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認知症の母 必要に迫られ、デイサービスデビュー

 2019年に認知症とわかった母。2020年頃から痩せ始め、毎月の診察では体重も計測し、持病の高血圧と共にチェックを受けていました。
 2021年11月に体重が1ヶ月で1.5キロ減り、主治医と相談し、これ以上痩せないよう、宅配弁当の夕食だけでなく、母が栄養的に配慮された食事をし、それを誰かがきちんと確認する環境が必要、ということになりました。

 母は父が亡くなってから20年以上、一人暮らしを続けてきました。認知症が進行し、自力で食事の管理等ができなくなってましたが、訪問サービスやデイサービスを拒絶。しかし激ヤセする等問題が起きてきたので、地域包括支援センターからすすめられ、介護サービスにつなげるために2021年2月から認知症初期支援チームのお世話になってました。

 チームのリーダーWさんは実家を頻繁に訪れ、Wさんが責任者をしているデイサービスに誘ってくれましたが、何度もドタキャンを繰り返したため、その頃は無理に誘わず、話題にする程度にとどめていました。
 通常のデイサービスと違い、Wさんの「認知症対応型通所介護」(デイサービス)は午前は参加者全員で料理を作り、昼食はそれを食べ、午後は手芸や脳トレをするという、認知症初期の人向けの、参加者が手も頭も使って能動的に参加するプログラムになっています。以前より私もWさんもケアマネも、母は行きさえすれば絶対に気に入る、と確信していましたが参加にはいたらず…。
 ちなみにデイサービスと言うとそれだけで母は拒絶するので、「高齢者向けの料理教室」と言って誘ってもらっていました。

 急激な体重減となり、母の意思は二の次です。栄養的に配慮された食事を母が確実に食べることができる環境、昼食付きのデイサービスに通わせなければ!
 訪問サービスを開始した時もそうでしたが、母の意思を尊重すれば、母の健康を害する事態となる、何が何でもデイサービスに通ってもらうしかない。

 行くならWさんの「認知症対応型通所介護」一択!Wさんと相談し、おしゃべり好きな母と会話していただけそうな参加者がいる曜日をお試し参加日にし、私はその日は仕事を休み、母に付き添うことにしました。
 事前には「お出かけ 〇子迎えに来る」(“〇子”は私)とカレンダーに書き、当日は家を出る直前に「Wさんの料理教室に行きま~す」と言い、施設の迎えの車に私も一緒に乗り、無理矢理連れて行きました。
 「嫌だ」には「私も一緒に行くので、どうしても嫌なら途中で帰ればいいです。」、「準備ができていない」には「エプロンもバンダナも上履きも、私が用意したので揃ってます。大丈夫!」、車の中ではWさんが「まずは参加してみましょう。楽しいですよ。」、「嫌ならお嬢さんと一緒に帰っていいですよ。」、初めて会ったドライバーのスタッフは母に積極的に話しかけ、会話を盛り上げます。和気あいあいとした雰囲気になったところで、施設に到着。

 以前はカフェだった施設は、明るい雰囲気。他の参加者が来るまでの間、準備をしたり、他の参加者を紹介していただいたりするうちに、母のエンジンがかかかりました。しゃべる、しゃべる、しゃべる、しゃべる…、母の話が止まらない。母、絶好調!!
 母より認知症が重い方もいましたが、スタッフがそれぞれに出来そうな作業を割り振り、見守られ、必要があれば手伝ってもらい、疲れた人は休憩しながら、1時間半程度でおやつも含めた料理を作り上げました。
 私も食費を払い、一緒に料理をいただきましたが、副菜が沢山あって、どれもとても美味しい!ボリュームもありましたが、母は完食。食事中はコロナ対策もあり、お話は控えてと何度も注意されましたが、母のおしゃべりは絶好調(笑)。
 母は「楽しい!」と言い、私が一緒に帰らなくても車で送ってくれれば大丈夫と言うので、途中で帰りました。

 母はえらく施設が気に入り、「これから料理教室に通う!」、「週何回でもいい」と言うので、空きがあり、お試し参加日にお話をした参加者がいる曜日に週2回に通うことにしました。今も料理教室が楽しい、行くのが楽しみ、と言っています。
 ずっと実家に通い、母と交流を続けてくださったWさんが施設にいることも、母が安心して通い続ける大きな要因となってます。Wさんにはずっと相談にものっていただいており、親子共々お世話になっています。Wさんありがとうございます。
 ケアマネよりこの件では「ご家族が然るべきタイミングできちんと対応すれば、ちゃんとサービスへとつながるんですね。勉強になりました。」と、もふもふラッコはお褒めの言葉を頂戴しました。母にはいつも「(私が)何もしてくれない」と責められているので、とても嬉しかったです。

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