「忙しい」を盾に友達を避けてきた
コロナが広がって、外出を自粛する人が増えた。
面倒臭がり屋な僕はスーパーと床屋以外に外出することが無くなった。
4月の大学の講義が入ってから僕は友達と会っていなかった。
夏休みに入る直前、2人の友人が久しぶりに僕をドライブに誘ってくれた。
「大丈夫かと思って誘ってみた!(笑)」
「いや、大丈夫よ、、、うん、本当に!」
「いや、ねぇ、本当に大丈夫??」
「大丈夫だって!」
「外出した?」
「いや、忙しくて全然外出していない」
「ねぇ本当に大丈夫、友達いる??(笑)」
「そんなの、いるに決まってるやろ!」
「自分から積極的に誘いなよ!」
「わかってるし」
高校まで交友関係は狭いほうではなかったが、大学で上京し、授業、バイトと予定が詰め込まれたスケジュールの中で、友達関係を次第に「今忙しいから」との言葉で全て片付けていた。
一人で過ごす、何も考えない自由で楽な時間が欲しかったから。
友達からの誘い受けても、適当な用事を作って断っていた。
「ごめん、用事があるわ。また今度!」って。
2人の友人と遊んだ夜、なぜか晴れない気持ちがして、家に帰って布団の中でぼーっとしていた。
友人の「友達いる?」って当たり前の質問がずっと頭に引っかかっていた。
俺には何人の友達がいるのだろうか、、、。
小学校から高校までずっと仲良かった親友とのLINEを開いた。
誘いを断ってからもう2年も連絡が途絶えていた。
昔仲良くしていた野球部の仲間との連絡ももう3年半途絶えていた。
インスタのストーリーで身近な存在だと感じていた親友とのキョリを初めてとても遠くに感じた。
自分が適当に用事作って断っていると、次第に誘われる回数が減る。
コロナの状況下では、誘われる人間は自然と限られる。
僕は友人に誘われなくなっていた。
知らない間に友達を失いかけていた。
上京するとともに、福岡で一緒に青春した仲間と疎遠になっていた。
はっ、とした。
1週間後に迫る夏休み、僕は1か月の長期帰省をする。
昔の仲間に会いに行こう。そう決めた。
僕は片っ端からLINEで連絡を入れてみる。
返信はまだ来ない。
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