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俳句マガジン 「ランタン」

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小生の処女句「ランタンはゆつくり灯る秋の雨」より。これから俳句を始める人や、句作に悩んでしまった人たちの、道を少しでも照らせたらと思う。
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#詩

沙々杯選者の一人、亀山こうきの特選6句の発表(亀山賞)

 投句数523という、前回大会白杯を超える規模の俳句大会になった沙々杯。ご参加いただきありがとうございました!俳人としてとても楽しい大会になりました。  ご投句いただいた句の中から、僭越ながら、小生が気になった句を6句紹介させていただきます。本当はすべての句についてコメントしたいのですが、至らぬ小生をお許しください。  それでは早速、 ・亀山賞(特賞)作者 菊池洋勝 さん  正直なことを言うとこの句を特賞にしていいのか、かなり迷いました。というのもこの句の作者がだれか

【句作のコツは、まとめず、散らすこと】俳句的を読んで(2章-10のまとめ)

 ずいぶん間が開いてしまったが、「思考の整理学」の著者、外山滋比古先生の「俳句的」のまとめである。今回は2章10項「放つ」についてのまとめである。そしてこれで2章のまとめ終了。ようやく半分。これだけ一冊に向き合ったのは初めてかもしれない。外山先生には直接お話を伺ってみたかった。  毎度おなじみの映画監督エイゼンシュタインのモンタージュ論が紹介されている。俳句と映画は近いものがある。今後はそのことを意識しながら映画鑑賞をしてみようと思う。 ・日本語非論理説(10項P95) 

【句集紹介】現代俳句文庫 茨木和生句集を読んで

・紹介 最近、奇をてらった言葉遣いの俳句に疑問を感じている自分がいる。初めのうちは「おお、こんな言葉も俳句になるのか!」「その視点の俳句は面白い!」などと感動した句たちが、同じ構文をぐるぐる回しただけの、ただの言葉遊びの羅列にしか見えなくなってきた。  もちろん、面白く感動するような、トリッキーな句もたくさんある。しかし、小生がかつて「俳句ってスゲー」と感動したものとは何かが決定的に違うような気がする。  そのもやもやしたものの正体は、今回紹介する茨木和生氏の句集を読んで

【告知】白杯という俳句大会がnoteで開催されます

 *こたつぶとんさん。画像お借りします!  先日、かっちーさんから「俳句の大会をやるので、選者やってもらえませんか?」と言われて、「OK」と何も考えずに即答してしまったら… これである。  かっちーさん。ちょっとどころじゃないですよ。滅茶苦茶大がかりじゃないですか……すごい規模ですよ。巷の俳句大会でこの規模のものはあんまり知らない……音楽もイラストもすごいのができてる……詳しくはすでにできているマガジンを見てほしい。  そこで、完全に虚を突かれた小生から、いつも小生の

房州オンライン句会 21年8月句会結果発表

 「房州オンライン8月句会」の結果を発表します。今回も当季雑詠・1人2句までの条件で募集いたしました。  参加者は16名で、計32句が集まりました。ご参加いただきました皆さん、ありがとうございました!  今回の天の座(得点1番)は7点句で1句。地の座(同2番)は6点句で2句でした。点数は参加者の皆さんに「特選1句=2点」、「並選2句=各1点」にて選句していただき、集計しています。  余談ですが数か月前まで「俳句って何?」状態だった人が、飛翔を遂げた句会になりました。本当

【企画応募】俳句連作5句「グリフィン」

日を求む村にグリフィン来たりけり王を討たん向日葵の中勇者行くグリフィンの翔ぶ自由とは勝ち取るもの地に堕ちて猶グリフィンの咆哮すグリフィンの眠りし大地麦は満つ 亀山こうき ↓こちらの企画に参加しています。

「第1回アポロ杯」夏の俳句5句

アポロさんが俳句の大会をnote上で開催されている。小生も参加のお誘い頂いたので、夏の俳句5句をここに提出する。楽しい句が多く投句されているようなので、小生もそれにならって楽し気な(?)句を作ってみた。 説教を受くため帰省してをりぬ裸子のぶらぶら歩く実家かなローンあと三十年や胡瓜揉む荷物番押し付けられて海の家カップルの痴話喧嘩聞くかき氷 8月9日 (月曜日) まで募集しているとのことなので、興味のある人は是非投句してみてほしい。 私信 アポロさん。俳句関連でお手伝いでき

