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創作の糧(皆様の気になった記事を紹介)

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ライティングや創作のヒントになるような記事。特に再読したい記事をスクラップしています。素晴らしい記事を集めています。ご参考になれば幸いです。
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#日記

言葉はどこに

ボードレールは、「詩人が一人の批評家を含まないことは不可能だ。私は本能にのみ導かれる詩人たちを憐れむ。私は彼らを不完全なものと思うのだ」と言葉をのこしたし、「哲学について勉強するのではなく、自分で哲学しようとすれば、哲学でも芸術論でも同じことだ。丁度、あなたが彫刻を作るのと同じだ。それは、哲学論文風にではなく、詩のようにしか表現出来ないものだ。ぼくら文筆家にとって、言葉は粘土のようなものだ。それをこねあげて、真実に迫る。それは詩人の仕事です」と矢内原伊作が言うと、ジャコメッテ

星野くんの「二塁打」/道徳に反して成功した人を評価すべきか

ご存じですかね、星野くんの二塁打。 道徳の授業で取り上げられていたらしいので、ご存じの方も多いかもしれません。わたしの記憶には凄く、薄く。通っていた小学校では取り上げられていなかったか、もしくは道徳の授業が退屈で聞いていなかったかで、どこかで聞いたことあったかもなー、レベルでした。 舞台は旧制中学での甲子園をかけた野球の試合の一幕でして、授業では、監督の指示に従わなかった星野くんは正しいか否か、みたいなことがテーマになることが多いようです。 要約はこんな感じ ・1 R

俳句の4つの型と切字 「20週俳句入門」藤田湘子著より

藤田湘子は、大正15年(1926)神奈川県小田原生まれ。俳句は16歳より水原秋櫻子に師事。23歳で「馬酔木」同人。その後石田波郷の後を受けて「馬酔木」編集長もされた方です。 以前私が、日本語上級学習者に3回シリーズで俳句講義をした際に、プレバトの夏井いつき先生の「世界一わかりやすい俳句の授業」という本にあった「俳句の型」を参考にさせてもらいましたが、この本の中で夏井先生は「私は俳句を始めたころにこの『20週俳句入門』を何度も読んで勉強した」と書かれています。 今回「20週

フキフキ。

小説を書き始めて三年目。去年の今頃は応募作品のことばかり毎日考え、仕事にも支障が出そうな時がありました(いや多分出てたと思います。スミマセン)。 重要 小説を書き、何かの賞に応募する際、とても大切になってくるポイントがあります。それを伝えたいと思います。 当たり前のことかもしれませんが、なんにでも守るべきルールがあります。私はその中で、二つの大きなミスをおかし、一次通過発表の間まで後悔と不安に苛まれました。 もっと本を読んでいれば自然と防げていたことでもあり、あらかじ

スポンサー

スポンサー 私はドラマーになりたいと思っていた。また、なれるとも思っていた。しかし、上には上がいることを思い知らされた。私ぐらいの叩き手は五万といる。 今は、サイレントドラム、音が出ないドラムも普及し、子供のうちから、また、年をとってから惚けを防止するためにドラムを始めるケースもよくある。ドラム人口が増え、曲芸のような難しいドラムを小学生が難なく叩く時代だ。 そして、夢が揺らぎ、今度は、書き物を生業にしたいと考え始めた。ところが、長い物語は一向に書けず、そのまま三十年が

「道徳」について

別に国粋主義者ではない、というか、何で道徳は右傾化と結びついているのだろう。戦前の「修身」を思わせるからだろうが、私は純粋に学校の教科として道徳が好きだった。というより、道徳の教科書に出てくる話が好きだ。 そこで主題になるのはたとえば公共心だったり、嘘について、職業の貴賤について、いじめについてなど。さまざまな事柄について投げかけてくる。この投げかけは答えを各自に考えさせるように尻切れで善悪の判断まで提示しない。つまり、事案を読ませ、それについて各自考えさせることで、道徳心

掛け算

濁る恐怖に未だに控えめな私は 奥底からやってくる不自然に疑問を持つようになった。 理解出来ない頭の中を撫でて可愛がる。 穏やかな月を眺めていた時私は掛け算をした。 私と月を掛けたくてまた解けない問題に遭遇する。 髪の毛からはネクタイが生えてきて ご満足前の表情を浮かべている。 空気は冷たく人通りの少ないデカイ公園に辿り着いた。 まだ17時なのに上を見上げても下を見下げても暗い。 壮大に緑に囲まれ木からは月の明かりが灯す。 歩いていたら現代の風を感じられる。 さようならと手を振

富士は裾野

富士は裾野 世界遺産になってから富士北麓の山梨側の富士がよくテレビに写るようになった。私は彼の地に短い間暮らしたので、テレビに知っている風景が写るたびに懐かしく思う。 富士はその雄大な中腹から山頂にかけては誰もが知るあの勇姿だが、私は本当の富士の雄大さは裾野にあると思っている。山中湖から見ると、富士の裾野が大きく広がっているのが見える。裾野は茶色く、荒涼として見える。 森林限界という物があるらしい。樹が生える限界の高さ。そのあたりを一度見るべきと彼の地の人に言われたがと

日本語文法における「は」と「が」 日本語文法ハンドブックVSニュー・システムによる日本語④

日本語文法ハンドブック スリーエーネットワーク社では、「もう一歩進んでみると」で、取り上げた文法項目が理論的にはどのように体系づけられるのか、研究者や参考文献を紹介しています。 日本語教育で広く使われているのは久野暲(1973)です。久野は「は」に「主題」と「対比」、「が」に「総記」と「中立叙述」という二つの機能を認め、「は」と「が」の用法を記述しました。「は」が旧情報を表し、「が」が新情報を表すという説も同書によって広まったものです。(267P) 「は」と「が」の使い分