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【コンサル転職の準備⑥】 元 マッキンゼー社員によるアクセンチュア内定者のケース面接対策を公開

こんにちは。コンサル業界の転職に役立つプラットフォームcareersuiteを運営しています。株式会社Liquet転職エージェントのオオスミです。

弊社では転職希望者と転職支援に関心がある企業のOB・OG・現役社員との模擬面接を実施し、業界の理解を深めながらミスマッチが少なく内定率の高い転職活動をサポートしております!

今日はマッキンゼー社員によるケース模擬面接の様子をご紹介いたします。

しかし、やりとりは実践に近い物となります。ご自身でも考えながらぜひご覧ください!


<ケース面接の動向について>

ケース面接は昨今行わない企業も増えておりますが、戦略コンサルファームや総合コンサルのストラテジーチームにおける採用では高確率で行われます。
総合ファームにおいても部門ごとに実施するところと、しないところが分かれてきています。
特に総合ファームの部門採用では業務内容に即したリアルな悩みのどのように答えていくかが問われることが多くあります。
今回はその様なお題です。

コンサルの面接においてはケースを行えば素養は一発でわかるとおっしゃる方は少なくなく、コンサルタントとして最も求められる「思考力」を試す上で欠かせない物でありながら、また思考を昇華した「ディスカッション力」も大きく試されています。


なので、内定へのステップとして、極力実際に近い模擬面接を体験しスキルを向上させていただくことが効果的です。

実践さながらの記録がお役に立てば幸いです。


<今回の注目ポイント>

ケース面接や戦略的思考において重要視される以下の点が今回のポイントとなります。

実際の現場での経験や知見を活かし、クライアントの状況を構造的に捉えてゴールを設定した上で、課題解決の提案を行えるか。


それでは、どうぞご覧ください。




今回のお題

①OEM車載ソフトウェアの開発部門長からの相談。
管理職の稼働が逼迫していて、長時間労働が常態化しているという現場からのSOSを受け、何らかの打ち手を一緒に考えたい

②コンビニチェーンを運営する弊社で、DX推進部門の部門長からの相談
大企業が全社横断のDX推進を進めるために立ち上げたDX推進部門の今後の方向性を考えていきたい



模擬面接スタート


メンター
本日は1時間ありますので、2つのケース面接の対策を進めたいと思います。お題の一つ目は、
日本大手のOEM自動車メーカーで、最終組み立てを行う部門に関するものです。具体的には、トヨタや日産などのOEM車載ソフトウェアの開発部門長についてです。
内容としては、管理職の稼働が逼迫していて、長時間労働が常態化しているという現場からのSOSを受け、何らかの打ち手を一緒に考えたいという相談内容です。

少し背景を補足すると、従来の車が「走る、曲がる、止まる」といった基本機能から、EVやコネクテッドカーなどの新しいビジネスモデルへと移行しており、それに伴い車載ソフトウェアの重要性が増しています。
これにより、業務量も増加し、会社としては採用を強化していますが、業務量の増加が採用人数を上回り、結果として長時間労働が続いているという状況です。

アウトプットとしては、クライアントの悩みに対する初期提案として「こういう課題があるのではないか?」という仮説を立て、その課題に対してどのような打ち手が取れるのか提案をしていただきます。

検討時間としては15分、その後5分でディスカッションを行います。ケースなので仮説を多く置く必要がありますが、自由に想定を立てながら進めてください。


求職者
はい、承知しました。


メンター
ここまでで何か質問はありますか?


