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マガジン

  • ふらっとチャノマ

最近の記事

Amsterdam

おまけのような祝日の月曜日。 突然、自分の部屋の模様替えを始めた。 新しい物語を始めたかったから。 そして、奇しくも、そんな日に、 自分の過去の物語の一つを思い出す出来事があった。 Amsterdam -アムステルダムというタイトルのドラマ。前日の「Across the universe」がヒットだったので、また面白いエンタメが見たくなってた。HBOのメニューで、その文字を見た瞬間に、「メキシコシティのアムステルダムだ」と直感した。間違ってなかった。私が一時、マリコさんと

    • 嫉妬市場。

      目を疑うというのはこのことだ。 ガラス越しに見えた顔に、ドーブは久々に驚いた。 「これはこれは、キルケ先生!こんなところでお会いするとは」 人間の感情を闇市場で売る河童のドーブは、腹黒さを思い切りコーティングして、老いた河童に話しかけた。 「本当に。生きている間にここに来ることになろうとはな」 「で、どんな感情をおのぞみですか?」 「嫉妬じゃ」 「ほう。それは意外な。キルケ先生とあろう方が。」 「わしは一度もそのような感情を持ったことがないのでな」 河童は古来より人間界に出現

      • 査定。

        除夜の鐘が聞こえ始める。 ワタシは、おフロに入る準備をする。 「ありがとう、ワタシの足。」 「ありがとう、ワタシの腕。」 自分の体をなでながら、ワタシは部品を外していく。 一年。長かったのか、短かったのか。 最後の日に、ワタシは彼らを査定する。 ロボットと超人類しか存在しなくなった世界では、 人類は、少しずつロボットになっていく。 ワタシの四肢はすでにロボット化されている。 それらが、この一年、どのくらいの勤めを果たしたかを 除夜の鐘を聞きながら、報告する義務がワタシには

        • AIの不時着

          「あっ」 洗面所に立って顔を洗ったらしい。 手の中のタオルに、鼻があった。 鼻だけではない。全ての顔のパーツがそこにあった。 何が起こったのか一瞬分からなくてパニクった。 「待てよ。目玉が手の中にあるのに、なぜ、これが見えているんだ」 思い出そうとした時に、シャラシャラッという音がした。 脳裏に浮かんだ自分「達」の姿。 思い出した。 今日の分身の術の顔のパーツ。 タオルに乗っかってるパーツを手でつまんで、腰に引っ掛けていた万華鏡に戻した。 次は記憶を無くさないように、オ

        Amsterdam

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        • ふらっとチャノマ
          6本

        記事

          イタ人。

          「イタ飯食べてイタリア人!」 そのキャンペーンが始まったのは、パンデミックが3年の月日を経て、やっと収まってきた頃。私は、迷いなく、イタリア政府の募集するイタリア人になるための国家試験に挑むことにした。コロナウイルスの打撃によって、特に、イタリア文化を維持していくことを危惧した政府によるアイデアであった。が、最終審査まで残ったにもかかわらず、私は落ちた。 理由を聞きたい!とイタリア大使館に怒鳴り込んでいった。たじろいだ受付の人が、上司に聞きに行って、再び戻ってきた。彼女の

          イタ人。

          The hat in the cat 「ザ・ハッと!」

          2023年、ミニッツという性別、国籍不明のミニマリストのカリスマが、ポストこんまりとして、電子書籍のダウンロードの世界記録を樹立、パンデミックで、軽く強く生きる哲学に目覚めた人々の心を掴んでいた。アニーと僕は、ミニマリストになるべく、ミニッツの勧めるライフダイエットを試みていた。 僕は倉庫から、あるモノを持ち出した。アニメイベントでよく遊んでた女の子が、日本に帰る時においていった着ぐるみの一部。猫の頭だ。 「デカッ!」「うん...」ため息が出た。 あれ、ヘルメット?倉庫

          The hat in the cat 「ザ・ハッと!」

          風を切る山姥への道 note28 /耳のおと②

          じぇじぇっ!一ヶ月、切ってるじゃん!(現在、ロサンゼルスの日本語チャンネルでは「あまちゃん」が放映されております。) カウントダウン的に、マラソン本番まで、noteを書き続けようと思ったが、あっさり挫折。iPhoneにダウンロードした、2016年のLAマラソンのアプリを見たら、大会まで28日!お尻、ホタル状態です。 さて、毎朝、寿司を作りながら聞いてたポッドキャスト。ジムでトレーニングするようになってから、ランニングマシーンで走りながら聞くようになった。選んだ番組は、TE

          風を切る山姥への道 note28 /耳のおと②

          シェアしたい!耳メディアライフin LA

          ポッドキャストの存在を知ったのはいつだったろう?本格的に聴き始めたのは、Podcast史上初めてミリオンのダウンロードをヒットしたSerial にハマった後であるのは間違いない。 去年の今頃、まだケータリングビジネスをしていて、毎日寿司の朝の仕込みをしていた。早朝、一人でキッチンで聞くポッドキャストは、読書する楽しさに匹敵した。情報のインプットを、本来なら、仕事と云うタスクをこなす時間でありながらできるのは、一石四鳥くらいのお得感がある。 今年は、ロサンゼルスマラソンにエ

