(願い🌟🙏)芦原妃名子さんについて

前の記事まとめ終わってないなー。
記事更新が少し『義務』になってるので、向き合い方を考え中。

それでも、表題について少し思うところがあるので、『反応』を起こしてみようと思う。

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芦原妃名子さん、私は昔、この人の『砂時計』という作品がとてもとても好きだった。
大ファンかと言えば、ファンの方に失礼だと思うので、名言はしないが、
仁摩サンドミュージアムに、実物を見に行ったりする程度には好きだった。

とても繊細な人間関係の機微を描くのが上手い方だったと、私は感じています。

さて、そんなわたしが戯言を述べますが、
今回芦原さんがお亡くなりになられる前の騒動として、
XやLINEニュースの話をツマミ見るに
原作者サイドと、ドラマ制作サイドで、
表現の仕方に対立があったように見受けられます。

原作者サイドは、元々の芦原さんの描きたいキャラクター像を守って欲しい、社会問題に切り込んでいきたい。等を主張し、
ドラマ制作サイドは、売れる作品を作る為に、脚本家様方が手を加えるという事があったようですね。
後、近年は民営放送に対する視聴者の目が厳しくなってきている傾向にあるので、
バッシングを避けるために脚本をいじる必要もあったのでしょう。

ひとつ、テレビ制作側に落ち度があったとすれば、
人気作品を映像化することに伴い得られる、『お金』に目が眩んだことでしょうか。
漫画という作品に、『センシティブ』な内容が含まれていると見て取れた時点で、
その取り扱いには非常に気をつけないといけないです。
『センシティブ』自体が悪いと言っている訳ではなく、『利権』と反発する性質を持つということを十分考慮すべきです。
これが、例えばAmazon prime videoで
『セクシー田中さん』の制作がされたのなら、
ここまで大きな問題にはなっていないでしょう。
Amazon prime videoは、私が見る限りでは、
民営放送に比べると、
比較的、同性愛や、性の問題などについての放送に寛容な所があるように見受けられるからです。
まだ、視聴する客層が固定される分、『利権』は絡みにくいのかもしれませんね。

ところが、『民営放送』となるとどうでしょう。
全年齢の人の目に留まる分、
全年齢の人が見られる作品に仕上げないといけません。
過激なエログロはゴールデンタイムには放送できないのと同じです。
ということは、芦原さんが漫画の中で繊細に取り扱った『社会問題』は、全年齢対象の作品とするために、『削られる』可能性が高いということですね。
『全年齢対象』を逸脱した途端、テレビ局は叩かれ、『利権』が減る事態になりかねないのですから、当然のリスクヘッジです。

また、近年では視聴率の低下を回復するために
より派手めの演出を加える傾向がテレビ全体に見られますね。
派手だと人の目にも留まりやすいですし、視聴率といった『お金』に通ずるものも稼ぎやすいですね。
脚本家の相沢さんも、悪気があった訳ではなく、彼女は彼女なりに作品を盛り上げようとしたのでしょう。
現に、彼女には成功体験がとても多いようですし、『失恋ショコラティエ』なんかはヒットした作品に入るほうだと思うので。
その経歴全部を否定するのは違いますね。
彼女は彼女で必要があった人材だと思います。

これは、相沢さんが悪い、テレビ局のプロデューサーが悪いと個人をバッシングする記事ではありません。
わたしが唯一違和感を感じたのは、『契約不履行がまかり通るテレビ局や業界全体の体制』や『利益主義』自体に対してです。

この被害を被ってしまったのが、芦原さんなのでしょう。
自殺という選択肢を取ってしまわれた辺り、
『責任感』『繊細さ』『自責傾向』『優しさ』
あたりが芦原さんの性格の一要因として存在していた可能性があります。
ここからは、漫画やネット記事を読んだ上での芦原さんの人物像の想像です(推測なので、間違ってる可能性は十二分にありますからね。
私個人が芦原さんのことを理解してるというつもりは毛頭ないという前提で、一可能性だけを書きます。)

『砂時計』の時点で、芦原さんは、『人の感情』『人の心の痛み』『村の慣習や地域の雰囲気』『恋愛の機微』『人間関係の温かさ』
を描き出す事に優れていらっしゃる作家さんでした。
また、作品(砂時計やベリーダンスなど)に対する取材もよくされているようで、観察眼に長けていたのでしょう。
よくもここまで調べあげたものだという内容が漫画の所々に散見されるので、かなり『繊細さ』に秀でていたように思います。

