ミライのキャリア#10都会と地方
働く場所の違い
【えりな】
今回は、都会と地方、働く場所の違いの話です。
【Caol】
まず、どこで生まれ育ったかによって、どういうキャリアを選択するか、という判断に影響をあたえますよね。パーソナリティ3人の共通点として、高校まで地方で育ち、東京の大学に進学して、都会で仕事をしている、という共通点があります。
【ホリデー】
えーと、は宮崎の片田舎から東京に出たんですけど、かおる先生は仙台でしたっけ?
【Caol】
他の地方の人に伝えるのが大変なので、仙台という通りのいい都市名を使いますが、実際は宮城県の岩沼市という人口3万人の町の出身です。ま、仙台一高という仙台市の高校に行っていたので仙台と言えなくはないのですが。
【ホリデー】
あ〜!そうだった!岩沼市!遊びに行ったことあるもんねw忘れてた。えりなちゃんは出身どこだったっけ?
【えりな】
私は千葉県の南房総というところです!千葉というと都会の印象を持たれるのですが、某ランドに日帰りは憚られるような千葉の端っこです。ものすごい田舎で、人口は岩沼市と大体一緒くらいですね。
【ホリデー】
「市」なのに、ものすごい田舎って言うな!そういえば、何回か前に出身地の話したよね。もう忘れてるw
地方で良く聞く職業選択の話
【Caol】
で、ネットで良く見聞きする地方の話は、大学など高等教育に理解がない。とか、中学の同級生で大学院に行ったのは私だけ。とか、電通、そんな会社知らない。倒産しない?大丈夫、とか。
【ホリデー】
僕、電通に入社した時に、地元の叔父から「おまえ、美大まで出て電気通信の会社でなんすっとか?」って言われましたよwまあ、でも僕も電通の存在知ったの予備校の時だからなあwそんなもんですよね。
【えりな】
私も家系で大学に行った最初にして唯一の人間です。ホリデーさんと同じく芸術の大学だったので、親は親戚にも言えないという状況でした。
今いるところが全てではない
【Caol】
周囲の環境からの影響はとても大きい。これからキャリアの選択をする人、とくに特に地方にいる人に伝えたいことがあります。それは、
「今いるところが全てではない。」
【ホリデー】
あ〜、わかるわぁ。
【Caol】
住むところ、仕事をするところの差はとてもあるし、今いる地域が絶対で、これしかない、と思うことは間違い。世界はひろいよ。
【ホリデー】
いや、ほんと。わかりみがすごい。
【えりな】
私も中学生の時、これしかないと思って辛かった〜!親とか先生が田舎の価値観で進路のこと心配したり反対したりしてきて…
【Caol】
それ、中学の時だけでなく、いまもありません?
【えりな】
あります!ありますよね〜!
田舎に戻るとね、街の人から今東京で何しているの?って恐々聞かれたり、なんの悪気もなく「えりなちゃんそろそろ結婚だよね!?彼氏できたでしょ〜連れてきてよ〜」と言われたり。
【ホリデー】
ああ、そういえば、大学の時に、地元に戻ったら、友達から「へ〜。浪人して大学まで行ってお絵描きしてるんだ」って皮肉っぽく言われたの思い出したw
べき思考
【Caol】
こういう人には悪気はないのですが、「べき思考」が強く、それしか言えない。べき思考とは「〜すべきである」「〜しなければならない」「〜してはいけない」という思考のこと。
【ホリデー】
安定した道を歩むべき、とか?いい歳になったら結婚すべき、とか?遠足のおやつは五百円内にすべき、とか?
