膵臓がんでの化学療法~しっかり歩けるようになるために~
ルネサンス運動支援センター、大阪国際がんセンター認定がん専門運動指導士の「ひとみん」です。
※名前をクリック頂ければスタッフの紹介に飛びます。
今回ご紹介するのは60代女性。
なるべく家族に迷惑をかけないように自分のことは自分でしたい。だから、筋力や体力をつけたいという思いで始められた運動。
以前から習っておられたフラダンスも続けられ、発表会にもチャレンジすることができるくらい体力も回復されています。
どのような運動をしたのか、運動することでの変化をまとめてみました。
【運動のきっかけ】
抗がん剤の副作用で手足のしびれや足裏の違和感で歩きづらさがあり、このままだと歩けなくなるのではと不安を感じ、見学に来られました。
まずは現在の状況を確認するために「がんロコモテスト」を実施しました。
がんロコモとは・・・・・
「がんロコモ」とは、がん自体あるいは「がん」の治療によって、骨・関節・筋肉・神経などの運動器の障害が起きて移動機能が低下した状態です。
進行すると、日常生活が不自由になり、介護が必要になるリスクが高まるだけでなく、がんの治療自体にも影響します。
☆詳しくはこちらから☆
測定の結果「ロコモ度1:移動機能の低下が始まっている」という状態でした。
☆ロコモ度チェックの詳細はこちら☆
ご本人も結果を見て「これはやはり脚の筋力をつけないと…」と、運動しようという気持ちが高まり、化学療法の治療のタイミングに合わせて3週間に1度の運動がスタートしました。
【運動の内容】
ストレッチポールで身体の緊張を緩めた後、肩甲骨周辺を動かす動き、足裏をボールでほぐす、脚全体のストレッチなどを行い、下肢筋力向上や歩くためのバランス力向上の運動を実践しました。
具体的にいくつかご紹介します。
■ワイドスクワット
■カーフレイズ
■スクワットニーハグ
【体の変化】
運動を始めた頃は、スクワット10回も大変なくらいでしたが、1年経った今では2㎏のダンベルを持ってスクワットを行うことができるくらい筋力がついてきました。
「歩いていてもフラフラする感じがなく、しっかり歩けるようになりました。」
「今までは車を使うことも多かったのですが、不安が減ってきたので、駅まで歩こうと思うようになりました。」
と嬉しそうにお話ししてくださいます。
また、以前からずっと続けておられたフラダンスの発表会も「出れるか不安」と仰っていましたが、無事に発表会に出ることもできました。
発表会に向けて練習がとても大変というお話も聞かせてくださいました。そんな中も、休まずに運動に来られたことがすごいと感じています。
【あとがき】
化学療法中は、体調の変化や気持ちの波にうまく付き合いながら治療を続けることが必要になります。
「ずっと(化学療法を)頑張ってきているから今の身体の状態を保てていると思うけど、この先も治療が続くのかと思うと疲れてしまう時がある。そんな思いは、家族や友達にも話せない。でも、ここにきて話すことで気持ちが楽になるし、運動することでとてもスッキリする。私にとって、ここ(支援センター)があることがとてもありがたいです。」
と話してくださったことがとても印象に残っています。
私たちは、ただ運動を提供するだけでなく、たくさんお話をしながら皆さんの想いや気持ちに寄り添うことも心掛けています。
治療中の身体や心の状態に合わせて、頑張れる時もあればゆっくりペースで動いた方が良い時もあります。そんな時々に合わせた運動指導を行っています。
「治療中だけどどんな運動をしたらいいのかな。」
「そもそも動いてもいいのかな」
「体力が落ちてしまって不安…」
と気になる方は、ぜひ一度気軽にご相談ください。
がんロコモ測定も実施しています。
☆各種、体験はこちらからお申し込み・お問い合わせください☆
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