人生いろいろ、キャリアもいろいろ
〜11月27日 07:00
「30代での転落から、情熱の再発見へ」
35歳の誕生日直後、私は営業部長の座から降ろされました。10年の努力が一瞬で崩れ去ったのです。
毎日、ただひたすらに数字を追いかけ、部下を鼓舞しても、結果は変わりませんでした。
「君には荷が重すぎたようだ」。上司から告げられたその言葉は、まるで自分の存在そのものが否定されたように感じられました。
それからというもの、毎朝オフィスへ向かうのが怖くなり、机に座るだけで胃が痛む日々が続きました。
部下たちの視線が突き刺さり、かつて信じていた自分がどんどん遠くに感じられます。
そんな私に転機が訪れたのは、半ば放心状態で休日に歩いていた商店街でのこと。
小さな古書店の中で静かに本を並べる老夫婦が、私の話を親身に聞いてくれました。
「あなたはずっと数字ばかり見てきたのね」と言われた瞬間、自分の中で凍りついていた何かが、少しずつ溶け出すのを感じました。
それまで、売上や利益といった数字だけに価値を見出し、それ以外のものを見失っていたことに気づかされたのです。
やがて、週末にその古書店での手伝いを始めるようになりました。
人と本が出会う瞬間の温かさに触れるたび、私の心に新しい希望が灯り始めました。
「数字だけでなく、人とのつながりを大切にしたい」。3ヶ月後には自らの夢である「独立」を決意し、今では企業向けの「ビジネス書籍アドバイザー」として活動しています。
かつての営業経験と、本の力を結びつけるという新たな役割を見つけたのです。
この経験を通じて学んだのは、失敗してもやり直せるということ。
そして、私たちの価値は数字では測れないということです。新しい道を見つけた今、私は自分にとって本当に大切なものを追い求めています。
「育児ブランクから描いた、新しいキャリアの地図」
この記事が参加している募集
よろしければサポートをお願いいたします!頂いたサポートについては、製作費として使わせていただきます。