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週末雑感

実は16000社あるんです!

ここでいったん、人材ビジネスというビジネスについて、ちょっとだけ深堀をしてみよう。

1980年代になって、今では大手といわれている会社が人材派遣会社として産声を上げていった。
マンパワージャパン、リクルート、テンプスタッフなどの会社案内を見てもらうと1980年代に会社が立ち上がっている。

それから、30年以上時間が経過をして、今では人材会社は16000社まで増えている。

今では当たり前のように派遣会社、紹介会社があるが、あのバブル絶頂期の日本では、今以上のニーズが無かったことは確かである。

そんな中地道に草の根運動的にやってきて、90年代に入り、バブル崩壊後、
年功序列の崩壊、護送船団方式の崩壊など、雇用形態が大きく変わってきた。

そんな中徐々にではあるが、大手のリクルートが頭角を現す。
リクルートがいうことが人材紹介業界では当たり前のルールとなっていく。

その一つの例が人材紹介時の企業と紹介会社が結んでいる基本契約の中にある、紹介手数料というものである。

エージェントに登録をした人、転職活動をしようとして、求人広告やスカウトメールをもらったことがある人は、すぐにわかってもらえる文言がそこにはある。

ご転職までの費用は一切無料ですという言葉

人材紹介会社は転職希望者からは一切費用を徴収しない。
今では一部の会員制サイトを運営している会社以外はほとんどのケースで費用が発生しない。

人材紹介会社は企業から転職者を入社させることによって、企業収益をもらっていることになる。

1990年代までは想定年収の25%前後、2000年代は想定年収の30%、2010年代に入ると、広告費用の高騰、人材の確保ができない事を理由に、想定年収の35%を紹介手数料として、企業は人材紹介会社へ支払うことが当たり前になってくる。

また、昨今では人材の確保が難しくなってきているのと同時に、ニーズが細分化をしており、一部の職種では紹介手数料100%を支払うから、うちの会社を最優先してほしいという企業まで表れている。

そうすると、企業側としてはコストを押さえたいので、経営者、人事担当者との交渉が始まる。
企業によっては紹介手数料を値切ると、紹介会社から一切相手にされることが無くなる。

「ご紹介をしたいのですが、ご推薦できる人材がなかなかおらず…」
「転職者へ紹介をしているのですが、本人承諾が取れませんので…」と
いう言葉が常套的になってきているのは事実である。

今の時代は、売り手市場でもあり、企業のハードルはすごく高い状態である。

転職する方法が複雑になり始めている!?

転職者側から見てみると…今の会社で3年以上やっていると転職を考える人も多い。
そういう時に登録するのが転職サイトである。
転職サイトにはエージェントを使って転職をする場合と、直接企業へ応募をする場合との2通りが主流である。

しかし、現在においてはSNSの弱いつながりから転職をしたり、SNSによるセルフブランディングをして転職をしたり、SNSのファンベースから転職先を探したりする人も増えている。

ダイレクトリクルーティングということで転職サイトに登録をしている転職希望者を一本釣りすることもできるようになっているが、転職希望者は無料のサイトを回遊していることが多く、有料サイトについてはまだまだ浸透していないというのが事実である。

そのため、有料サイトは転職者が多くなる時期を見計らって、職務経歴書を更新すると無料を配布して継続して使ってもらえるように努力をしている。

年収UPなら会社を見抜く目がないと厳しい!?