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          スポーツジムの暮らし方 ⑴ note 53

          #買ってよかった2015 ハッシュタグイベントへのポストです。  先週、スポーツジムのメンバーになった。2ヶ月フリーというメールにつられて、話を聞きに行ってみたら、1年分の会費を一括払いしたらという条件つきであった。そんな金、クリスマス前に出せない。2ヶ月に反応してしまったのは、2カ月後にあるロサンゼルスマラソンにエントリーしてしまったからだ。膝の調子が悪くて、1カ月近くトレーニングを休んでいたため、トレーニングを再開して、その当日まで維持するには、最適なオプションだと直感

          スポーツジムの暮らし方 ⑴ note 53

          「クラッシー」オタク女子の台頭 note61

          やってしまった。。。 シリーズもののドラマを、寝ずに最後まで見てしまったのは、ナイトヘッド*以来だと思う。見てしまったのは、「Atelier 」、原題は「アンダーウエア」。絶対、アトリエの方が響きいいですね、英語的には。せっかくNETFLEXで、全世界で見れるのだから、タイトル、もう少し最初から考えてほしかったかも。 それはさておき。今日は、主人公の繊維オタクというキャラクターについて。 最初のエピソードでの、布を胸に抱いて目をつむる姿に、はっとする。 正にコンマリこ

          「クラッシー」オタク女子の台頭 note61

          自分との約束 note62

          遠い昔に、自分と約束したことを、この度、実行することになった。 絵を描き始めること。 大学受験で、芸大をとりあえず受けて、落ちた後に決めたこと。「本当に描きたくなったら、いつでも自分に描き始める事を許す」 と自分に約束して、35年。その間に、多分、30以上の仕事をした。 で、結果、絵が描ける環境を自然に作っていたということに、絵を描き始めると決め手から気づいた。 そうか。約束は、実は、絵を描かない理由を取り除くという決意だったのか。 走ることも同じかも。さて、LA

          自分との約束 note62

          クラス漫画 note73

          コンマリメソッドで、本の整理中。 娘が今日、自分の本を取りに来るというので、持っていかれる可能性のある「ちびまるこちゃん」を拾い読みしてる。笑いのツボがはまり過ぎる。同世代なので、時代背景もわかり過ぎてヤバイ。 リハビリで、先月から、フリーペーパーに4コマ漫画を描かせてもらい始めたが、一番、こういう時に手っ取り早いのが、自分の周辺のことを題材にしたコミックエッセイっぽいもの。まるちゃんの絵も参考になる。 多分しばらくは、この系で手を慣らしていく感じだけど、せっかくなので

          クラス漫画 note73

          自分の学校を作る note81

          このところ、気分は学生。 体の使い方を習うアレクサンダー・テクニークの個人セッション、再開したお習字、アメコミの仲間が集まるコミッククラブに、自主学習で漫画の勉強。 パサデナにいる時に、コミュニティカレッジでスペイン語のクラスを取って、勉強する贅沢さに「これは老後にとっておこう」と思ったのが22年前。 でも、この歳になって、まだまだ勉強したいという気持ちが変わらずある。 時間が比較的自由になる仕事をしていると、こうして次の仕事のための準備が出来るわけで、そう考えると、

          自分の学校を作る note81

          「からだ」という答え note 82

          いてて。。。 朝起きて、右肩の背中が寝違いをしたのか、引きつっているのを発見。昨日、アレクサンダー・テクニークの三回目のセッションを受けて、肩の力を抜くことをずっと意識してたのだが、寝た途端に、普段のクセが戻ってしまったせいかも知れない。 このアレクサンダー・テクニークのことを知ったのは随分前だが、始めてすぐに、これが今の自分に必要なことだというのがわかった。 いろんな知識をインプットしても、自分の思考のクセは、その新しい知識も、その思考回路の中で、古いモノにしてしまう

          「からだ」という答え note 82

          FOOD On The Road note 86

          3年持ってたフードトラックを売ることにした。理由はいろいろあるが、実際にやってみて、自分に向いてないことがよくわかったというのが一番大きい。気がついてよかった。笑  ここまで手放すのをためらった理由を考えてみると、やっぱりフードトラックのカルチャー自体はすごく好きで、自分で現場に立つのは向いてないけど、関わり方を変えて、これからも付き合っていきたい業界なのだ。 その第一歩として、今、チャノマハウスに、毎週金曜日、LAのフードトラックの火付け役とも言える韓国BBQタコスのK

          FOOD On The Road note 86

          「大丈夫」という武器 note 83

          ここんところ、連れ合いがはまっているのが、バイキングというNetflexのドラマ。これが生々しくて、あー、この時代に生まれてこなくてよかったとしみじみ思ってしまうような蛮族ぶり。 一族の決まりで、主人が亡くなれば、使えていたメイドも一緒に死んだり、自分の身内や優秀な戦士でさえも、その掟によって、生贄の対象になることもある。それを何の疑いも持たずに受け入れる生贄たち。 ひとりの戦士が、生贄として首を切られる前に、残った家族や仲間に目を向ける。迷いのない目。むしろ誇りさえ感じ

          「大丈夫」という武器 note 83