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散文・掌編・エッセイ

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分類不能な文章たち
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#眠れない夜に

純喫茶

純喫茶

雑居ビルかオヒィスビルか分からない建物の四階という珍しい立地にも関わらず、席が半分以上埋まっていた。
ビルの入り口にある喫茶店の看板は、数年前から目に付いていたが今日まで入る勇気がなかった。今日はどうして足が向いたのだろう。自分でも不思議なくらい、吸い込まれるようにエントランスをくぐりエレベーターで四階に立った。
 正面には藤崎法律事務所という案内板のしたに、左向きの赤い矢印のあとに紫陽花喫

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徹子の部屋を見て気づいたこと

徹子の部屋を見て気づいたこと

徹子の部屋を見て気づいたことがある。

あれは無意識下の自分が自分を守るために起こしたんだと。

自分を偽ったり、間違ったことを見ぬふりができない自分に蓋をして、それが幾つも積み重なる環境に何年もいると、ガスが溜まり、精神が疲弊し、あるとき限界がきて、意図せず無意識下の自分が全部ぶちまけてしまった。

一つ一つを飲み込む度に、ペットボトルの炭酸水を降っていたのだ。

あるとき、チョットだけ(本当に

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