見出し画像

俳句 20句(裏代表)

 新人賞応募のために、ここ1か月でつくった句を数えたら108句あった。煩悩だらけの小生に相応しい数である。賞に出すA代表と呼ぶべき20句以外から、出来はともかく、個人的になんか気に入った20句をここに選抜した。いわば裏代表である。完璧に個人の趣向や思い入れで選んでいて、推敲が甘かったり、「これ俳句?」みたいなものもあるがご容赦願いたい。

嬰児の前髪めける蕨かな
仮病して暮春の海に抱かれたり
段ボール崩れて春の海近し
菜の花や子に囲まるる曲芸師 
春炬燵どの遺影にも猫のゐて
靴ひもの結び目甘き野遊びぞ
春雨や遠く廃品回収車
散る薔薇の集め再び光りだす
白南風や唐揚げ好きな彼女なる
昼間から回転寿司でビールとは
不自然な壁の白さや終戦日
見事なる落書きありて大西日 
納涼や東北訛の流し来る
回覧で知る死のありて虫の夜
クレーン車の届きさうなる秋の空
越後屋の如く焼芋差し入れす
父となる夜の鍋焼きうどんかな
しづり雪半音ずれしトイピアノ
しんしんと白菜洗ふ厨妻
蝉丸の姿となりし二日かな

亀山こうき


この記事が参加している募集

#私の作品紹介

96,726件

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!楽しんでいただけたら幸いです。また、小生の記事は全て投げ銭形式になっています。お気に入り記事がありましたら、是非よろしくお願いします。サポートやスキも、とても励みになります。応援よろしくお願いいたします!