求職者
ほとんどケース面接をやったことがないので、少し不安です。


メンター
わかりました。ケース面接が初めてということで、最初に解き方のテンプレートをお伝えしますね。

求職者
ありがとうございます。

メンター
まず、ケースの解き方としては、最初にお題が提示された際に前提条件を確認することが重要です。例えば「売上を上げてください」というお題の場合、1年間でどのくらいの売上増加を狙っているのかなど、前提を確認します。今回の場合も、管理職の課題が逼迫している背景を確認すると良いでしょう。

次に、ゴールを設定します。よくあるケースとして、売上向上を目指す場合、1年間で何%向上させるのかなどの具体的な目標を設定します。

その後、課題の要素を分解していきます。例えば、売上向上に関しては、サービスの単価と利用数に分けて考えられます。その後、ボトルネックを特定し、優先順位を決めます。そして最後に、施策の優先順位をつけて進めます。

このフレームワークに沿って進めれば、問題なくケース面接に対応できると思います。


求職者
ありがとうございます。前提を確認した後、ゴールを設定し、課題を分解して進めていく流れですね。


メンター
その通りです。未確定な部分は仮定を立てて「こういう前提で考えています」と伝えれば大丈夫です。


求職者
承知しました。ありがとうございます。


メンター
それでは、特に質問がなければ、15分間検討して、ディスカッションに移りましょう。


求職者
はい、ありがとうございます。


メンター
検討時間が終了したらディスカッションを始めますので、準備をお願いします。
求職者
はい、よろしくお願いします。


試算時間

皆様も15分で考えてみてください
(15分後)











求職者
まずゴールの設定として、「労働時間を減らす」というところを定めさせていただきました。
今回の対象は部門なので、部門全体の労働時間は、部門に所属している労働者数と、それぞれの1人当たりの労働時間に分解することができると考えました。さらに、1人当たりの労働時間については、業務量と質に分解できるのではないかと考えました。こうして課題として三つの点が浮かび上がりました。

まず一つ目の課題は「労働者数が足りていない」ということです。
二つ目は「1人当たりの業務処理量が少ない」、つまり仕事の質が低いということ。
そして三つ目は「業務量自体が多い」ということです。

施策としては、まず労働者数が足りていないので、従業員の増員を検討します。次に、1人当たりの業務処理量を改善するために、従業員のスキルアップや仕事の質を上げる施策を行います。そして三つ目の課題に対しては、業務改善を通じて無駄な業務を削減するという方法を考えました。
ただし、現状では業務が逼迫しているため、従業員に対する研修や教育に時間を割くことが難しいという点も考慮しました。また、採用も短期的には難しいため、最も優先すべきは「業務改善」、つまり無駄な業務をなくして効率化することだと考えています。


メンター
なるほど、ありがとうございます。業務量を減らすという施策は1つの有効なアプローチですが、それだけではこの問題を完全に解決することが難しいのではないかと思います。おそらく、複数の施策を組み合わせて対処することが必要になるのではないかと思います。
例えば、長時間労働が常態化している背景には、業務量の増加や管理職の負荷が大きくなっているという問題があるため、他にも解決策を検討する必要があるかもしれません。

実際のクライアントワークにおいても、単に業務量を減らすだけではなく、複数の施策を組み合わせて、どうすれば本質的に問題を解決できるのかを考える必要があります。ですので、もう一度施策の組み合わせを考え直して、具体的にどの施策を提案すべきかを検討してみてください。そして、その施策がどのように問題を解決するのか、少し深掘りしてみましょう。準備ができたらまたフィードバックしますね。

求職者
承知しました。業務の改革について、まず全体の業務を棚卸しするところから始め、特に負荷がかかっている業務のボトルネックを洗い出すべきだと考えています。その上で、システムを導入するか、または従業員の作業効率を上げることで解決できるのかを検討するつもりです。もしシステム導入が必要だと判断すれば、要件定義などもこちらで進めることができます。また、従業員の質を向上させる場合は、研修プログラムの開発や業務マニュアルの作成などを提案して進めることを考えています。


メンター
なるほど、よく考えられていますね。ただ、業務を減らすという方向に特化して考えたのは、何か理由がありますか?シンプルにクライアントからは「忙しいからなんとかしてほしい」という依頼がある中で、そのニーズに対するアプローチをどう考えていますか?