ネットで個人情報をあまり公開していない辺りは
『プライベートと仕事を分ける』『自分の空間を持つ』『あまり目立ちたがり屋な方でない』『友達や家族など身近な人を大事にする』
という要素も持たれているでしょうか。

そんな方がセクシー田中さんを制作する中で気をつけるであろうことは、
『取り扱ってる社会問題についてはかなり正確に繊細に伝えないといけない』
『見ている視聴者の方に申し訳ないので、作品(セクシー田中さんの脚本・漫画どちらとも)を描き続けないといけない』
『私の作品を楽しんでもらいたい』
『私の作品で勇気や希望を感じていただけたら』
『ベリーダンスの楽しさや素晴らしさをもっと多くの方に知ってもらいたい』
などのことでしょうか。

そんな方だとしたらです。
『作品をサボらず描き続ける責任感』が生じる可能性があります。
後、『作品の詳細にこだわりたい』と考える可能性もあります。
どうも、使っていた社会問題の題材自体が繊細なものだったようでしたので。

視聴者なんかどうでもいいって思える作家さんなら、
・漫画を休載にする
・ドラマ制作を取りやめる
・別のテレビ局ないしネット番組に、ドラマ制作元を乗り換える。
・それが無理なら、脚本家完全オリジナル作品としてセクシー田中さんの権利を手放す
(漫画とドラマは全く整合性を持たせない)
等、幾らでも無責任になる事は出来たわけです。

また、契約書にて、『セクシー田中さんの内容を著しく変えない。場合によっては原作者が作品修正に介入する』
という文言を取り交わしていたという記載もあったので、
・裁判で徹底的に戦う
という選択肢もあります。
契約不履行を幾度もテレビ業界側が重ねている訳ですから。
一漫画作家(ないし出版社)vsテレビ局
という構図になったら、数の暴力で負けやすいので、『法』の力を使ってしまうという訳ですね。

漫画家に限らず、
芸術家にとって、『作品を生み出す』というのにはそれなりに時間がかかります。
漫画家さんにとって、『漫画』が本職です。
その本職の時間を削ってまで、『自分の意向と違う出来に仕上がってしまった脚本の手直し』に時間を割かれていたのでは、芦原さんの体も時間も保ちません。芦原さんの体は1つです。
脚本の修正が必要ないのならそれに越したことは無かったはずです。
「脚本を書き換えることで売れる作品に手直ししたんだからいいじゃない」という話ではないです。
芦原さんは、『ドラマを中止する』『テレビ局から制作権利を剥奪する』という選択肢を取れたはずなんです。
『ドラマで売れる』必要はなかった。
だって『漫画』で売れてるもの。
そんな人の作品を『アレンジ』する必要は皆無ですし、
『アレンジ』をしたいのは、その人の『ドラマでも売りたい』『個性を出したい』というエゴです。

あれだけ人気が出ていた漫画家さんです。
本当に脚本内容をいじられるのが嫌なら、
一時的に、休載措置にして、法的措置に訴えても、読者は離れなかったはずなのにね。
『ドラマの内容は一切私の責任下には置いてません。私は無関係でテレビ局の問題です。』
と芦原さん自身がドラマの出来について、テレビ局に責任転嫁してしまっても全然良かったのにね。

それをしなかったのは何故か。

これは、私の推測ですが、
芦原さんは『人を傷つけるのを嫌う優しさ』を持っていた可能性があります。

自殺なんて、その最たる例だし、
お亡くなりになる前の、
『攻撃したかったわけじゃなくて。ごめんなさい』
なんて、、、もろ、ですよね。
自分を守るためなら、攻撃しても良かったのに。
テレビ局や脚本家の方を、芦原さんはそれでも『批判』という形では傷つけずに、自分を傷つける道を選んだ。

芦原さんの直前の状況がどうなっていたかはわかりません。

漫画以外の他のタスクで生活の時間が削り取られていたかもしれないし、
脚本内容について人との揉め事が増えたことで心労が重なっていたかもしれません。
脚本内容で揉めて時間が削れるということは、会議の時間や脚本修正自体に割く時間が増えて、メンタル回復のための時間も並行して無くなっていくという訳で。

