見出し画像

若者のトランスジェンダーケアについて

クレア・マッカーシー医師の記事をもとに考察しました。


2SLGBTQAI+の意味

トロントのあるオンタリオ州は他の州に比べ最も早い2003年6月に合法化しています。

LGBTQまでだったら、日本人でも知っている方は多いと思いますが、
2S、A, I の解説も補足しておきます。

2S・・・two-sprit(男と女、二つの魂をもつ神から祝福された特別な人間であるという先住民の同性愛者観)
L・・・レズビアン
G・・・ゲイ
B・・・バイセクシャル
T・・・トランスジェンダー
Q・・・クィア or クエスチョニング(セクシュアリティのアイデンティティについて未確定の人)
A・・・アセクシュアル(性的欲求や恋愛感情を抱かないセクシュアリティ)
I・・・インターセックス(中間的な性を表す言葉。身体的性で男女両方の性別を持っている)
+・・・セクシャリティの多様性を表現。その他にも様々なセクシャリティがあることを意味している
今年に入ってからトロントの図書館や、ショッピングモール内のトイレは男女共用にほぼ変更されており、私としては便器周りの汚れが気になってトイレ使用するのが少し怖く感じるようになってしまいました汗。。

ジェンダーを肯定するケア

毎年6月はプライドマンスで恒例のPride Parade!!が開催されました。

そもそも、プライドパレードの使命・価値観は何なのか?
どんな人を愛し、どのように自己を認識するにせよ、あなたは安全であり、価値があり、平等であり、誇りに思うことができますというビジョンのもとスタートしています。
自由、愛、表現、理解に価値を置いていて、それぞれを要約して解説すると自由:恐怖や抑圧から自由になり、本当の自分を自由に発見し愛する権利があり、すべての人の自由を尊重し、促進するために取り組んでいます。
:あらゆる交流において、手段であり目標として愛を貫く。
表現:お互いの意見に耳を傾けるように努めています。
理解:理解することで、私たちはお互いを知り、思いやりを持つことができるようになります。
これらの価値観は、人間として、人種や年齢、性など関係なく共通の価値観だと私は考えます。日本は特に、ジェンダー以前の問題に真剣に取り組まない傾向があると思います。

若者がジェンダーを肯定するケアを受けると、精神的健康に大きな違いが生じ、それは身体的健康にも同様に大きな変化をもたらします。ジェンダー肯定的なケアにはホルモン療法や手術が含まれる場合がありますが、主なポイントは、ジェンダーに不適合な若者とその家族を、彼らのニーズを理解する医療提供者のチームでサポートすることです。こうしたニーズを否定すること、あるいはさらに悪いことに、子どもや十代の若者たちに異なる性別表現をさせない、あるいは思いとどまらせるために「修復」療法や「転換」療法を使用することは、効果がないだけでなく、実害を引き起こす可能性があります。

どのくらいの割合で存在するか

十代の若者の0.7%がトランスジェンダーまたは「ジェンダー非適合者」

これは各高校に約 5 人の生徒がいることに相当します。この数は無視するには大きすぎますが、排除されたり軽蔑されたりするには十分に小さいです。

そしてそこに危険が潜んでいます。研究によると、性別不適合の十代の若者は8歳ごろに自分が「違う」と感じていることに気づくが、通常は約10年間は​​それを明らかにしないことが示されている。それは、彼らが間違った体にいると感じ続けた10年です。そして、彼らが明らかにするにつれて、または周囲の人々が自分たちが違うことを感じ始めるにつれて、いじめや社会的孤立に直面することになります。これは代償を伴います。

ジェンダー不適合の若者は、ジェンダー不適合の若者に比べてうつ病や不安症のリスクがはるかに高いだけでなく、自殺を考えたことがあると回答した若者が56%、自殺しようとしたことがあるのが31%と数字で見ても分かるとおり無視できない問題です。​​

この研究は、ジェンダー不適合は精神的健康上の問題の結果ではないことを示しており、この人々に非常に一般的な精神的健康問題は、自分が間違った体にあると感じたり、他人からどのように扱われたりするかによって生じます。

米国小児科学会(AAP) と米国精神医学会が、ジェンダー不適合の若者には保護だけでなく、ジェンダーを肯定するケアが必要であると強く感じているのはこのためです。ジェンダー肯定的なケアは、性別に不適合な青少年が自分らしくいることをサポートする、証拠に基づいた発達上適切なケアです。このケアは、多様な性表現は精神的健康障害ではなく、人間の自然な多様性の一部であるという理解に基づいています。

ジェンダーを肯定するケアの必要性と重要性

医療提供者のチームでサポートすること

若者がジェンダーを肯定するケアを受けると、精神的健康に大きな違いが生じ、それは身体的健康にも同様に大きな変化をもたらします。ジェンダー肯定的なケアにはホルモン療法や手術が含まれる場合がありますが、主なポイントは、ジェンダーに不適合な若者とその家族を、彼らのニーズを理解する医療提供者のチームでサポートすることです。こうしたニーズを否定すること、あるいはさらに悪いことに、子どもや十代の若者たちに異なる性別表現をさせない、あるいは思いとどまらせるために「修復」療法や「転換」療法を使用することは、効果がないだけでなく、実害を引き起こす可能性があります。

私が毎年6月になると感じることは、すべての人が自分を変えるのではなく、ありのままの今の自分を愛すること。そして、もし必要であれば、ケアなどのサポートを受けるのは基本的人権として当然の権利だと思う。

そして今生き辛いと感じるのであれば、、行き易い場所で生活することは逃げではなく大切だという思いをよび起こしてくれるのがこのプラウド月間だと思います。

出産すると親になるけれど、親になるための学校や勉強なんて習ってこなかったよね。でも今振り返ると、子供と一緒に成長できた気がします。