見出し画像

万年筆とインクはいいぞという話

趣味の話の記事では割愛されたこと。
X(当時はTwitter)で流れてきたツイートをきっかけに朝活書写をしていた時期がある。
そこから万年筆とインクにハマった。


元々手書きは好きではなかった。
ペンで書く事は特に。
占いの記事で書いた通り考えをまとめるのが苦手である事と、手書きでは頭に浮かぶものを書くのに追いつかない事、そして早く書こうとするからかあまりにも誤字が多すぎる事が理由だ。
授業のノートは板書まるごと写すのが精一杯だった。

そんな人間が唐突に文字を書きたくなったのだ。
特に書きたい事はないのに、何かを書きたい。
ペン字練習帳を購入した。
同時に、自由に書きたい時の為のノートも。マルマンのニーモシネだった。
このノートがどれほど良いかついては過去の記事で書いている。

この無地のノートは練習帳の復習をしたり、頭に浮かんだ事などを色々と書く事で楽しんでいた。
何も浮かばずともとにかく書きたくて、何故か写経もした。
夢野久作のドグラ・マグラを写したりなどもした。

そのうちに出会ったのが朝活書写である。
毎朝、青空文庫の中からお題をくれるアカウントがあるのだ。
各々がその文を書きタグをつけ、投稿するという楽しみ方をしていた。
私も最初から公開を考えていた。
やるからにはやはり体裁を整えねばと思い、安いものだが万年筆と、またニーモシネの方眼ノートを用意した。
書写のお題を出してくれるアカウントには朝活だけではなくいくつか種類があり、私も色々と自由に楽しみながら半年ほど続けたのだった。
もうやめてしまったけれど、ノートを見返すと驚くほど字が上達していた。
当時は気が付かなかった事だった。
誤字の多い人間だと思っていたものの、丁寧にゆっくりと書く事を意識していたからか書写ではそれほど誤字がなかった。


万年筆とインクについては、まさにという感覚だった。
使い切る事ができないのにどんどん増えていくのだ。
最初に買ってみたプラチナ万年筆のプレジールが私にはいまいち合わない気がすると思い、同じくプラチナのプロシオンを手に入れたところから止まらなくなった。
今改めて数えてみたら全部で17本あった。半年で買った数だ。
セーラー万年筆のハイエースネオ、レクル。
パイロットのカクノ、コクーン。
ラミーのサファリ、ナガサワオリジナル、他に海外のものなど色々と。
大体1,000~7,000円ほどの万年筆を買い続けていたが、最終的にはプラチナ万年筆のセンチュリーを中字・細字の二本購入。

メーカーでいうと一番私に合っていたのはプラチナ万年筆だった。
何故か7本も持っている。
なんせ放っておいても乾かない
本当はきちんと使ってあげて手入れしなければならない事は分かっている。
分かってはいるが、私は非常にずぼらな人間&気に入ったらそれを使い続けるのでどうしてもそれができなかった。
パイロットは特に乾きやすいと思っている。
安価なものしか使ったことがないから、はっきりとは言いづらいけれど。
というより、私のような使い方をしていれば大抵の万年筆は洗浄する羽目になる。私が悪いのである。
それでもプラチナ万年筆は乾かない!最高。
スリップシール機構というものがついており、これのおかげであるらしい。
何本も持っているのでしばらく使わないものも当然出てくるが、どれも元気に書かせてくれる。
そして書き心地も良かった。インクの出が丁度良いのだ。
ラミーのサファリを使った時に特に感じた。
こちらはインクが出すぎて乾かず、朝活書写をする際に次の行がなかなか書けないという事が起こっていた。縦書きには向かない。
もしかしたらペン先の調整の違いという事もあるかもしれない。
ちなみに友人の一人はラミー万年筆を気に入っている。


万年筆はほぼすべてコンバーターで使っていた。
カートリッジという手軽な選択肢もあったのに、思えば初めから万年筆インクへの興味はあったのかもしれない。
お財布との相談もあったけれど、インクも半年にしてはかなり増えた。
こちらもプラチナ万年筆、セーラー万年筆、パイロットを中心に色々と買い漁った。
インクで遊ぶのにガラスペンとGペン、パイロットのいろうつし、カリグラフィーペンまで買った。

当時気に入っていたのはセーラー万年筆のゆらめくインク。
数種類持っており、色のゆらぎが美しくて何度も使った。
これを使って絵を描いても面白いと思う。


Tono & LimsのKing -Lucky Clover- もとても良かった。ラメインクである。
写真で全体を撮ると分かりにくくなってしまうのだが、肉眼だときらきらとして本当に綺麗なものだ。
ラメインクは万年筆にはあまり向かないので、ガラスペンで使っていた。


コーヒーの香りがついたインクも面白かった。三田三昭堂の墨インク。
このシリーズはボトルが江戸切子の模様になっているのも好きだった。

勿論他にも好きなインクはたくさんあり、どんどん増えていくインクの管理の為にインクカードを使っていた。
これは自分でデザインして注文印刷したものだ。
当然、紙質にも少しばかりこだわった。


そのような具合に万年筆とインクを楽しみ、次第に飽きて終わった。
今でも買いたくはなるし、売り場を見れば眺めるけれど。
ウォーターマンやカヴェコ、ペリカンのスーベレーンなど今でも興味がある万年筆だらけだ。
フェリスホイールプレスや薫月文具堂のDREAM INKなど、飽きていなければ手に入れたかったインクもある。
しかし書写をやらなくなった今では買ってもろくに使ってやれないのだ。


書写はやめたものの、手書きはそれなりに好きだった。
無性に何かを書きたくなった時は、気まぐれにノートやコピー用紙を持ってきて書く事で発散していた。
手書きが好きと言ってもそれは殆ど万年筆に限った事だけれど。
ボールペンは滑りすぎるので今でも苦手だ。


そしてこの事をきっかけに今年から手帳を書き始めた。
どういうものを書いているかについては、次の記事で。

2024/4/2 追記
次の記事。



サイトマップはこちら



マガジンに追加していただけました。
ありがとうございます!



この記事が参加している募集

私のコレクション

沼落ちnote

よろしければサポートしていただけると本当にありがたいです。貯まったらその時興味がある事に使って記事を充実させようと思います。