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シスターの淹れたお茶

不思議なご縁で頂いた一杯のお茶。

恐らくロシアンティーだったと思う。

今まで飲んだ中で一番美味しかった、忘れられない味。

検索したところ、本来のロシアンティーの楽しみ方は、ジャムを口に含んだ状態で紅茶を飲むらしい。

私が飲んだお茶は、紅茶の中にあらかじめ濾したジャムを入れたものだった。

あの日は、実家にやって来たお客さまが、知り合いのシスター(修道女)のお見舞いに行くというので、妹と2人で自動車で送迎することになっていた。

1時間程度の訪問ということで、送迎のみのつもりでいたのだが「内緒話ではありませんので、一緒にどうぞ。」と言われ、ご相伴にあずかることになったのだ。

そこで出されたお茶と、シスター手作りのフルーツケーキ。

あのお茶は、今まで飲んだ中で、最高の味だった。

午前中だったので、お茶の時間には早かったが、朝から堪能してしまったティータイム。

何とかあの味を再現してみたいと自分でも試しに作ってみたが、どうしてもあの味にならない。

芳醇で、不思議な甘さのある、温かいお茶。

もう一度、あの幻の味に出会えるだろうか?

確か、あの日も夏だった。

真夏の陽射しが厳しい中、ふと思い出したあの味。

もう一度、出会いたい。

形のないあの味に。

またいつか、きっと、どこかで…


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