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イタ人。

「イタ飯食べてイタリア人!」

そのキャンペーンが始まったのは、パンデミックが3年の月日を経て、やっと収まってきた頃。私は、迷いなく、イタリア政府の募集するイタリア人になるための国家試験に挑むことにした。コロナウイルスの打撃によって、特に、イタリア文化を維持していくことを危惧した政府によるアイデアであった。が、最終審査まで残ったにもかかわらず、私は落ちた。

理由を聞きたい!とイタリア大使館に怒鳴り込んでいった。たじろいだ受付の人が、上司に聞きに行って、再び戻ってきた。彼女の手には、パスタが乗っていた。

「もう一度、チャンスを与えてもらえました。このパスタをここで食べてください。」

数日後、合格通知が届いた。「あなたの怒鳴り込み方は、まさにイタリア人でした!」

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