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プロローグ― Right as rain

これは、道具のためなら日帰り京都も日帰り台湾もいとわない、365日寝ても覚めても暮らしの道具に取り憑かれたひとりの人間が、至高の道具たちで日夜生活実験に勤しむ物語である。

否、偏愛の所業である。

                     ──

serious shopperよろしく、道具とは真剣に向き合う。
あれもこれもとアイテムを手に入れたいわけではない。
むしろその逆、Less is moreである。

実験には当然、失敗も失望もある。
あるいは、成功より失敗のほうが多いかもしれない。
心眼を大切に、日日研究はつづく……

THE ESSENTIALS

普遍的で美しい。
汎用性があって、機能やデザインにむだがなく手入れが容易い。勝手のよい機能美にくわえ、哲学や個性が見え隠れする道具にとても弱いし、空間に親和性をもつその佇まいに惚れ惚れすることだってある。

そんな眼福の逸品たち――エッセンシャルな偏愛アイテム――は、むかしも今もQOLの維持向上に欠かすことができないのだろう。

カルチベートされた道具観

道具が道具であるために、
道具の本分をまもる。

道具に愛ある者――ニアリーイコール――
道具を使うほどに、扱うほどに価値あるものに変じることを知る者。


それから、

杓子は耳搔きにならず(しゃくしはみみかきにならず)

真っ向から賛同はできないけれど、真を穿っていると思う。

実のところ、大は小を兼ねないのである。

もっと言えば、
小さいは正義だし、小さきものは美しい――


全serious shopperに捧ぐ
私信、もとい偏愛マニュアルである。


©2023 office calmingrain

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