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認知症の母の浪費対策 コロナ禍で通販にシフト、蟹も届く

(「認知症の母の浪費対策 守られない“約束”2」の続きです)

 2020年の春は、コロナ禍でデパートやショッピングセンターは休業。月1回あった友人とのランチ会も中止となり、母は大好きな“お出かけ”ができなくなりました。お出かけの度に服を購入していたのもできなくなり、カードの利用額も激減、世の中が元に戻ってもお出かけの頻度が減ったままだといいな、と考えてました。 

 2020年3月くらいから実家に行く度に、新しい通販のダンボール箱があり、何かしらを購入しているようになりました。主に新聞の折り込み広告で見た婦人服、お菓子、食品等を、注文していたようです。
 商品が届いた後に代金振り込みで購入するのですが、振込用紙は段ボール箱に入ったまま。注文した商品も半分は段ボールに入ったままのことが多かったです。長袖Tシャツを3枚購入しても、うち1枚しか着ておらず、あと2枚箱に入ったまんまだよ、と声かけすると3枚だと安かったから、とのこと。結局あと2枚はずっと着られることなく、母に忘れ去られました。

 商品の代金を振り込むように言っても「自分でやるからそのままにしておいて」と答えますが、次に訪れた際も振込用紙が段ボールに入ったまま。
 5月頃からは、新しい箱が届く度に販売業者に、母が認知症であることを伝え、今後はパンフレット等を送らないでほしい、買物をしたら私に連絡or注文があってもキャンセル扱いにしてほしいとお願いしました。当時は実家に帰る度に1~2社に、1年で15社くらいに連絡したと思います。

 販売会社には支払いが遅れたら母に督促の連絡をし、電話で催促もしてくださいとも伝えました。母は私の言うことはききませんが、前年の2019年に、支払いが毎度滞るため、カード会社から“1ヶ月利用しないように”という警告を受け、それはきちんと理解し従っていました。
 恥をかかされることに敏感な人なので、業者からの連絡が母に一番効くのです。私が先回りして支払う必要は無いんですよね。母がどうしても支払わないようであれば、私に連絡をくださいと伝えました。

 ちなみにほとんどの販売業者は事情を理解し、なるべく私の希望の沿った対応してくれましたが、某大手デパートの通販には、私が母の注文を取り消すことはできないと言われました。
 母が貯金を使い果たした元凶だった、同じ某大手デパートのカードも、認知症の母への対応について、他のカード会社と比べ対応が悪かったなぁ…。母がカードを解約する時は、可能な限り窓口のスタッフは協力してくれたので、とても残念に思っています。

 母の通販でのお買い物で、一番恐ろしかったのは“おせち”でした。10月上旬に実家に行ったら、リビングの机の上に「おせち12月30日に届く。」とメモがあり、カレンダーの12月30日のところに「おせち代、〇万〇千円払う」と書いてありました。
 母のメモにある電話番号にかけたところ、TVで見たジャパネットの早割高級おせちを9月に注文していました。認知症ということであれば今すぐなら解約に応じます、と窓口は言ってくれましたが、注文はそのままにすることにしました。
 その後、もうおせちは注文済みにもかかわらず、おせちのチラシや申し込み用紙を申し込む気満々で目立つ場所に置いてあることが度々あり、都度黙って捨て、2個目を注文しないように母に注意もしていました。
 特に宅配弁当業者が持ってきたおせちのチラシを何度も見かけていたので、母がおせちを注文してもキャンセル扱いにするように、先回りしてお願いしました。

 注意していたものの、年末におせちがいくつも届くのでは…と大変心配していましたが、私が把握していたジャパネットの1個だけが届き、ほっとしました。
 が、私は台所の横に、普段は見かけぬ新品の発砲スチロールの箱を見つけました。「これ何?」と母にきくと、「蟹とかいろいろ頼んだの!冷凍室にあるよ、みんなで食べよう。」。
 新聞屋が集金の際に持ってきた「正月蟹入りごちそう福袋」のチラシを見て注文していました。1万5千円(税別)!新聞屋だとお代は集金に来てくれるので、注文しやすかったようです。
 新聞屋でいろいろ売っているものね…、私もさすがにそこまでは考えが及ばなかった…。年明け早々に、新聞屋には母が何か注文したらキャンセル扱いにするようにお願いしました。

 母との浪費バトル、この後もさらに続く…。

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