求職者
そうですね、現場が忙しく、労働時間が長くなっているという話を受けて、業務量を減らすことで負荷を軽減するべきだと考えました。特に、無駄な業務を削減することが有効だと判断しました。


メンター
それは納得できます。では、業務を効率化するという話と、業務の質を向上させるという話の違いについて、どう考えていますか?


求職者
確かに、業務の質を上げるというのは、従業員のスキルを向上させること、業務を効率化するというのは、無駄な業務をなくして仕事自体を減らすことだと思っています。


メンター
そうですね、ニュアンスとしては質を上げるというのは、従業員がより効率的に業務をこなせるようにするという意味であり、効率化というのは業務そのものを減らすというニュアンスですね。業務改善の中に従業員の育成も含めた形で考えているということですね。


求職者
そうです。従業員の質を上げることで、業務全体の効率化が進むと考えています。


メンター
なるほど。それは良いアプローチですね。ただ、業務を効率化するというのは必ずしも全ての業務を削減するという意味ではないので、具体的にどの業務を削減し、どの業務を効率化するのかを考えていく必要がありますね。また、業務の質を上げることで、短期的には成果が出ないこともありますので、他の方法も含めてバランスよく提案できると良いと思います。


メンター
業務量が多い点については、求職者が出してくれたアプローチは基本的には妥当だと思います。ただ、業務を切り分けることができるとしたら、さっき言った施策の一部で、「外注する業務」と「システム化できる業務」に分けられると思います。

また、コアな業務に関しては、コンサルタントが入って効率化できるものではなく、社内のリソースを充てる必要がありますよね。なので、他の業務を削減して、リソースをコア業務に充てるようにするのが良いかなと私なら考えます。

これらをまとめて施策を優先順位付けすると、短期的には、まずは庶務業務を外注化する。たとえば、庶務担当者を雇ったり、業務の一部を外部に依頼して負担を軽減します。そして短中期的には、関連部門から人を引っ張ってきて、リソースの最適化を図ります。

さらに、システム開発や設計など、専門的な業務についてはSIer(システムインテグレーター)やコンサルタントに外注し、外部リソースを活用します。これならおそらく3ヶ月から半年程度で対応できるはずです。並行して、人材採用を強化し、リソース不足を中長期的に補います。また、離職率の低下も図ります。

このように包括的に対応すれば、「忙しいんですよ」という課題に対して、的確に応えられると思います。業務を効率化し、システムを導入するといった話だけではなく、より広範囲に解決策を考えることが大切です。システムありきで考えると、クライアントによっては「システムに頼りすぎている」と感じられる可能性もあります。

最終的に、短中期で取り組むべき施策と、中長期で取り組む施策の両方を提案できれば、非常に説得力のある内容になると思います。


求職者
ありがとうございます。

メンター
初めてのケース対策ということですが、この解き方の型さえ覚えてしまえば、それほど難しいことではないと思いますよ。

求職者
ありがとうございます。今回のフィードバックを基に、考え方を改めます。



メンター
はい、ちょっともう一つ質問をしましょうか。今の話を踏まえて、DXの進め方についてお伺いします。今回のクライアントは、コンビニチェーンを運営する弊社で、DX推進部門の部門長の方ですね。
DX推進部門はご存知だと思いますが、事業部を横断してDXを推進する部門で、ITの活用を通じて全社のDXを進める役割を持っています。この部門長から、「大企業がDX推進を進めるために立ち上げたDX推進部門の今後の方向性を考えていきたい」という相談がありました。


求職者
難しいですね。


メンター
はい。よくある話なんですが、会社としてDXを進めたいというビジョンはあるものの、具体的にどう進めていくのか迷っているという状況です。そのため、どういったジャンルや方向性でDXを活用するか、議論のたたき台を一緒に作ってくれないか、という相談です。

そんなに難しく考える必要はなくて、例えば「コンビニを運営する会社がDXを活用する機会はどこにあるのか」という点を細かく分解して、それぞれの活用方法を提案していけばいいんです。おそらく部門長は、最終的にその施策を役員に提案する形になると思います。

短期的には、まず手をつけやすい部分から取り組み、並行してほかの領域も進めていくような議論のたたき台を作ることが重要です。


求職者
なるほど、確かにそのように考えることができそうですね。
エンジンとしての前提条件を確認したいのですが、例えばDXの取り組み自体はまだ何も手を付けていないという仮説で考えても大丈夫でしょうか?


