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悪性リンパ腫 復職のための体力回復と子供の卒業式にでるために ~がんになってはじめた運動~

ルネサンス運動支援センター、大阪国際がんセンター認定 がん専門運動指導士の「むう」です。
※名前をクリック頂ければスタッフの紹介に飛びます。

悪性リンパ腫の50代女性。
落ちた体力を回復させて、お仕事の復帰と息子さんの卒業式に自分の脚でなんとか行きたいという目標をお持ちのご利用者様をご紹介します。

目次

  1. 【運動をしようと思ったキッカケ】

  2. 【おからだの状態】

  3. 【仕事復帰までの運動内容】

  4. 【体力の変化】

  5. 【あとがき】

【運動をしようと思ったキッカケ】

悪性リンパ腫と診断され、入院期間中抗がん剤の影響で1カ月ほど寝たきりになり、その間に体重が10kg近く落ちました。

退院後10カ月くらい経過しているにもかかわらず体力が回復せず、
「仕事に復帰するが体力がついていかないのでは」
と心配になり、ルネサンス運動支援センターへご相談いただきました。

運動歴は罹患まえにスポーツクラブでヨガをしていたのと、筋力トレーニングは病院のリハビリにて少し行ったくらいで、ほとんどされたことがありませんでした。

関西ではない地域にお住いの方のため、Zoomを利用してのオンライン個別指導を行うことになりました。


【おからだの状態】

体験を受けていただいた時は、経過観察中の状態で血液検査の結果も安定しておられていました。

ただ、階段を昇るときも手すりがないと怖い状態で、すぐ疲れてしまう。
また、長い間座っていると腰やお尻が痛くなりお仕事がデスクワークということでとても不安を感じておられました。

お尻がやせて痛くなるということもありましたが、筋肉が落ちたことで座っていても脚の踏ん張りがきかず、正しい姿勢に維持することができなくなっており、お尻に負担がかかっているような状態でした。

さらに、寝たきりの期間にひだりの足首が固まり、正座ができないくらい足首が伸びない状態となった上、副作用の手足のしびれもあり、歩くことをとても不安に感じておられました。


【仕事復帰までの運動内容】

運動開始からおよそ2カ月後に仕事復帰を予定されていたので、

  • 通勤の電車で片道約15分立っていられる持久力の強化

  • 全身の筋力アップ特に下半身と体幹の強化

を目標に開始しました。

最初は2週間に1回のペースでオンラインセッションをスタートしました。
はじめの頃は全身の関節を動かしやすくするような、ほぐしのエクササイズを中心に実施。
30分程度ゆっくり一緒に実施してみると、すでに「へとへと・・・」という状態でした。
明らかに運動耐容能(持久力などの能力)が落ちていましたので、ご自分でも自主トレーニングを毎日していただくようにお話ししました。

自主トレーニングとして、すでにご自分で始められていた、ウォーキング(ゆっくり40分)に加え、5~6種類のストレッチと仰向けの状態でできるエクササイズを毎日していただくことにしました。

股関節の開閉運動
股関節の曲げ伸ばし

【体力の変化】

運動を始めて1ヵ月位した頃。
自主トレーニングを頑張ってされている成果からか、ゆっくり60分間運動することができるようになり、さらに体幹の筋力トレーニングもできるようになってきて、明らかに持久力がついてきている様子でした。

いよいよ2カ月がたち、職場復帰。

「仕事中は大丈夫だった、通勤も何とか大丈夫でした」とうれしいお言葉。
ただ、お仕事後2-3日は動けないくらい疲れた。
体力的にも精神的にも疲弊した。
ということで、まだまだ頑張らないとと引き続き介入していくことに。

運動介入から4カ月ほど経った頃。
「3カ月後に子供の卒業式があり、学校までかなり傾斜のある坂道を登らないといけない。自分の脚で行きたい」と。
聞けば、健常な方でもしんどそうな急な坂。

そこからはさらなる挑戦として、ウォーキングをインターバル速歩にしたり、脚、体幹、お尻の筋力とレーニングをどんどん追加していきました。

脚の筋力トレーニング

3カ月間、体調の上がり下がりはありつつもしっかり運動を続けられ、いよいよ卒業式当日、ご家族の助けもあり、しっかり参加することができたと嬉しそうに教えてくださいました。

【あとがき】

現在も筋肉をもっとつけたいということで、月1回のペースでオンラインセッションを続けておられます。
今では、腕立て伏せなどの上半身の筋力トレーニングも追加し全身の筋力トレーニングを実施して頑張っておられます!

こちらのご利用者様とのセッションで感じたこと。
それは、
「目標」をもつことが大事
ということ。

壮絶な治療を受けられ体力がものすごい勢いで落ち、ご自分の体なのにどうなっているのか、どうしたら良いのかわからないという状態になる方は少なくありません。

ご自分が「どうなり、何をしたいのか」をしっかりお持ちになり、私たちにご相談いただければ着実に1歩ずつ前にすすめると思います。

私たちは、お一人でも多くのがん患者さん、経験者さんが元の生活に戻るためのお手伝いをしたいと思っています。

体力に不安を感じ、職場復帰や元の生活に戻ることを目指されている方、ルネサンス運動支援センターの扉をぜひ叩いてみてください。
あなたにとって良い方法を一緒に考えさせていただきます。


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