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BARへの道のり

自宅近くに、BAR兼レストランが出来た。

小さなお店で、店内飲食の他、パンと焼き菓子の販売も行っているらしい。

普段から外食をあまりせず、下戸の私は、BARやPUBには縁がない。

店内が広いカフェやファストフード店、ファミレス、何度か入って馴染みのある飲食店は抵抗なく入れるのだが、こじんまりとした個人経営で、お酒を提供するお店は、デラックスに見せるためとはいえ、照明が暗く、何だか恐いイメージがある。

私が初めてBARに入ったのは、4才頃のこと。

私の本名の下の名前が店名になっているBARを偶然見つけた叔父に連れられて行ったのが、私の記念すべきBARデビューとなった。

カウンター席に案内され「当店で一番若いお客さまです!」と、私にはオレンジジュースが振る舞われた。

裏路地にある小さなBARだった記憶がある。

検索してみたが見つからず、現在もあるのか不明だ。

今の場所に住むようになって長く、少し歩けば、せっかくお洒落なBARやPUBがたくさんあるのに、考えてみたら、入ったことは一度もない。

もったいないと思うが、私にとってBARやPUBは敷居が高く、大変な勇気を持って入るところなのである。

まるで私の勇気を試すかのように、先ごろ開店したBAR兼レストラン。

お昼過ぎ頃から開店するようなので、明るい時間帯で、お客さんのあまりいない時を狙って、一度入ってみようか…。

どうしても中に入るのが無理なら、まずは手始めに、テイクアウトのパンか焼き菓子を買うところから…などと考えながら、今日もそのお店の前を、横目で見ながら通り過ぎるのである。

BARは手の届く場所にいくつもあるのに、そこへの道のりは、私にとって、まだまだ遠い。


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