そして、芦原さんがXに事情説明をした後、
予想以上の大きな『世間の反応』が起こってしまった。
彼女が嫌がっていた『攻撃』を、
芦原さん自身の代わりに、
芦原さんのファンの方や、芦原さんを好きでいてくれる人が行ってしまった訳です。
『攻撃』や『批判』が好きな方からは信じられないでしょう。
『攻撃』や『批判』を、自殺する程毛嫌いする人間も世の中には居るんですよ。
それに、普段の芦原さんなら耐えられたかもしれないけど、恐らく芦原さんは状況的にストレスがかかっていたはず。
芦原さんは、自分の文章が『人を攻撃するものになってしまった』ことに酷く驚いたのではないでしょうか。

その後、恐らく芦原さんは『自分を責めてしまった』
『攻撃』や『批判』という反応が起こってしまったこと自体に対して、『責任感』が発動してしまったのかもしれない。
今回の件について、芦原さんなりに『責任』を取ろうとした事が、『自殺』なのかもしれない。
少なくとも『他責』ができるヒトは『自殺』はしない。
『他責』や『無責』が出来ない『優しい』人だったのかもしれない。

『漫画を描きたいって喜び』や『友人や家族と過ごす楽しさ』や『今後芦原さんが経験するだろう素晴らしき未来』よりも、
『人を傷つけた』痛みの方が上回ってしまったのかもしれない。

だから、今、脚本家の相沢さんを批判してる方は、芦原さんの趣旨を取り間違えてる可能性が高いです。
芦原さんが恐らく望まないだろう事をしてる。
攻撃するにしても、矛先を間違えている。
個人を批判したところで、傷つく人の数が増えるだけで何も変わらない。
芦原さんが『攻撃するつもりじゃなかった』と最期に書き残した言葉まで、踏みにじってしまっている。

もし批判するとすれば、
芦原さんの『原作重視』の意向を汲み取って、
『原作重視』の脚本家を当てがってあげなかったテレビ局のセッティングミスです。

『原作アレンジ』で売れる例もあるので、
『原作アレンジ』を好む原作者と脚本家同士をセッティングしなかったテレビ局側が悪いです。

で、これはディレクターやプロデューサーレベルの話ではありません。
上の意向に逆らえない局員など幾らでも居るだろうから、局員を責めても意味が無いからです。
テレビ局のかなり上の人間を私は責めてます。

また、冒頭でも述べた通り『お金が稼げれば何をしてもいい』という、盲目的な考えも私は批判します。

後、漫画家の意向にそぐわない事態が発生した時の相談機関の場所が
『出版社』くらいしか知られていないのも問題かもしれませんね。

最初から弁護士を挟めていれば良かった。
知識が足りていればよかった。

そして、これを書いたらファンの方に怒られると思いますが、
芦原さん自身にも。

できれば、自分を殺すという形で死を選ぶのではなく、
『自分を守って』欲しかった。

きっと、Xで芦原さんの記事が広まってしまった時点でもう手遅れだったのかもしれないけれど。

あなたがあなた自身を傷つけるということは、
こんなにも『あなたを大切に想う人達』の事を傷つけてしまうんだから。
今もまだ、芦原さんの訃報を悼んでいる人がこんなに居るんだから。

『自殺』は自分一人が傷ついて終わりではないです。
『あなたを守れなかった人』
『あなたを大切に想っていた人』
『あなたと過ごす時間を楽しみにしていた人』
すべての人を傷つける行為です。

自殺未遂の経験はわたしにもあります。
それがどんなに辛くて、目の前の絶望しか見えなくなるかも知ってる。

それでも、周りの人に与える影響を考えてください。
もっと自分を大切に、ストレスからは、お願いですから逃げ回ってください。
どうせ死ぬなら『幸せに』死んでください。
あなたには『幸せになる』権利がある。
どうかそれを行使してください。
周りの為に自分を犠牲にしないでください。
周りに悪いなって罪悪感や、責任なんて、放り出してください。
あなたが『自分の作品』や『自分の守りたかったモノ』を必死になって残そうとしたのは伝わる。
だからこそ。
『あなた自身を放り出さないでください』

『あなたも一緒に』幸せになってください。

危機が迫っているのなら、助けてくれる人のところに逃げてください。
助けてくれる人すら居なければ、声を出してください。
幸せになって、いいんです。

幸せになって欲しいんです。

だから、、、悲しかったです。

芦原さんの漫画、とても好きでした。
私たち読者を楽しませていただいて、
ありがとうございました。

芦原さんのご冥福、
向こうの世界でのお幸せをお祈りし、
筆を置きます。