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私のコンサルキャリア振り返り#2 -世は大コンサル時代?レイオフ多発?生き残り戦開幕?!

はじめに

 どうも、YOUNOです。全2回で投稿している後編です。
 前半の記事はこちらをご覧ください。

4.現場リードを拝命! -形成される歪なコンサル人格

 さて、前回の記事では当時働き方改革が推進されていた、と説明しました。おそらくその背景には、コンサル業界のトラディショナルな戦略・改革案件の取り合いの終焉システム導入案件への本格参入があったと思います。当時はアクセンチュアさんやアビームさんは先行してポジション取りしていましたが、それに遅れる形でデロイトさんやPwCさんなどが参入してきたわけです。老害  老練なコンサルタントたちは「高級SIer化」したと揶揄していました。新入社員もコンサル研修とは別にテック研修なるものを受けさせられ、「私/俺のやりたかった仕事はこれじゃない!」と会社を去っていきました。しかし会社の方針に誰も逆らえるはずもなく、システムエンジニアをコンサルタントとして次々採用し、スタートアップを買収し、迫りくるテック・デジタル時代に体制をシフトしていきました。

 当時の流れとは別に、私は業務改革系のプロジェクトに現場リードとして参画していました。現場に入り、工場の皆さんと一緒に働きながら、本社メンバーにBPRを提案するという毎日で、それがぴったりと私の相性にあいました。現場に単身乗り込み、工場の皆さんと机並べてヒアリング(と愚痴)を聞きながら、本社メンバーにBPRを提案する、入社したての若造の意見を大手の部長クラスの人が耳を傾けてくれる。その結果、現場からも感謝され、改革も成功する、プロジェクトの中心は私である!
 直前のプロジェクトでは散々な目にあったけどそれは何かの間違いで、自分は経営コンサルタントになるべくしてなったのであると天狗になるのにそう時間はかかりませんでした。
 今思い返すとクライアントがクレバーで的確な自己分析とクリティカルな課題の洗い出してくれたものを、私はそのまま本社へ運び、プロマネや上司がおぜん立てしてくれた中で喋らされてただけで、まさにクライアント、メンバーに恵まれていただけでした。
 その結果、私は間違った方向への成長が止まらず、結果的には「文言や体裁など細かい箇所にだけ拘り、経営やイシューを語れない歪なコンサルタント」という化け物に変貌してしまったのです。

5.全社員フルリモート開始 -上司もクライアントも顔知らないまま部署移動だ

 2020年、新型コロナウイルスの影響で我々のコンサルティング業界もフルリモート化が急速に進行しました。客先常駐が多かった私たちの業務形態だったからか、自社のリモートワーク体制は驚くほど素早く整備されました。私たちはクライアントのリモートワーク体制構築を支援しながら、同時に自社内でも人員の確保と業務遂行に努力していました。案件自体は豊富にあったものの、人手不足が常で、常に限られた人数で動き続けるという状況でした。

 その中で歪な成長を遂げたコンサルタントYOUNOは何とかぎりぎり成り立っていた働き方がフルリモートの環境下で限界を迎えることとなりました。1か月先のことどころか、来週のことも考えずに意味もなく働き続けた結果肥大する残業時間、体裁を直しただけでレビューした気になっている中身のない紙、MTGに向けたレビューのための相談会 などなど、、、
今までの気になったことがあれば隣にいるクライアントや上司に聞けば軌道修正できていた環境から、見事な地獄絵図に変貌を遂げたわけです。
ここまで来てもなお私は自身の間違いを認められずにプロジェクトメンバーの質の低下と断じ声を上げていました。仕事量と質のギャップが広がるにつれて、時間外労働が増え、プロジェクトの品質も見劣りするようになりました。
 結果として、昇進を目前に控えていた私は1年間その機会を延期されました。その判断に当時は反発し、自分が昇進できない理由が理解できずにいました。もはや会社の体質と合わない、転職しかないと考えて転職活動もしていました(当時の状態で世に放たれないで本当に良かったと思います)

 そんななか、入社当時からお世話になった先輩と食事する機会があり、今のプロジェクトでの自身の立ち位置と評価が気に食わないこと、転職を考えていることを相談しました。彼は私より5つ上で新卒総合コンサルとしてイケイケで、よく「コンサルタントとは」「プロフェッショナルとは」を熱く語りあっていました。当然彼は私を全肯定し、転職を後押ししてくれると思っていました。しかし、そんな私の話を先輩は厳しい言葉で一刀両断しました。「YOUNO君、君が本当にコンサルタントとして成長したならば、転職することを止めない。ただこのまま君が転職したら、僕は君のことをコンサルタントとして認めない。コミュニケーション能力はあっても、それはコンサルタント力ではない。君がコンサルタントとして提供できる価値は何だろう?本当にこのファームで学べることは学びきったかな?」
 その言葉にはっとさせられた私は環境を変え、よりピュアにコンサルタントとして成長を遂げるため、コロナ禍の中、部署を移動して戦略策定チームに参加することを決意しました。上司との面談もクライアントへの挨拶もすべてZoomを通じて行うという新しい環境で、自身で積み上げたロジックと言語力だけで、クライアントを意思決定を後押しさせる道を選びました。
 新しいクライアントはとても厳しく、言葉一つ一つに洗練されていない部分を見つけると突っ込んでくるタイプでした。毎日クライアントとやりあいながら、自身の言葉の成長を感じながら、無事翌年には昇格を果たしたのでした。
 昇格して新しい名刺をクライアントに配った際、普段厳しい部長が「アサインされた当初は何言っているかわからなかったので心配してたけど、今はプロフェッショナルなコンサルタントとして信頼してるからね、これからも頼むよ」と言ってもらえたのは数少ない成功体験かもしれません。

6.最後に

 このあとは「やれ案件拡大・新規案件獲得戦争」「メンバーを圧倒的成長させろ」「組織への貢献や新しいサービスラインを考えろ」といった諸々の活動に巻き込まれていくわけですが、いったんコンサルキャリアとしての振り返りはこんなものにしておきます。あくまで私の視点から見えたコンサル業界ということで、読み物として楽しんでもらえたら幸いです。
 ニュースでも「就活生のコンサル人気が上昇している」、だとか、「給料を上げたいならコンサルへ転職」といった謳い文句が並び、様々なバックグラウンドがある人やファーストキャリアをコンサルタントにする人でごった返すようになりました。また、働き方改革によって、昔のようなひりひりした環境から、ゆったりとした環境にも変わってきているかもしれません。”とがった人”というより”まぁるい人”が多くなってきたかもしれません。
 それについて、私個人としてどうこう思うことはあっても、業界としては歓迎すべきことだと思います。なぜならコンサル業界とは「変化を恐れず常に自身を成長させ続ける人に祝福を与える魔境」であり続けるからです。
 私たちは皆さんとの出会い、一緒に成長できることを歓迎しております。

今後もコンサルタントとしての活動や経験を中心に記事をアップしていきます。もう少し気軽な記事も挙げていきたいなと思うので、是非、チェックしてみてください。

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