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認知症の母 ショートステイで自分の疲労に気がついた

 あけましておめでとうございます。元旦の本日は快晴(もふもふラッコは神奈川県在住です)、バルコニーからは富士山がくっきりと見えました。年賀状を書いた後、近所の神社に家族でお参りに。新年に穏やかに家族との時間を過ごせたこと、それだけでありがたいなと思いました。

 年末年始は介護サービスのほとんどがお休みになります。なので母には12月31日から1月4日まで、特別養護老人ホームのショートステイで過ごしてもらっています。
 お正月くらいお母さんと過ごしてはと言う知人もいましたが、普段は仕事をしている私は年末は家事やら何やらで大忙し、年始もパートナーの実家を訪れるのが定番、いつも実家は三が日のいずれかに半日訪れるのが精一杯。そんな状況なので、毎日誰かしらが実家の母の状態を確認する、いつもの生活が無くなる年末年始は私にとって恐怖でした。

 昨年9月上旬にケアマネに年末年始に母を施設にショートステイさせたいと伝えたら、第一希望の施設は既に予約が始まっており、利用できないことが判明!ケアマネが急ぎ10月1日から予約開始の施設を調べ、その中から母に合いそうなところをチョイスしてくれました。
 予約を入れた特別養護老人ホームは、事前にお試し利用をしてほしいとのこと。仕事の繁忙期の秋に、お試し利用の対応までしなければならなくなったのはしんどいものの、評判は良い施設とのことなので、お願いすることにしました。

 この1ヶ月程前に、母は「老人ホームには絶対に入らない」と豪語してたので、“老人ホームにショートステイ”と言ったら拒絶します。私は母と同居する気は全く無いので、認知症が進行したら施設に入ってもらわなければなりません。“老人ホームに入る”ことへの抵抗を、今のうちに解消しておく必要もありました。

 新たな介護サービスを受けるには、事前に業者から説明を受け、契約をする必要があります。最初の難関はココ。母にショートステイの利用を了承させ、契約書にサインをしてもらうのに策を講じました。
 宿泊先が特養老人ホームと言うと母が拒絶するのは間違いないので、ケアマネ、契約担当の特養のスタッフと事前に「市の一人暮らしの高齢者を対象にした健康チェック。普段わからない就寝時等の状態を施設スタッフが確認するもの。」としめし合わせ、母を説得することにしました。

 母は新しい記憶を保持することができません。市の健康チェックだから行かないとならない、と納得させるのに何度も説明を繰り返しました。次にスタッフが契約内容について説明を始めると、送迎があるかどうかについて、3~4分おきに確認し続けました。15回くらい「送迎はしてくれるの?」と質問し、「送迎があるならいいわ」と安心する、の会話を繰り返していました。
 その質問の合間に、肝心な説明を特養のスタッフがしてくれるのですが、それについても何度もリピートが入るので、話が先に進まない状態となります。病気なので仕方ないのですが、私のイライラはどんどん膨張…。
 契約の詳細の説明は母は理解できないので、途中からはケアマネに何度も繰り返す母の質問に根気強く対応してもらい、私が説明を聞き、母は私の指示に従いサインをし、契約をなんとか終わらせました。

 お試し利用の時は、母は自力で宿泊の用意ができず、勝手にドタキャンする可能性も高いので、私が迎えの1時間前に実家に行き、準備をし、「行きたくない」と言えば「市の健康チェックで、一人暮らしの高齢者は皆参加する」と答え、を繰り返し、母を送り出しました。
 帰ってくる時は出迎えることができなかったのですが、帰宅後すぐのタイミングで電話をし、施設が良かったとの感想を聞き、安心しました。

 その後施設からお誘いがあり、11月にも利用し、今回の本番を迎えることができました。3回目となった今回の利用ですが、私が実家に行くと、エコバックにファンデーションとアイブロウだけを入れ、コートを着て母がお迎えを待っていました。
 1,2回目よりも準備が出来ておらず、思わず「4泊5日もするのに、何も用意できてないじゃん!」と怒りながら用意をしました。怒っちゃいけないのですが、情けなくてつい言っちゃいました…。反省です。
 用意を終え、私が他の作業をしていると、これも入れるとヘアブラシと持ってきました。化粧品とヘアブラシ…、自分が美しく見えるための道具は忘れないのだなぁ…。

 母がショートステイに行き、私は安心して新年を迎えることができました。この1年間、どんどん認知症が進行し、次々と対応に迫られ、都度ケアマネや業者と相談し、上手くいかなければ次の手を考え…を繰り返してきました。休息できたことで、自分が精神的にすごく疲れていたことに、あらためて気づきました。
  介護サービスを「いらない、行かない」と言う母の意思を尊重すると、母自身の健康を害することになってしまうので、訪問サービスデーサービスも結局必要に迫られて、私が受けさせるようにしてきました。
 母にはもう判断能力は無い。私が不安を感じるなら、それを解消するために母の意思に関係無く、介護サービスを使用することをもっと積極的に考える段階に入った、と思いました。

 SNSで知り合いにこのサイトをお知らせしたら、認知症の家族介護を何年も続けてきている友人より「もっと手を抜け、認知症の介護はずっと続くので、精神的にもたなくなる」とアドバイスがありました。
 ショートステイをしている今だから、わかったよ!アドバイスありがとう。

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