒業した医師の手術を受ける」と主張して譲らず、その大学を卒業した医師の手術を受けたのでした。
▼しかし、外科医が手術するときの「手技」は、最終学歴と関係があるのでしょうか❓❓ ここでいう「手技」とは、手先が震えないとか、細かい指さばきができるとか、綺麗に切ったり縫ったりできるとか、そのような「手先の器用さ」のことです。
▼外科医が難しい手術をするときは、きっと難しい知識を得なければならないのでしょう。ただ、知識と最終学歴は別物ですし、最終学歴と手先の器用さも別物と考えますが・・・
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▼さて、福祉や介護の話です。福祉や介護の業界は、最終学歴には支配されていません。理由としては、以下のようなものがあげられるでしょう。
●介護技術やコミュニケーション技術の上手/下手は最終学歴と関係がない
●福祉士等の資格取得ルートが多様で、最終学歴だけでなく実践歴も受験要件としている
●福祉や介護に関する高等専門教育課程の歴史が浅い
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▼福祉や介護の業界は、最終学歴と関係がないから社会的地位や待遇が低いと言う人がいます。
▼違います。断言できます。
▼対人援助専門職の社会的地位は、その国家資格が業務独占であるかどうかや、(医師のように)法的権限が集中しているかどうかに左右されます。そして、こうした業務独占や法的権限の集中は、職能団体や業界団体の政治力に依存する部分が大きいです。
▼福祉、介護業界のキャリアパスも見逃せません。ある国家資格を取って経験を積んで、次にどんな資格を取得すればキャリアアップとなり、また待遇がアップするのかという経路が福祉、介護業界では不明瞭でして、これも最終学歴とはほとんど関係がありません。
▼そして、とくに高齢、障がい領域では、専門職の待遇につながる介護保険サービスや障害福祉サービスは公定価格です。公定価格も強い政治的案件でして、その多い少ないは職能団体や業界団体の政治力の影響を強く受けます。
▼専門職の社会的地位や待遇と、最終学歴との関係を示すよい例が看護師です。看護師の社会的地位と待遇は、1990年代に飛躍的に向上しましたが、その業界は最終学歴に支配されていません(看護部長のような経営職位の出世には関係があるようです)。なお、看護師の地位向上についてはまた別の機会に😎😎
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▼福祉や介護の「職業風土」という面から最終学歴をみますと、ヘタに学歴があると、逆に珍しがられて浮いてしまうことがあるかもしれません。
▼以前、俗に「最高学府」と呼ばれる大学を卒業された介護実践者の方をお見かけしたことがあります。その方の属性は、「あのひと○○大学を出てるのよ」などと、周りの人が教えてくれたもので、ご本人ではなく、周りが色めき立っている様子でした。
▼その方は、ご自身の属性をひけらかすことは決してありませんし、また、ご自身の来歴をみじんも気にしておられない様子で、そのつつしみ深い態度に一種の風格のようなものを感じたことを覚えています。いま思い返せば、この見方は非常にステレオタイプかつ差別的でして、どこの大学を出ていようが、対人援助専門職の力量は最終学歴とは関係がありません。
▼その方もきっと、介護に最終学歴など関係がないことにお気づきで、また、中身を見ずに表面的な来歴にザワつく周囲に対してウンザリしておられたことでしょう。
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▼学歴社会はともかく、学歴そのものはべつに悪いわけではありません。受験勉強は大変ですし、希望の中高大に合格することも、受験生さんや親御さんにとっては誉れなことでしょう。
▼福祉や介護の業界でも、実践者の方々の最終学歴が明らかに上昇しつつありますし、大卒社会人の方々の転職も増加していますので、多様な経歴をもつ専門職がいる業界というのは、理念的にも、実質的にも、将来的にもよいと考えます。
▼多様な経歴・・・ということは、まわりまわって、福祉・介護の専門職の技量は、やっぱり最終学歴とはあまり関係がないということになるのではないでしょうか🌞🌞🌞