また、エージェントの広告がインターネットを開くと、いろいろなサイトにポップアップ広告で出てきたり、年収が大幅にアップした例が交通広告などに出ているため、転職=年収が上がると考える人が非常に多くなっている。

しかし、実情は全く違うことに気付いてほしい。年収がアップするケースは全体の15%前後。現状維持が40%前後、年収がダウンするケースが55%で前後。

余程スキルをもっている人が不遇を受けていたり、中小企業から大手企業へ転職をした場合など、いくつかの条件が揃ったうえで、年収がアップする。

私も転職をしているからわかることですが、前職の年収と同じぐらいであれば御の字です。
なぜそうなるのかというと…転職をすると今までの実績はリセットされてしまいます。

会社ごとに評価が変わっていますから、今までの事がそのままスライドするというケースは稀です。

在籍をする会社では通用していたスキルも、新しい会社では通用するとは限りません。

また、転職先の職場環境や社内事情にもよって変わります。
例えばマネージャー以上の年収やベテラン社員の年収と比較して、高い年収であればとハレーションが発生するため、それ以上の金額が出ないというのが日本の実情。

からくりがわかるとオファーレターを見抜ける!?

もう一つは企業が人材紹介会社への手数料を押さえるために、決算期に入社ができれば、ボーナスは全額支給されるけども、それ以外はボーナス支給額が変動するため、実質2年目以降の年収はアップするが、1年目は実質年収ダウンになるケースも多い。

このカラクリに気付いていない転職者も多い。
相当、人事関係の事に詳しかったり、経営管理系の職種を目指している人以外気付かない可能性が高い。

転職者のほとんどが年収で決めるケースも多い。
人間関係もリセットできるし、残業も減ればいいというマイナスな要素がゼロになれば、年収がポイントになる。

また、企業のハードルも年々上がっている。
私がエージェントとして仕事をさせてもらっていた時代は、多少スキルが足りなくても、面接でやる気、ガッツがある人は採用をされているケースも多かった。

その他にも、エージェントの勘が当たるケースが非常に多い。
おっ!この転職者はこの企業とこの企業なら大丈夫という転職者で、推薦をすると、とんとん拍子で内定を出していた。

ここ数年で風向きは大きく変わったといってもいいでしょう。
エージェントが企業へ足を運ぶ、決裁権者とリレーションシップを築くことが難しいこと、生産性を重視するあまり、コミュニケーションを取らなくなっている。

言語化とコミュニケーションが採用のポイント!?

求人票を送って終わり、詳細な取材をしないエージェントが増えている。
人のマッチングをするのに、決裁権者の考え方、相性などを考えていない。
とりあえず、利益追求のために、候補者をどんどん推薦する。

人柄やどんな考え方をしているのかなどを聞いていくと、まったく答えられないエージェントも増えている。!?

企業のニーズが細分化をしており、人事担当者も部署長がいうのだから、その通りに求人票をつくり、それをエージェントへ垂れ流しをする。

社内でもニーズを把握しておらず、企業が出している条件に合わない場合は、全部お断りをすることが多い。

スキルを問う前に、自分たちのルールに合わない、転職者はあらかじめ除外をしてほしいということを何も言わずに、紹介会社へのプレッシャーを与えている。

書類選考の不通過理由としても、ほかの候補者と比較検討をした結果、当該条件に合致をしないため、スキルアンマッチとという非常にあいまいな表現で断ってくる会社が多い。

以前にもいったが採用基準は面接官の経験則である。
自分よりできる奴が来ても困るし、使いづらいやつが来ても困る。
仕事はチームワークだから、和を乱す奴は困る。
などと心理が働いているため、スキルをもった人材を面接まで進むことなく、落選させていることもある。

どんだけ色眼鏡をかけてみているんだとツッコミたくなるけど、決裁権者とエージェントの信頼関係が成り立っていないのが、事実であるのは、時代の流れだろう。

ファンベースからの採用がこれからのポイント

また、ダイレクトリクルーティングやソーシャルネット転職など、従来の広告に頼らない方法も実践をしている会社も出ている。
このエリアはまだブルーオーシャンであるのはたしか。

ただし、人事のファンベースのつくり方、経営陣のファンベースのつくり方はもちろんですが、どれだけ独自性を出せてファンベースをつくるかがポイントである。

言語化と発信力が求められるのがこれからの時代であるのは間違いない。
過去の成功体験、過去の手法を続けていても採用がうまくいくとは限らない。

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