俳句 20句(裏代表)

 新人賞応募のために、ここ1か月でつくった句を数えたら108句あった。煩悩だらけの小生に相応しい数である。賞に出すA代表と呼ぶべき20句以外から、出来はともかく、個人的になんか気に入った20句をここに選抜した。いわば裏代表である。完璧に個人の趣向や思い入れで選んでいて、推敲が甘かったり、「これ俳句?」みたいなものもあるがご容赦願いたい。 嬰児の前髪めける蕨かな 仮病して暮春の海に抱かれたり 段ボール崩れて春の海近し 菜の花や子に囲まるる曲芸師  春炬燵どの遺影にも猫

房州オンライン句会 21年7月句会結果発表

 「房州オンライン7月句会」の結果を発表します。今回も当季雑詠・1人2句までの条件で募集いたしました。  参加者は16名で、計32句が集まりました。ご参加いただきました皆さん、ありがとうございました!  今回の天の座(得点1番)は6点句で2句。人の座(同2番)は5点句で1句でした。点数は参加者の皆さんに「特選1句=2点」、「並選2句=各1点」にて選句していただき、集計しています。  それでは早速…… ・得点数上位3句 天の座(6点句) 黙食の食事介助や雨蛙 菊池洋勝

【句集紹介】聖樹 菊池洋勝句集を読んで

・紹介 小生が管理人をする「房州オンライン句会」に参加いただいている俳人菊池洋勝氏の句集紹介である。  いつもなら、句集についての紹介文や感想をここでつらつらと語るのだが、今回は短文でご容赦願いたい。洋勝氏の句を前に、小生の文章力では上っ面の薄っぺらいことしか書けそうにない。 呼吸器と同じコンセントに聖樹 菊池洋勝  この句は小生が俳句を初めて間もない頃、北大路翼氏編の「アウトロー俳句」にて知った氏の代表句だ。  言わずもがな、この句はまさしく「今を全力で生きている人

【句集紹介】未来一滴 乾佐伎句集を読んで

・紹介  俳句に比べて、短歌が若い人たちの間でポピュラーな理由の一つには、俵万智の「サラダ記念日」があると思っている。  「サラダ記念日」は市井の人々が短歌に感じていた、得体のしれない小難しさを破壊し尽くした。思ったことをあるがままに31音に託せばいい。短歌はそれでいいのだということを、あの恋に溢れた口語調の歌は示した。  それじゃあ、俳句はどうなのとなる。俳句にも優れた若い俳人が沢山いて、素晴らしい句集をたくさん出している。俳句愛好家たる小生はそれらの句を楽しんでいるが

房州オンライン句会 21年6月句会結果発表

「房州オンライン6月句会」の結果を発表します。今回も当季雑詠・1人2句までの条件で募集いたしました。  参加者は15名で、計30句が集まりました。ご参加いただきました皆さん、ありがとうございました!  今回の天の座(得点1番)は10点句で1句。地の座(同2番)は6点句で1句、人の座(同3番)は5点句で1句でした。点数は参加者の皆さんに「特選1句=2点」、「並選2句=各1点」にて選句していただき、集計しています。  また、今回は結果発表の前に、俳句界の中で「房州オンライン

俳句 雑詠3句

 小生、人生好調な時は俳句なんてしません。嫌な事があったり、気分が落ち込んだ時に俳句を嗜んでおります。ここ最近は仕事も家庭も絶好調だったので、俳句から離れておりました。このまま俳句を忘れて生きていけるのではないかと、本気で思っておりました。はい、見事に砂上の楼閣でした。また十七音に戻って参りました。そしてまた、こんな鬱々とした句を妄想し、公開しようとしている訳であります。 夏の墓新約の書を置いて去る 蝉時雨曼荼羅のどの辺に母 浮輪置く海を知らない子の墓に 亀山こうき

房州オンライン句会 21年5月句会結果発表

「房州オンライン5月句会」の結果を発表します。今回も「当季雑詠」「1人2句まで」の条件で開催しました。 参加者は12名で、計23句が集まりました。参加者も投句数も前回より増えました。ご参加いただきました皆さん、ありがとうございました! 前回に引きつづき参加いただいた方も、新しく参加をされた方も、いかがだったでしょうか?楽しんでいただけたら幸いです。 最近、「句会で思うように点数が入らなくてがっかり」というご相談をよく受けますが、点数はあまり気になさらないでください。ある