【書評】 頭に来てもアホとは戦うな！ 賢者の反撃編

頭に来てもアホとは戦うな！ 賢者の反撃編

時代を超えて迫り来る「アホ」との戦い

本書は、2014年に発売されてベストセラーとなった『頭に来てもアホとは戦うな!』の続編である。

著者の田村耕太郎氏は、コンサルタントやファシリテーターとして長年にわたり、多くの人々と向き合ってきた経験を活かし、現代社会における「アホ」との戦術を鮮やかに描き出します。

1. 巧妙に忍び寄る「アホ」の多様性

本書で言う「アホ」とは、単に文句ばかり言う人だけではありません。彼らは巧妙な手口で周囲を翻弄し、組織や個人の成長を阻害する存在です。

本書では、以下の7つのタイプの「アホ」が紹介されています。

1.文句ばかり言う「文句タラタラ」: 自分の意見を押し付け、周囲を不快にさせる。
2.人の悪口を言いふらす「悪口大好き」: 噂話や悪意のある情報を広め、信頼関係を壊す。
3.責任逃れの名人「責任逃がし」: 自分のミスを認めず、他人に責任を押し付ける。
4.いつも否定的な「否定マン」: どんな提案も否定し、周囲のモチベーションを低下させる。
5.形式主義に固執する「形式オタク」: 柔軟な思考を拒み、杓子定規な対応で周囲を困らせる。
6.権力に弱い「権力ヨイヨイ」: 権力者に媚びへつらい、不正を見過ごす。
7.変化を拒否する「変化拒否」: 新しいことに挑戦せず、現状維持に固執する。

これらの「アホ」たちは、一見無害に見えても、じわじわと組織や個人の活力を奪い、最悪の場合は大きな損害を与えてしまう可能性があります。

2. 華麗にスルーする！ 実践的な戦術の数々

本書では、それぞれのタイプの「アホ」に効果的な対処法が具体的に紹介されています。

例えば、「文句タラタラ」には「共感と質問」で話を聞き、「悪口大好き」には「話題をそらす」ことで無害化、「責任逃がし」には「証拠で論破」するなど、状況に応じて巧みに戦術を使い分けることが重要です。

さらに、本書では以下の5つの基本原則を意識することで、アホからの攻撃を効果的に防ぐことができると説かれています。

1.「アホ」を敵にしない: 無駄な敵を作る必要はありません。無視するか、距離を置くことが大切です。
2.「アホ」に同調しない: 相手の意見に流されてはいけません。自分の信念を貫き、冷静さを保ちましょう。
3.「アホ」を攻撃しない: 直接的な対立は避け、間接的に牽制するなど、賢い方法で対処しましょう。
4.「アホ」に振り回されない: 相手のペースに巻き込まれず、自分のペースで行動しましょう。
5.「アホ」を成長の糧にする: アホとのやり取りを通して、自分自身を成長させる機会と捉えましょう。

これらの戦術と基本原則を身につけることで、アホからの攻撃を華麗にスルーし、自分らしく輝く人生を歩むことができるでしょう。

3. 変化の波に乗る！ アフターコロナ時代の生き方

本書は単なる「アホ」との戦い方にとどまらず、変化の激しい現代社会を生き抜くためのヒントも提示しています。

アフターコロナ時代における新しい働き方や、VUCA時代と呼ばれる不確実性の高い環境への適応方法など、目まぐるしく変化する社会に適応するための具体的な方法が示されています。

4. ユーモアと共感で彩られた読みやすい文章

本書は、専門用語を使わず、ユーモアを交えながら書かれているため、ビジネス書が苦手な人でも抵抗なく読むことができます。

著者の温かみのある語り口と、豊富な事例を通して、アホとの戦術を学ぶだけでなく、現代社会を生き抜くための勇気と知恵を得ることができます。

5. 忘れられない印象を残すエピソード

本書には、著者の経験に基づいた印象的なエピソードが数多く紹介されています。例えば、「文句タラタラ」に巧妙に忍び寄るエピソードとして、著者がクライアントの会議での体験を紹介しています。
その会議では、一人の参加者が何度も文句を言い、議題の進行を妨げていました。しかし、著者はその人の発言に共感し、その後で的確な質問をすることで、彼の不満を解消し、議論を前に進めることに成功した、という具体的なエピソードが語られています。

このようなリアルなエピソードは、読者が抱く疑問や悩みに直接的に訴えかけるだけでなく、著者の提案や戦術が実際の現場でどのように機能するかを示してくれる貴重な示唆となっています。

以上、本書は「アホ」との戦い方を具体的な例やエピソードを交えて解説し、読者にユーモアと共感をもたらす読みやすい内容となっています。

また、現代社会における変化に対する適応力や生き抜くための知恵も提供しており、幅広い読者にとって興味深い一冊となっています。

**本書と合わせて読みたい書籍**

* 『頭に来てもアホとは戦うな! 人間関係を思い通りにし、最高のパフォーマンスを実現する方法』田村耕太郎 著

**まとめ**

本書は、現代社会を生き抜くための必須スキルが詰まった一冊です。アホに振り回されずに、自分らしく生きるためのヒントを求めている人であれば、ぜひ手に取ってみてください。

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