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美しい字を書く為の考察✏️

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どのように「ひらがな」を書くか

どのように「ひらがな」を書くか

「ゆ」と「す」を2通り書いてみました。

どちらがお好みですか?

かつて日本には文字はありませんでしたね。
そんな中、中国から漢字が入ってきます。
漢字がいつごろ日本に来たかは諸説ありますが、凡そ4世紀ごろから本格的に入ってきたようです。

細かなことを省略して書くと、「かな(ひらがな)」はそんな漢字の草書体(最も簡略化された速く書くための書体)をくずしてできた文字になります。
だれかが「かなを

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漢字には、ちょっとだけ出るところがある

漢字には、ちょっとだけ出るところがある

漢字の中には、下のように少し出さないといけない部分があります。

◎右側 日、目、くにがまえの字、四、西…など

囲われた四角の中に何か書かないといけない場合は両端の下が少し出ます。

◎左側 口、中、虫…など

中に何も書かない場合や縦線が中心を通過するだけの場合は左下が下に、右下が横に少し出ます。

では、「回」になるとどうなるか? 
原則は同じなので、こうなります。

ちょっと紛らわしいです

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盛夏 (書写のお話)

盛夏 (書写のお話)

7月になりました。
朝、クマゼミが鳴いていました。

小さい頃、セミ取りといえばアブラゼミばかりでクマゼミは少なかったのに、私の地方はだいぶクマゼミが増えたようです。
彼らの音量はすごいものです。でも、夕方には鳴かなくなり、夜鳴いているのはアブラゼミになるので不思議です。
彼らなりに譲り合っているのでしょうか。

いよいよ暑くなってきます。

そういうことで「盛夏」
「盛夏」とは夏の最も暑い頃。夏

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「かんむり」と「あし」の関係性

「かんむり」と「あし」の関係性

前回は「へん」と「つくり」でしたので、今回は「かんむり」と「あし」を見てみましょう。

「かんむり」と「あし」つまり、字が上下で組み合わされる漢字があります。
例えば「分、忠、容、発、買、笑、会」等になりますが、これら上下で組み合わされる漢字は出来るだけくっつけた方が良いです。

それはなぜか。
見ていただくと一目瞭然です。

上下で組み合わされる漢字を離してしまうと、別々の字に見えてしまうんです

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「へん」と「つくり」の関係性

「へん」と「つくり」の関係性

漢字の字体は左右の「へん」と「つくり」に分けられるもの、上下の「かんむり」と「あし」に分けられるもの、それ以外にも色々ありますが、今回は「へん」と「つくり」に焦点を当ててみます。

よく使う「へん」の代表を挙げると

このあたりになるかと思いますが、この中でも特に気をつけないといけないのが「木へん」や「手へん」などの横画を縦画が通過するパターンです。
多くの方の「木へん」「手へん」はこうなります。

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美しい字を書くためには

美しい字を書くためには

最初はこのテーマについて書きたいと思います。

ひらがなに関しては46字の整った形を覚えるしかありません。「わ」「れ」「ね」や「け」「は」「ほ」などには共通項がありますので、まとめて覚えるといいですね。

漢字に関してはまず主要な部首のポイントを覚えることです。というのも、漢字は結構同じパーツを組み合わせでできていることが多いため、頻出する部首やパーツのポイントを覚えていれば、複雑な漢字になったと

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「お手本がないと書けません」問題

「お手本がないと書けません」問題

美しい字を書くための考察、続きです。

お手本をまねるのが元々得意な人がいます。

観察力、空間認知力、表現力などいずれも優れた能力を持っている人です。
そういう方が時折「手本がないと書けないんです」とおっしゃる。その原因はおそらく字を構成する主要なポイントやおおまかな外形を覚えていないからではないかと思います。

頭の中でぼんやりとしたイメージしか湧かないので、それを表現することができないのです

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熊川哲也と漢字の共通点

熊川哲也と漢字の共通点

たぶん誰だって脚が長いほうがいい。
しかしバレエダンサーの立場になると、必ずしも脚が長いほうがよいとは限らないらしい。
ある日、熊川哲也さんの著書を読んでいて、以下の文章を見つけました。

これを読んだとき、漢字を書くときのコツと同じだな。そう思いました。
例を挙げてみましょう。

左は重心の位置が低く、右は高い。
左の方がどしっと見えないでしょうか?
これは書の作品を書く時も同じで、よく「頭を大

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