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忍耐力と適応力

私はCOVID-19を転機に、人生のあり方を考え直すことにしました。
この試練の中で、高校卒業の頃のことを思い出した。

1998年5月
当時、ジャカルタインターナショナルスクール高等部4年生だった私は、
卒業アルバムの写真撮影、
プロム(卒業ダンスパーティー)に着ていくドレス、
エスコートしてくれる相手、
そして高校最後の日々と卒業式に
全力で意識を傾けていた

ありふれた18歳の女子高生だった。

そのすべては、
ある日「クーデター」によって一瞬でとなった。

帰国子女って、大人に振り回されていろんな目に合うけれど。
こんなことって、21世紀を目前にしてありなの!?
12年間のインドネシア生活の終止符が、こんなことで打たれるなんて。

ジャカルタ市周辺地域から住宅地を通過して暴徒が市内へ流れ込んできた。
たくさんの人が道に溢れ、燃えるタイヤがたくさん転がっていた。
炎に包まれた街をなんとか通り抜け、学校から家へ逃れた。
温和で優しいインドネシア人を初めて恐ろしいと思ってしまった。

暴徒から家族を守る為、路地の入り口にはバリケードを設け、交代で警備。
幼馴染はゴルフクラブで武装して、「今から戦ってくる」と電話をくれた。

「生きて必ずまた会おうね。お願い、無事で戻ってきてね。」

数日後、多くの邦人は緊急帰国の為、一人荷物1つだけ許され、
前後をインドネシア陸軍の装甲車に護衛されたバスで空港へ退避。
いつ飛ぶかわからない臨時便を延々と空港で待つ間、
友達と床に丸く輪になって座って、歌を歌ったり、トランプしたりした。

やっと離陸できた頃には、とうとう歌う歌がなくなって、
極限の緊張の中、白ヤギさん黒ヤギさんエンドレスで歌い続けた。

2度と会えなくなってしまった友達も多くいた。
世界中に散り散りになって、連絡先もわからない。
。。。命を落とした、同級生もいた。

卒業式とかプロムとかドレスとか、もうそんなものはどうでもよかった。
一番大切なこと。 それは、「お互い生きている」ことだけだった。

18歳の、その体験以来、私の中で人生の価値観が変わってしまった

私は危機に直面する時、なんていうか、防衛本能が働く。
自分の判断が正しいかどうかなんてわからない。
でも、直感が赴くままにしか動けない。それで今まで生き延びてきた。

だから、今回のCOVID-19に関しても同じで。
納得できなければ、国にも会社にも従う事は出来ない。

日本人は、私の決断を自分勝手だと思うのかもしれないけれど。
仕事や地位や名誉や世間体や体裁よりも、何よりも。
命がいちばん、大事なんだよ。

2月末までマンツーマン指導の塾講師として、25人くらい教えてました。
私が塾講師を続けている限り、媒介になるのは否めない。
密集・密室・密着の三拍子が揃った学習塾。
自粛ムードで生徒はあまり来ないけれど、閉鎖せず営業を続けている。

私の中の危機管理中枢が、これ以上外出を続けていてはいけないと叫ぶ。
喘息の生徒たち。既往症のある家族のいる子供。高齢者のいる家庭もある。
私が守るべきものは、自分と夫以外に、もっとたくさんありました。

私は会社を辞める決心をした。

私は、COVID-19を転機に、人生のあり方を考え直すことにしました。

COVID-19は人から人への感染経路しかありません。
たくさんの人が死んでしまう、世界中の人が免疫を持たない病です。
一人一人ができること。それは、なるべく人と会わないこと。
ただそうすることによって、守れる命がたくさんたくさんあります。

要は優先順位の問題なんでしょう。

私の最優先事項は、「夫と共に健康に生きる」ことです。

その目的のために、完全リモート業務に切り替える決断を下しました。

離職して一時的にどんなに困ったとしても、きっとなんとかなる。
生きるための「金を稼ぐ」のは、優先じゃないよね。
「生きるため」が優先だったはずだよね。

止められなかった消費と経済活動が、世界で一斉に一時的に鈍化して、
大気汚染、水質汚染、二酸化炭素排出量、ゴミ、騒音の問題が改善した。

これを機会に、全人類、マジになってみよう。
過去に執着するのを止めよう。
もう2度と、過去の世界には戻れない気がするよ。
それに、続けていくよりも失うものは多くないよ、きっと。

いきなり言葉も文化も違う異国に連れて行かれて、
帰国子女となった私が得た一番の宝物はたぶん、忍耐力適応力
これ、どちらも鍛錬の賜物であって、誰もともと持ち合わせてないんだ。

お父さん、お母さん、
私を鍛えてくれてどうもありがとう。
根性入れて、これからも頑張ります。

今は地球上のすべての人にとって厳しい時ですが、少しでも多くの人の毎日が明るくなればと願って発信していきたいと思っています!ちゃべまにすのnote活動推進のためにお気持ちのサポートをお願いできたら幸いです。どうぞよろしくお願いします。