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発想(イデー)は 単純明快 〜 島暮らしの記録



今回 紹介するのは こちらの一冊




ムーミンで知られる トーべ ヤンソン

先ずは、気になってメモしたいくつかの パラグラフを
書き留めておきたい


**

珍しく 穏やかな天気だ
海上警備隊も 回収に出た

ところが、風が南向きに変わる頃に早くも獲物は
流されてしまった
気落ちするまい
よくあることだ


『 たまには ほかの浜の連中に幸福を譲ってやってもいい 』


**

隠し小部屋はどうする?
と わたしが訊く


『 見つけたい人が 見つければいい 』


**

あれやこれやに 疲れると
わたしは しばらく 木挽場に こもる

木挽場の発想(イデー)は 単純明快だ

きがねなく 木片を 挽いたり 割ったり

『 誰にも 干渉されず いい匂いが するうえ
ようやく 自分の 思いどおりになる 』


**

ママから はぐれたせいで 、 みなしごたちと呼ばれる
二羽の雛がいた

彼らは いつも いっしょで 長いあいだ 溜り水で遊び
砕け波に乗って

ジェットコースターを 愉しみ

やがて 大きくなって

わたしたちの 知る 限り

『 死ぬまで しあわせに 暮らした  』


**  *


特に 好きな箇所を 『 』で 強調してみました


紛れもなく 幸福に生きる エッセンスが
散りばめられています


人目を気にするでなく、時には アクシデントにさえ
愉悦を見出す


他者への 押し付けがましい愛ではない
思いやり


承認欲求への さりげない 提言とも取れる
エスプリ


シンプルに 逞しく 自由を謳歌し 自分の好きなように
命の味覚を 舌のうえに のせる


こんな 人生を  わたしは 愛する


* * *

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