メンター
はい、その仮定で考えましょう。
それでは、まずは進めてください。お時間は10分まで取りますので、その間に考えてみてください。


求職者
ありがとうございます。それでは、考えてみます。


試算時間

皆様も10分で考えてみてください
(10分後)








求職者
DXの活用の施策の方向性について考えました。まず、大きく社内向けと対顧客向けの二つに分けられると思います。社内向けについては、各事業部門がそれぞれデータを持っているという仮定のもと、まず紙データのデジタル化やシステム基盤の整備が必要だと考えました。
もう一つは、デジタル人材の育成やデジタル企業としての風土の醸成です。施策としては、市民開発が可能なデータ活用基盤の整備や、AIを活用したアプリ開発が挙げられるかと思います。
また、デジタル人材の育成に向けた研修プログラムの開発や、社内でのDX施策のPRを進めていくことも重要かと考えています。

一方で、対顧客向けの施策としては、決済システムの改善や、ポイントシステム、AIを活用したレコメンド機能の導入が挙げられると思います。また、他社サービスとの連携によって、顧客を効果的に獲得する施策もDXの活用として有力だと考えました。


メンター
それぞれの施策の優先順位や目的をどのように考えていますか?


求職者
優先度としては、やはり顧客の獲得がコンビニチェーンにとって主軸になると思うので、対顧客向けの施策が優先度として高いと考えました。


メンター
なるほど。では、社内向けのデータシステム基盤の整備は、具体的に何を目的にしているのでしょうか?


求職者
例えば、商品開発部がどの商品がどの時間帯に売れているのかを自分たちで分析できるように、全社のデータを一括管理する基盤を整備するイメージです。


メンター
なるほど、そうすると施策の順番が逆かもしれませんね。まず社内データを統一して分析できるようにするために、データシステム基盤の整備が必要だという流れにすると、より説得力が増します。また、社内向けと社外向けに分けて考えたのは良かったのですが、目的が明確だとさらに良い提案になりますね。


求職者
確かに、ゴールを設定する段階が抜けていたのかもしれません。


メンター
そうですね。ゴール設定が曖昧だと、優先順位や施策の方向性がぶれてしまいます。例えば、DX部門が新設されたばかりだと仮定して、社内でどのような成果を上げるのかを問われる立場にあると考えると、短期的に成果が得られる施策で信頼を獲得し、予算や権限を拡大していくことが重要です。短期的な施策を行うことで、次の中長期的な施策に繋げやすくなります。

まずは社内データの統一と基盤整備を行い、短期的な成果を出す。並行して、対顧客向けの施策も進めていくのが理想です。例えば、AIによるレコメンド機能は短期的に効果を上げやすいかもしれませんし、社内のデータを利用する施策もその基盤があればスムーズに進むでしょう。


求職者
そうですね。データシステム基盤を整備することが、すべての施策の基礎になるのですね。


メンター
そうです。特にDXの成功にはデータの活用が重要ですので、まずはその基盤を整え、次にAIやアプリなどを導入する形が理想的です。物流の最適化や決済システムの改善といった中長期的な施策も、最終的には売上向上やコスト削減に繋がるでしょう。

求職者
ありがとうございます。その方向で施策を整理し、優先順位を考えます。 


あとがき

いかがでしたでしょうか?

今回はクライアントの要望に即したケース面接の練習でした。
前提の確認、ゴールの設定、課題を分解し、打ち手を立案していきましょう。
この際、実際に現場で起こる生々しさを意識できるととても良くなります。
構造的な整理を意識しつつも、実際に使われる現場をイメージしながら課題の整理や打ち手の立案を行なっていくことが重要です。

皆さんのご参考になれば幸いです!

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