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第二章 2023年4月9日 ⑲離婚事由 偽りの裏に隠されたもの


この時の私は主人の言動に踊らされていた。

色んなしがらみが私の中でうごめく。
なるべく事を荒立てないで離婚を進めたい
その方が皆の為になると考えていた。

主人と揉める、調停を起こす、そこで決着が
付かなかった場合、どうなるのだろうか
裁判まで行くのではと助言された。

この時期、主人はまだ不倫の証拠を
抑えられていないので安堵していたと思う。
私に対しても高圧的な時と優しい時を
使い分けていた。

自分の為にも子供の為にも私は
「丸く収める選択」 を取りたかったのだ。

協力者の方から真剣に話したいと連絡が来た。
電話が来たのは午前中であった。

彼の予定は事前にラインで聞いている。
夕方に一つ仕事の案件で電話をする用事が
あるがそれ以外の時間が自由に使えるとの
事で私に相談の時間を割いてくれるそうだった。

「ついに来たか」という感じがした。

私はずっと彼に頼り過ぎていつか問題が
起きるのではと考えていた。

彼は心根の優しい人だ。
目の前で助けが必要な人がいたら
誰よりも真っ先に手を差し伸べるだろう。
私が特別な訳では無い。

主人とは真逆だ。

今、思えば…というエピソードがある。
主人と知り合って間も無い時期に
住んでいた街を二人で歩いていた。
突然歩いている私達にも聞こえるほどの
大きな音がガシャンと後方でした。

歩いていた道は街の中の細いが人通りも
ある道で車の往来もある。

目を凝らして後方を見る。
状況からの推測であったが
前後に大きなカゴが付いている
自転車の女性が車と接触して路肩に
倒れたようであった。

私は距離があったがそちらへ
向かって走り出そうとしたが
主人から声がかかり、呼び止められた。

主人「どこ行くの?」
私「え、事故じゃない、助けにいかないと」
主人「助けるって何を?」
私「え、とりあえず色々するにしても
人がいる方が何か出来るでしょ?」

私が発言した後の主人の受け答えが
時間稼ぎのようでやけにゆっくりで
あった。

私はすぐ動き出せずに返答待ち
だったので少し苛立っていた。

負傷している女性は
痛みで起き上がれないかも知れない…
身体に乗り掛かっている自転車をどかして
路肩から安全な場所へまず移動させないと…
怪我の状況によっては救急車の手配や警察へも
連絡が必要であろうと頭で考えていた。

主人の受け答えが遅かった為に
道を歩く人の中から負傷した人へ
立ち寄る人が出始めていた。
私は何か手伝いが必要なら
すぐ側へと考えていたが
主人は違うようであった。

主人「人、集まってきたよ。
   もう大丈夫じゃない?」

その日決めていた予定通りに
道の先にある駅に向かって
歩き出そうとしている主人を見て
「冷たい人なのかな?」と疑問に
思ったのを覚えている。

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