【Caol】
そうですね。それ自体、正論といえば正論ですが、そうするしかない、というと違うでしょう。最後のはとてもべき思考で、500円という根拠はどこにもないでしょ。でもそういう人は500円以内、という強い信念を持っている。そして500円の根拠を聞かれても答えられない。
【えりな】
私はバナナはおやつに入れないべき、ですけどね。
【ホリデー】
僕もです。
【Caol】
わかったわかった。で、このべき思考。大なり小なり全ての人が持っている思考ですが、強すぎると「認知の歪み」という偏ったものの見方しかできない状態になる。認知行動療法という心理療法の考え方により明らかになった思考法。他者から言われてきたことの影響は大きい。背後には「信念」がある。信念とは、根拠はないが、強く信じていること。こういう人は、根拠のない自分の信念に基づく話しかできない
【ホリデー】
なるほどなあ。それが地方の人は強い、ってイメージは確かにちょっとある。【Caol】
集団が小さいと声が大きい人の影響って大きくなりがちですよね。
【ホリデー】
いるよねえ。声の大きい人。まあ、でも地方にだって、そういうべき思考からちゃんと離れてる人だって沢山いますけどね。人によりますよね。
【えりな】
そういえば、高校で私に今も忘れられないことを言ってくれた先生がいましたよ。社会の先生だったんですが、授業中にみんなに
「いいかお前ら。進路を考えるのに、親や他の先生から、田舎で家をつげやら、この地域の公務員になって安定しろやら言われるはずだ。無視しろ。東京でも好きなところにいけ。この田舎を出たら、この地域の見え方が変わる。それでここに戻ってきたいやつだけ戻ってきて欲しい」
っていったんです。
【ホリデー】
おお〜!かっけえ!
【えりな】
救われましたね。その先生には担任とか全く関係ないんですが、東京の藝術の大学に受かったことを報告しました。「名門によくぞ」と硬い握手をしてくれたんですよ、あれはかっこいい大人でした。
【Caol】
それはよい大人ですね。このべき思考は、育ってきた環境から影響されますし、関係の強い人、親などからの影響もあります。自分自身にもこの「べき思考」がないかは、疑ったほうがいい。なぜ疑う必要があるかというと、自分の判断に無意識に影響を与えているから。
【ホリデー】
僕の場合は、僕が美大に行きたい!デザインやりたい!って言った時に、うちの親が「だったら情報の集まる東京に行くべき!」って、べき思考を、自分の可能性を広げてくれる方向に発揮してくれましたけどね。これには本当に感謝してます。【Caol】
それは良い。べき思考のどこがよくないかというと、思考の柔軟さが失われるから。一種の思考停止状態になることですね。ホリデーさんの場合、可能性を広げたので、認知の歪みとしての「べき思考」ではなかった、とも言えます。
【ホリデー】
あ、なるほど。確かに。
クリティカルシンキング
【Caol】
で、そんなべき思考に個人が対処するためには、クリティカルシンキングが必要ですね。クリティカルシンキングとは、「与えられている現状・問い・条件について物事の本質を見極め、「本当にこれで良いのか」と前提から疑う思考法」。前提を疑ってみる、というのがポイント。
【ホリデー】
クリティカルシンキング、って、サラッと話してますけど、このテーマだけで全10回くらいの講義開けるくらいの内容ですからね、それw
【Caol】
いいですね。それは第2シーズンでやりましょう。
【ホリデー】
つまり、どうしたらいいんすかね?w
【Caol】
とても単純化すると、話をはいはいと聞きながら「ほんとかな?」と疑うこと。自分の考えにこの突っ込みができるとOK。
【ホリデー】
さっきので言うと、おやつは別に五百円以内じゃなくても良くない?ってことですね。
【Caol】
そうですね。そして、500円以内という根拠はなんでだろう?と考えられるといいです。
【えりな】
バナナをおやつに入れる、のはやめてくださいね。
【ホリデー】
お互い遠足から離れようかw
ソクラテスの対話
【Caol】
余談ですけど、こういう思考法は哲学という学問で徹底的にやります。リベラルアーツが大切というのは、こういうところにも現れますね。ギリシャだとソクラテスがこれですね。で、ソクラテスは対話というのを重視しました。クリティカルシンキングをちゃんと実践する方法の1つとして、誰かと話をすることによって自分の「べき思考」を明らかにしていく、というやり方があります。
【えりな】
なるほど。そう言うべき論から離れる思考のテクニックを身につけることによって、自分のキャリアの可能性を的確に広げることができるよ、って今日はそう言う話ですね!!
【Caol】
そうです。
【ホリデー】
まとめた!wえりな、できる子!
【えりな】
これからの人生の選択にも「ほんとかな」を忘れないようにしていきますね。今回は地方出身者の方は特にささる内容でしたね。
次回は、国家と地方、公務員の違いの話です。
第2第4月曜日にPodcastを配信
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